世界最高額は誰だ! サッカー選手市場価値ランキング1~10位。トップに立った男とは【2024年最新版】

【写真:Getty Images】

 2023/24シーズンも後半戦に差し掛かり、欧州サッカーは一段と盛り上がりをみせている。そんなサッカー界で、優れたプレイヤーの指標の1つとも言えるのが市場価値であり、その額は年齢や活躍によって算出される。ここでは、サッカー選手の市場価値をランキング形式で紹介する。(成績、市場価値は『transfermarkt』を参照。データは2024年2月15日現在)
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10位:デクラン・ライス(アーセナル/イングランド代表)
生年月日:1999年1月14日
市場価値:1億1000万ユーロ(約154億円)
2023/24リーグ戦成績:24試合4得点4アシスト

 10位には、昨夏に英国人史上最高額の移籍金でアーセナルに加入したデクラン・ライスがランクインした。

 14歳の時にチェルシーからウェストハムの下部組織に移籍した同選手は、2016/17シーズンに東ロンドンに本拠地を構えるチームでプレミアリーグデビューを飾った。当初はCBの選手だったが、一列前にポジションを上げるとその才能が大きく開花。豊富な運動量と対人の強さを活かした圧倒的な守備能力で中盤に蓋をするだけでなく、ドリブルでの持ち運びや優れたキック精度からのチャンスメイクなど、攻守両面でクオリティの高い選手へと成長した。

 ライスの凄さはプレーの内容面だけではない。怪我への耐性が抜群に高く、キャリアを通してほとんど離脱をしたことがないのだ。今季よりプレーしているアーセナルではプレミアリーグ全試合で先発起用され、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)でも消化試合となった1試合を除く5試合でスタメン出場している。仮にどこかを痛めてベンチに下がっても次の試合には間に合わせる稼働率の高さこそ、ライスの評価されるべきポイントだろう。

 そんな世界最高峰の守備的MFの市場価値はシーズンを追うごとに高騰しており、現在はキャリア最高額の1億1000万ユーロ(約154億円)にまで上昇。今季の活躍や25歳という年齢を踏まえると伸びしろを残しており、近いうちにトップ5入りを果たしてもおかしくない。

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9位:ビクター・オシムヘン(ナポリ/ナイジェリア代表)
生年月日:1998年12月29日
市場価値:1億1000万ユーロ(約154億円)
2023/24リーグ戦成績:13試合7得点2アシスト

 9位には、昨季セリエAで得点王を獲得し、ナポリを33シーズンぶりのスクデットに導いたビクター・オシムヘンがランクインした。

 彼の名前が最初に有名となったのが2015年に行われたU-17ワールドカップである。この大会でナイジェリア人FWは7試合全てでゴールを決めて得点王を獲得。母国を優勝に導いた。その後引き抜かれたヴォルフスブルクでは結果を残せなかったが、18年夏のシャルルロワへの移籍をキッカケに得点力が開花。現在5シーズン連続でリーグ戦2桁ゴールを記録しており、昨季はキャリアハイの26ゴールを決めてトップリーグでは初のゴールデンブーツに輝いている。

 オシムヘンの身体能力は他のアフリカ産FWと比べても頭一つ抜けており、爆発的なスピードや跳躍力を活かしたゴール前での力強さで相手DFを圧倒している。ボックス内で強引にシュートまで持っていく力強さは世界トップクラスと言っていいだろう。

 そんなオシムヘンの市場価値は昨シーズン得点王を獲得した直後に自己最高額の1億2000万ユーロ(約168億円)に到達。今季は怪我の影響もあって得点数が伸び悩んでいることもあり、12月に1億1000万ユーロ(約154億円)まで評価額が下がったが、ゴールを決めているペース自体はそこまで悪くないだろう。アフリカ・ネーションズカップから帰還したこのタイミングでの大爆発に期待したい。

8位:ラウタロ・マルティネス(インテル/アルゼンチン代表)
生年月日:1997年8月22日
市場価値:1億1000万ユーロ(約154億円)
2023/24リーグ戦成績:21試合19得点4アシスト

 8位には、自身初のセリエA得点王が射程圏内に入っているラウタロ・マルティネスがランクインした。

 18年夏に母国アルゼンチンのラシン・クラブからインテルに加入した同選手は、2020/21シーズンにロメル・ルカクとのツートップで得点とアシストを量産。セリエAで2桁ゴール2桁アシストを達成し、ネラッズーリ(インテルの愛称)の11シーズンぶりのスクデットに大きく貢献した。サミール・ハンダノビッチが契約満了により退団(後に現役引退)した今季からは主将を務めており、インテルの顔となっている。

