落選の危機!? サッカー日本代表、当落線上の5人。23人の枠から漏れる可能性があるのは?

【写真:Getty Images】

●MF:川辺駿(スタンダール・リエージュ/ベルギー)

 11月のFIFAワールドカップ2026アジア2次予選兼AFCアジアカップサウジアラビア2027予選に臨む日本代表メンバー23名が8日に発表される。久保建英、冨安健洋ら不動の存在がいる一方で、現状当落線上にいる選手は誰なのか。今回は5人をピックアップして紹介する。(成績は6日時点の『transfermarkt』を参照)

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生年月日:1995年9月8日(28歳)
23/24リーグ戦成績:13試合4得点2アシスト
日本代表通算成績:6試合1得点1アシスト

 今季からベルギーの強豪スタンダール・リエージュでプレーする川辺駿は、追加招集という形で10月シリーズに臨む日本代表メンバーに名を連ねた。しかし、初戦のカナダ代表戦で途中出場したものの、決定機を逃したり、不用意なボールロストからピンチを招いてしまったりとやや低調なパフォーマンスに。続くチュニジア代表戦では出番がなく、代表定着に向けて猛アピールとはならなかった。

 川辺は縦への推進力や右足のキックに自信を持つ攻撃的MFだ。日本代表の4-2-3-1ならボランチ、あるいはトップ下。4-3-3ならインサイドハーフが適性といったところだろう。しかし、同じような特徴を持つ選手として、チームには田中碧が存在している。FIFAワールドカップカタール2022にも出場するなど、これまで森保ジャパンで結果を残してきたのは明らかに田中の方であり、似たタイプを使うなら彼の方が選択肢として先にくるのは必然だ。

 また、現在の森保ジャパンにおいて最も求められている人材と言っても過言ではないのが、主将・遠藤航の負担を少しでも軽減できる守備的MFだ。そういった意味でも、攻撃面にストロングポイントを持つ川辺の必要性は今のところ高いとは言い難い。先述した通り、10月シリーズはあくまで“追加招集”だったことを忘れてはならない。

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●MF:堂安律(フライブルク/ドイツ)

生年月日:1998年6月16日(25歳)
23/24リーグ戦成績:10試合1得点0アシスト
日本代表通算成績:39試合6得点5アシスト

 東京五輪世代の堂安律は、森保ジャパン発足当時の主力選手の1人。南野拓実、中島翔哉と形成する2列目は「NMD」などと称され、爆発的な破壊力を誇っていた。そこから時間が経つにつれ序列こそ低下してしまったものの、FIFAワールドカップカタール2022にも出場。ドイツ代表戦とスペイン代表戦で値千金の同点ゴールを叩き出すなど、ベスト16入りの立役者となった。

 その堂安は、今年6月シリーズと9月シリーズで日本代表の10番を背負っている。しかし、エースナンバーに相応しい働きができているとは言い難い。個人で打開しようとする姿勢はあるものの、ドリブルを止められることが多く、左足の強烈なシュートも影を潜めてしまっている。圧倒的な突破力を持つ三笘薫や伊東純也、豊富なアイデアを持つ久保建英に比べると、怖さという意味で物足りなさは残る。

 今月より始まるワールドカップ・アジア2次予選の登録枠は23人となる。堂安が主戦場とする右サイドは久保と伊東の2人が不動。鎌田大地、南野のどちらかが外れる、あるいは鎌田がボランチで久保がトップ下として計算されるならば、堂安は伊東のバックアッパーとして招集される可能性があるが、いずれにせよ「当確」と言える立場にはない。新10番は正念場を迎えている。

●DF:橋岡大樹(シント=トロイデン/ベルギー)

生年月日:1999年5月17日(24歳)
23/24リーグ戦成績:12試合2得点1アシスト
日本代表通算成績:7試合0得点0アシスト

 AZの菅原由勢は、FIFAワールドカップカタール2022後における日本代表の右サイドバック争いで頭ひとつ抜け出した印象がある。2番手争いはセレッソ大阪の毎熊晟矢と橋岡大樹の勝負となっているが、これまでのパフォーマンスを見る限り、毎熊が一歩リードしていると見ていいだろう。橋岡は森保一監督の下で東京五輪にも出場したが、まだ指揮官にアピールする必要がありそうだ。

