レッドブルの責任者就任のクロップ氏が苦悩を吐露「みんなを満足させることはできない」

ユルゲン・クロップ氏

 レッドブルのグローバルサッカー部門の責任者に就任したユルゲン・クロップ氏が、自身の苦悩を明かした。30日、イギリスメディア『BBC』が伝えている。

 現在57歳のクロップ氏は、マインツやドルトムントでの指揮を経て2015年にリヴァプールの指揮官に就任すると、プレミアリーグ優勝やチャンピオンズリーグ(CL)制覇を成し遂げ、昨シーズン終了後に9年間率いたリヴァプールを退任した。その後の行き先には注目が集まっていたなか、今月9日にレッドブルのグローバルサッカー部門の責任者に就任したことが発表された。

 しかし、レッドブルは2009年に当時5部所属のSSVマルクランシュタットを買収した際にクラブ名をRBライプツィヒに改名したことによって、ドイツサッカー界で大きな物議を醸すと、「ドイツで最も嫌われているクラブ」というレッテルが貼られるなど、反対派のファンによる抗議に定期的に直面しており、そんなところに就任したクロップ氏も特に古巣のドルトムントファンからは多くの批判を受ける事態となった。

 このような状況のなか、元ドイツ代表MFトニ・クロースのポッドキャストに出演したクロップ氏は「どんな反応が起きるかで決断を下すことはできない」と語りながら、全員が納得する仕事に就くことは難しかったと説明した。

「誰かの足を踏みたくはなかった。以前所属していたクラブはすべて好きだけど、みんなが満足できるようにするために何ができたかはわからない。私は57歳であと数年は働けるけど、今のところはサイドラインに立っているのは想像できなかった。自分は何かをするんだろうとはっきりと思っていたけど、そんな時にレッドブルが来たんだ」

「ファンにアンケートをとって、『何をしたらいい?』などと聞くことはできない。もし、バイエルンに行っていたら、ドルトムントで大騒ぎになっていただろうしね。どうしたらいいんだ? 仕事は続けたい。でも、みんなを喜ばせようと生活していたら、毎日失敗することになる」

 そして、クロップ監督は「唯一の現実的な選択肢は代表チームの監督になることだったけど、もう監督にはなりたくないんだよ」と再び監督業をやることには否定的であることも明かした。

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