 毎シーズンのようにキャリアハイを更新し続けているアルゼンチン代表FWの強みは、高い確率で枠を捉える決定力の高さだ。多少は苦しい体勢でも強引にシュートをゴールに結びつける。今季のセリエAでの決定率27.94%は、ブンデスリーガでトップを独走するハリー・ケイン(27.91%)やノルウェー代表FWアーリング・ハーランド(23.88%)を上回る。その上、周りの選手を活かすコンビネーションにも長けており、今季からコンビを組むマルクス・テュラムとも熟練の連係をみせている。

 そんなマルティネスの市場価値は現在の1億1000万ユーロ(約154億円)がキャリア最高額だ。先述した通り、毎年キャリア最高の成績を残しており、インテル加入以降は前シーズンを下回る成績を残したことがない。常に上昇を続けていることが、市場価値の高騰に繋がっているのだろう。

7位:フィル・フォーデン(マンチェスター・シティ/イングランド代表)
生年月日:2000年5月28日
市場価値:1億1000万ユーロ(約154億円)
2023/24リーグ戦成績:23試合8得点7アシスト

 7位には、マンチェスター・シティのアカデミー史上最高傑作とも評されるフィル・フォーデンがランクインした。

 アカデミー育ちの選手で、クラブから本当に期待をされている選手はローン移籍させることなく自チームで育成する。バルセロナ時代のリオネル・メッシやアーセナルのブカヨ・サカらがそれに該当する。フォーデンは“世界最高の監督“と名高いジョゼップ・グアルディオラに手塩にかけて育てられ、彼の下でクラブを代表する選手へと成長した。

 フォーデンの持ち味は、吸い付くような足下でのコントロールと得点に直結するプレー精度の高さだろう。多少の難しいパスであれば難なくコントロールして、華麗なターンで前を向く。そこから繰り出されるドリブル、パス、シュートのクオリティはどれも一級品だ。また二列目であればどのポジションでも遜色なくプレーできるため、監督からすれば使い勝手の良さも魅力だと言える。

 成長著しい23歳の若武者の市場価値は、2022年11月に自己最高額の1億1000万ユーロ(約154億円)に到達して以降キープし続けている。これは安定した成績を毎シーズンのように残せているが故であり、昨季はキャリア初のリーグ戦2桁ゴールを達成した。今季もすでに8得点7アシストと昨季を上回るペースでゴールに絡んでおり、この調子を維持できれば近い将来にもキャリアハイを更新するかもしれない。

6位:ジャマル・ムシアラ(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ代表)
生年月日:2003年2月26日
市場価値:1億1000万ユーロ(約154億円)
2023/24リーグ戦成績:16試合5得点2アシスト

 6位には、20歳という若さで名門バイエルン・ミュンヘンとドイツ代表の攻撃を牽引しているジャマル・ムシアラがランクインした。

 同選手はサウサンプトンやチェルシーのアカデミーを経て19年夏にバイエルン・ミュンヘンの下部組織に加入。同シーズンにクラブ史上最年少でトップチームデビューを飾ると、続く2020/21シーズンからは主力に定着した。またユース年代では7歳から過ごしたイングランド代表を選択していたが、2021年にドイツ国籍へと変更し、2022年に行われたカタールワールドカップでも全3試合に出場している。

 ムシアラの代名詞となっているのが足下に吸い付くようなタッチの細かいドリブルだ。足が長いため懐が深く、密集地帯に突っ込んでもボールを失わずに局面を打開する。その上、常に顔を上げた状態でドリブルができるため、相手の動きや周りに合わせてギリギリのところでプレーの選択肢を変えられるのも持ち味だ。自ら敵陣を切り裂くことも、複数の相手選手を引きつけることでフリーの選手を作れるため、ピッチに立つだけでファイナルサードにて脅威になることができる。

 このドリブルに加えて、昨季はブンデスリーガで2桁ゴール2桁アシストを達成するなど、最後の局面での精度の高さも魅力だ。この活躍を受けてムシアラの市場価値は上昇を続けており、現在の1億1000万ユーロ(約154億円)が自己最高額である。今季もゴールに直結する違いを作るプレーが多く、トーマス・トゥヘル監督のチームで最も欠かせない選手の1人に定着している。