 W杯出場を逃した橋岡は、今年行われた4シリーズ中、3シリーズで招集を受けているが、先発を飾った試合はない。攻撃よりも守備面に強みを持っていることもあり、終盤の起用がほとんどとなっている。しかし、ゲームを締めるという与えられた役割を果たせているとは言い難く、先月のカナダ代表戦では自身のサイドを崩されて失点を招いた。同チュニジア代表戦は無失点に抑えたものの、抜群の安定感だったかと言えばそうではない。

 菅原と毎熊は攻撃面に強みがある選手でタイプ的には被っている。そのため守備で貢献できる橋岡の存在価値が全くないわけではないだろう。しかし、先月シリーズで自身のストロングポイントを“結果”として証明できなかったのは痛恨であり、厳しい言い方だが守備で貢献できなければ招集される意味はあまりない。今のところ3番手に落ち着きそうだ。

●DF:谷口彰悟(アル・ラーヤン/カタール)

生年月日:1991年7月15日(32歳)
23/24リーグ戦成績:8試合0得点0アシスト
日本代表通算成績:22試合1得点1アシスト

 川崎フロンターレで長く守備の大黒柱として活躍していた谷口彰悟だが、なかなか日本代表とは縁がなかった。しかし、森保一監督の下では常連メンバーとなり、昨年には31歳にして初めてのワールドカップ出場も果たした。今年に入ってからは3月を除くすべてのシリーズで招集をされており、ここまで途中出場も含めて全試合でピッチに立っている。

 冨安健洋や板倉滉ほどの圧倒的な守備力を持つわけではないが、攻守において安定したパフォーマンスを約束できるのが谷口の魅力である。昨年のW杯アジア最終予選では板倉とのコンビで冨安&吉田麻也不在の穴を埋めており、W杯のスペイン代表戦では3バックの一角として最少失点に抑えた。しっかりと準備し、いざという時に起用に応える。指揮官からすれば、実に頼もしい存在だ。

 しかし、谷口の立場が安泰とは言えないだろう。センターバックのライバルは板倉、冨安に加え、今や常連の伊藤洋輝、10月シリーズでアピールに成功した町田浩樹、さらには欧州で活躍する渡辺剛や瀬古歩夢など豊富。現在32歳という年齢を考えても、いつ20代の選手にその座を引き摺り下ろされるかわからない。とくに左SBも兼任できる伊藤洋と町田の存在は脅威だ。

●MF:鎌田大地(ラツィオ/イタリア)

生年月日:1996年8月5日(27歳)
23/24リーグ戦成績:9試合1得点1アシスト
日本代表通算成績:30試合6得点5アシスト

 ヨーロッパの地で結果を残してきた鎌田大地は、これまで森保ジャパンで30試合に出場して6得点5アシストをマーク。4-2-3-1ではトップ下、4-3-3ではインサイドハーフとしてプレーし、絶妙なポジショニングやセンスのあるパス捌きを武器に攻撃のリズムを作り続けてきた。しかし、能力の高さに疑いの余地はないものの、現状日本代表に招集される立場かと言われれば微妙だ。

 その理由の1つとして、所属クラブであまり試合に絡めていない事実がある。4-3-3をベースとするラツィオのインサイドハーフにはルイス・アルベルトという絶対的司令塔が君臨しており、もう片方のインサイドハーフにはL・アルベルトとタイプ的に似ている鎌田ではなく、より守備で貢献できるマテオ・ゲンドゥージが起用されている。あまり守備面に特徴がないL・アルベルトとのバランスを考えての采配だろう。

 日本代表におけるライバルも強力だ。鎌田が主戦場とするトップ下では10月シリーズで躍動した久保建英が大きな脅威となっており、モナコで好調を維持する南野拓実もいる。ボランチは遠藤航と守田英正が不動。控えには田中碧がおり、このポジションの戦力として考えられているかは微妙なところだ。いずれにせよ、クラブでアピールできていない以上、招集されなくても不思議ではない。

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