ドジャース、悲願の「世界一」へ容赦なきトレード戦略 8勝2敗の投手、7月絶好調の選手が放出候補に

現在絶好調、「トレード価値を上げている」と指摘されているギャビン・ラックス(写真・USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 

 ナ・リーグ首位を走るドジャースが、7月23日、先発左腕のジェームス・パクストンを出場資格のある40人枠から外した(DFA)と発表した。

 

 前半戦、ド軍のローテーション・ピッチャーはことごとく負傷者リスト(IL)入りしたが、パクストンはストーンとともに離脱をしなかった希少な投手。成績も8勝2敗とチーム2番めの勝利数だっただけに、驚きをもって受け止められた。

 

「たしかに8勝していますが、防御率は4.43で安定しているとはいえませんでした。また、7月は先発で4試合投げていますが、1度もクオリティスタート(先発が6イニング以上を投げて自責点を3点以内に抑えること)はなく、防御率8.66と低迷していました。また、彼は今オフに年俸1100万ドル(約17億2000万円)プラス出来高と、高額契約を結んでいたこともマイナスに動きました。ド軍は悲願の世界一のため、ポストシーズンに向け、トレードを積極的におこなうと見られていて、パクストンは、その候補になっています」(現地記者)

 

 パクストンは前日22日のレッドソックス戦で8勝めをあげていただけに、Xでは、驚きや同情の言葉が並んだ(以下・本誌訳)。

 

 

《パクストンがこんなに早くDFAされるとは思わなかった》

 

《パクストンは昨日の先発後、拍手喝采を浴びた。翌日にDFAされるとはつらいことだ》

 

《8勝2敗の成績を残している先発投手がこれまでにDFAされたことがあるだろうか?》

 

 あまりにも突然の通告だったためか、翌日の彼のロッカーには、きれいに洗濯されたユニホームが、寂しそうにかかっていたという。

 

 一方、活躍することでトレード候補にあげられた不運な選手がもいる。練習中やベンチで大谷翔平によく声をかけられているギャビン・ラックス内野手だ。

 

 昨季はひざの大けがで全シーズンを棒に振っており、今季は再出発の年でもあった。内野ならどこでもこなせる守備力に加え、勝負強いバッティングも特長だ。

 

 とくに7月に入ってから好調で、14日のタイガース戦からの5試合で17打数7安打をマーク。当然のようにナ・リーグの週間MVPにも輝いた。

 

 ド軍はこの活躍を受け、公式Xに《後半も好調なスタート。ギャビン、ナショナル・リーグ週間最優秀選手、おめでとう!》と書き込んだが、皮肉にもXではトレードの言葉が飛びかっている。

 

ドジャースの二塁手(ラックス)はトレード期限直前に好調になっている》

 

《ラックスのトレード価値が上がってる(笑)》

 

《さあ行こう!ギャビン・ラックスは完璧なタイミングでトレード価値を回復させている》

 

《ラックス、アウトマン、そしてポップコーン1箱と、クロシェットとフェッドを交換する》

 

 などと、ラックスの活躍が彼の価値を高め、さらにいい選手を獲得できると盛り上がっている。

 

 スポーツ選手は「求められるうちが花」とよく言われるが、活躍してトレード要員にされては、たまったものではない。

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