5位:ブカヨ・サカ(アーセナル/イングランド代表)
生年月日:2001年9月5日
市場価値:1億2000万ユーロ(約168億円)
2023/24リーグ戦成績:23試合10得点8アシスト

 5位には、プレミアリーグで首位争いを繰り広げるアーセナルで絶対的な主力に定着しているブカヨ・サカがランクインした。

 2019/20シーズンにトップチームの主力に定着した同選手は、その戦術理解力の高さからミケル・アルテタ監督が就任した当初は[3-4-3]の左WBでもプレー。現在の主戦場である右WGに固定されてからは数字に残る活躍を披露しており、今季も含めて3シーズン連続でプレミアリーグ2桁ゴールを達成している。

 個人での打開力に長けているサカは、内に切り込むカットインと縦に突破を仕掛けるドリブルの両方の精度が高いため、守る側からすると対策がしづらい選手だ。ダブルチームでマークにつけば無理に突破を図るよりも、自らの相手を引きつけることで周りの選手を活かすプレーに重点を置くなど、状況判断の良さも際立つ。また稼働率が極めて高く、昨季までの2シーズンではプレミアリーグ全試合に出場。今季も欠場は1試合のみと、常に戦力として計算できるのも評価が高いポイントだ。

 多くの名選手が背負ってきたアーセナルの背番号7が似合う選手へと成長を続けるサカは、23年6月に市場価値が自己最高額を更新。世界5位の1億2000万ユーロ(約168億円)にまで到達した。すでにアーセナルで200試合以上に出場し、イングランド代表としてもユーロ(欧州選手権)とワールドカップの出場歴もあるスーパーな22歳は、年齢的にもその価値がさらに高まる可能性も十分にあるだろう。

4位:ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード/ブラジル代表)
生年月日:2000年7月12日
市場価値:1億5000万ユーロ(約210億円)
2023/24リーグ戦成績:15試合7得点4アシスト

 4位には、世界最高のドリブラーへと順調に階段を上っているレアル・マドリードのヴィニシウス・ジュニオールがランクインした。

 18年夏にフラメンゴから“白い巨人“に加入したブラジル代表FWは、決定力に明確な課題を抱えていた。ただ、2021/22シーズンにラ・リーガで17ゴールを記録するなど得点力が開花。これを機にヴィニシウスはワンランク上の選手へと飛躍を遂げ、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)などの大舞台でも重要なゴールを決めている。勝負強さも持ち味で、今年1月に行われたスーペルコパ決勝では因縁のライバルであるバルセロナ相手にハットトリックを達成して優勝に導いた。

 ヴィニシウスのドリブルはわかっていても止められない。1対2の状況でも縦に突破を仕掛けて抜き去ってしまう加速力は群を抜いており、「静」から「動」の一瞬の動き出しで相手をぶっちぎる。今季はチームの編成上、ツートップの一角で出場することが多いため持ち味のドリブルが活きる場面は減っているが、それでも中央から迷わず相手ゴールに突っ込んでネットを揺らすなど破壊力は健在だ。

 徐々にサッカー選手として能力が向上しているヴィニシウスの市場価値は、現在の1億5000万ユーロ(約210億円)が自己最高額でもある。今季は怪我の影響もあってやや欠場する試合が目立つが、ピッチに立つことさえできれば結果を残す。そのポテンシャルを考えれば、まだまだ価値が上がる可能性もあるだろう。

3位:キリアン・エンバペ(パリ・サンジェルマン/フランス代表)
生年月日:1998年12月20日
市場価値:1億8000万ユーロ(約252億円)
2023/24リーグ戦成績:19試合20得点4アシスト

 3位には、前人未到の6シーズン連続でのリーグ・アン得点王が現実味を帯びているキリアン・エンバペがランクインした。

 17年夏にモナコからパリ・サンジェルマンへと加入した同選手は、ネイマールやリオネル・メッシら他のスター選手と一緒でも常に主役だった。5シーズン連続での得点王獲得ということからもわかるようにゴールネットを揺らし続け、昨年11月には代表キャリアを含めて通算300ゴールを達成。リオネル・メッシクリスティアーノ・ロナウドら21世紀を代表する点取り屋よりも早いペースでこの記録を成し遂げた。

