47年ぶりの快挙!バレー男子「銀メダル」を生んだ「サッカーW杯」との “共通点”

6月21日の試合での様子。注目される石川祐希(右)と関田誠大(左)(写真・新華社/共同通信)

 

 バレー男子日本代表が急速の進歩を遂げている。日本時間7月1日、ポーランドでおこなわれた「FIVAバレーボールネーションズリーグ」の決勝で、日本は東京五輪金メダルのフランスに敗れたものの、主要国際大会における銀メダルは、47年ぶりの快挙だった。

 

「日本男子代表は1972年ミュンヘン五輪で金メダルを獲得するなど、1970年代は男子バレー界にとって黄金時代でした。ところが、世界各国が強化し始め、大型化が進むと日本男子代表は世界から完全に置いていかれました。

 

 

 主要大会でメダル争いに絡むことができなくばかりか、ミュンヘンから2021年の東京まで、12大会のうち6大会で五輪に進むことができなかったのです」(バレーボール専門誌記者)

 

 ではなぜ、今回のネーションズリーグで銀メダルを獲得できたのか。

 

「 “日本バレー史上最高の逸材” と目される石川祐希に加え、高橋藍、西田有志ら世界と対等に渡り合える選手がそろったことが挙げられます。

 

 彼らは、技術はもちろんのこと、メンタルも強く、口々に『試合では緊張したことがない』と言うような、強心臓の持ち主でもあります。

 

 また、フィリップ・ブラン監督は2021年から正式に日本代表監督に就任しましたが、コーチだった2017年を含め、長きに渡って日本代表を指揮したことで、監督の考え方が理解できるようになり、いまや完全なチームになっています。

 

 そしてなによりも石川を始め、今回の代表には高橋、西田、宮浦健人、関田誠大、甲斐優斗と6人もの海外リーグ経験者がいることで、世界を相手にしても心理的に追い込まれることがなくなりました」(同)

 

 こうした海外勢の増加による躍進が見られたのは、今から20年ほど前のサッカーも同様だ。

 

 サッカー日本代表が初めて予選を勝ち抜き、フランス杯に出たのは1998年のことだった。このとき日本代表は予選ラウンドでアルゼンチン、クロアチア、ジャマイカに3連敗して敗退となったが、代表22人中、海外チームに籍を置いている選手は皆無だった。

 

「それから4年後の日韓共催大会。日本は初めて予選ラウンドを突破したが、23選手中、海外組は中田英寿をはじめ4人が在籍していました。

 

 また、2022年のカタール大会で日本は、優勝経験国のドイツ、スペインをともに2-1で破り、世界中をあっと驚かせた。この26人の代表戦士中、じつに19人が海外組だったんです。彼らはふだんのリーグ戦で、世界のトップ選手と当たり前のように戦っていました。

 

 この事実からもわかるように、海外組がチームに還元する要素は大きい。バレーの高橋藍も『ふだんから世界のトップ選手を相手にしていることで、(課題だった)ディフェンスで力負けしなくなった』と認めていましたからね」(スポーツライター)

 

 ネーションズリーグでの銀メダルも十分に快挙だが、パリ五輪はもうすぐ。52年ぶりの金メダルへ、たくましく成長を遂げた海外組が牽引する。

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