 気合の入ったエンバペを止めることは不可能に近い。一瞬で相手をぶっちぎるスピードに、振りが速くて強烈なシュートは、他のスター選手と比較しても頭一つ抜けている。試合によって集中力を欠く点は課題と言えるが、ワールドカップのような大舞台では抜群の存在感を発揮する。優勝した2018年大会は4ゴール、準優勝の2022年大会は決勝戦でのハットトリックを含めて8ゴールを決めており、現在25歳にしてワールドカップ通算12ゴールを記録。過去5大会に出場しているロナウドをすでに上回っており、ワールドレコードのミロスラフ・クローゼ(16ゴール)の記録まで射程圏内に迫っている。

 そんなエンバペの現在の市場価値は1億8000万ユーロ(約252億円)である。18年12月に叩き出した自己最高額の2億ユーロ(約280億円)は下回るが、それでも異次元な活躍を続けていることから高い価値をキープし続けている。さらに高みを目指すことになれば、再び自己最高額を更新することになるかもしれない。

2位:アーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ/ノルウェー代表)
生年月日:2000年7月12日
市場価値:1億8000万ユーロ(約252億円)
2023/24リーグ戦成績:17試合16得点5アシスト

 2位には、昨季プレミアリーグ新記録を樹立して得点王に輝いたアーリング・ハーランドがランクインした。

 この怪物FWが最初に有名となったのは2019年夏に行われたU-20ワールドカップだろう。グループリーグ第3節ホンジュラス戦で1試合9ゴールを記録して大会得点王に輝いた。続く2019/20シーズンにザルツブルクで得点を量産。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)デビューから史上初となる3試合6ゴールを記録したことで一躍時の人となり、20年冬にドルトムントへ移籍した。そして2022/23シーズンからは現在も所属するマンチェスター・シティでプレーしている。

 ハーランドの最大の魅力は異次元の得点力だ。ザルツブルクでは27試合29ゴール、ドルトムントでは89試合86ゴール、マンチェスター・シティでは79試合73ゴールを記録。これは途中出場からの試合も含まれているため、いずれのクラブでも1試合1ゴールを上回るペースで得点を重ねている。屈強な相手DFを片腕で弾き飛ばしてしまうフィジカルや破壊力抜群のシュートに加えて、オフザボールの動きが秀逸なのもハーランドの特徴だ。相手の最終ラインを見ての動き出しやボックス内でフリーになるための駆け引きにも長けており、理想のストライカー像を具現化している。

 これだけの成績を残せば市場価値が高騰するのも必然的で、現在は自己最高額となる1億8000万ユーロ(約252億円)を叩き出している。現在23歳ながら、すでにクラブレベルでは200ゴール以上を決めるなど彼の成長は止まらない。そのフットボールへの真面目な性格を考えれば、さらにアンタッチャブルな選手へ成長してもおかしくないだろう。

1位:ジュード・ベリンガム(レアル・マドリード/イングランド代表)
生年月日:2003年6月29日
市場価値:1億8000万ユーロ(約252億円)
2023/24リーグ戦成績:21試合16得点3アシスト

 数々のスター選手を差し置いて、レアル・マドリードでプレーするイングランド代表MFジュード・ベリンガムが現在の市場価値ランキングでトップに立った

 2019/20シーズンに当時16歳でバーミンガム・シティのトップチームに昇格した同選手は、いきなり主力に定着。20年夏にドルトムントへと引き抜かれると、同年11月にイングランド代表に初招集され、シーズン終了後に行われたユーロ2020(欧州選手権)にも出場した。瞬く間にスター選手の1人となったベリンガムは今季からプレーするレアル・マドリードで、さらに評価を高めている。

 20歳の若武者はこの年齢にしてフィジカルと技術、そして攻守両面のどちらの能力もハイレベルに兼ね備えている。局面ごとにあらゆる能力が求められる現代フットボールの中で理想的な「最強の万能型MF」と言えるかもしれない。彼がレアル・マドリードに即フィットできたのは、すでに「勝者のメンタリティ」を持っていたからだろう。何事に対しても物怖じすることなく立ち向かい、飽くなき勝利への執念を持ち合わせているのはクラブカラーと合致する。

 今季は開幕から4試合連続ゴールを記録し、自身初のエル・クラシコで2つのゴラッソを叩き込んだベリンガムの市場価値は高騰を続けている。すでに加入時と比較をすると6000万ユーロ(約84億円)アップの1億8000万ユーロ(約252億円)にまで上昇しており、全フットボーラーでトップに立った。底知れぬポテンシャルの持ち主である彼が今後どのようなサッカー選手へと成長するのか。そのスケールの大きさに世界中が注目していることだろう。

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