京都、“80分間”を10人で戦いながら執念の勝利! 残留へ崖っぷちの鳥栖は痛恨の敗戦

 2024明治安田J1リーグ第34節が19日に行われ、京都サンガF.C.とサガン鳥栖が対戦した。

 ここまで開幕から7勝5分21敗を記録し、勝ち点「26」の20位に沈む鳥栖。2011年に初のJ1昇格を決めて以降、国内最高峰の舞台で戦い続ける同クラブだが、今節敗れると他クラブの結果次第で13年ぶりのJ2降格が決まる。対するは、シーズン後半戦に入って急速に勝ち点を積み上げ始めた京都。直近3試合は未勝利となっているものの、白星を挙げてJ2降格圏内の18位以下を突き放したいところだ。

 試合は、立ち上がりの10分に大きなターニングポイントが訪れる。京都の縦パスに対して鳥栖が人数をかけてプレス。ボールを奪って中盤のヴィキンタス・スリヴカに繋ぎ、前線で走り出したマルセロ・ヒアンへと浮き球のパスが送られる。すると、鋭く飛び出してきた京都GKク・ソンユンと接触。主審はレッドカードを提示し、京都は10人での戦いを強いられることとなった。

 1人少ない京都だが、18分にビッグチャンスを創出。自陣右サイドでボールを奪ってカウンターを仕掛けると、マルコ・トゥーリオがドリブルで前進する。ラファエル・エリアスに預けながらボックス内へと駆け上がり、リターンを受けてゴール前にパス。マイナスの折り返しをラファエル・エリアスがワンタッチで合わせるが、シュートは枠の左に外れてしまった。

 劣勢が続く鳥栖も52分に決定機を作り出す。右サイドの中原輝にボールが渡ると、ボックス手前の富樫敬真へと斜めにパス。体を張って粘り、マルセロ・ヒアンが左の福田晃斗に展開する。右足に持ち替えてクロスを送ると、ニアに飛び込んできたスリヴカがワンタッチでシュート。だが、枠内に向かったボールを佐藤響がゴール手前で掻き出し、クロスバーに当たったこぼれ球をGK太田岳志が弾いた。

 そんななか、65分に京都が均衡を破る。GK太田が前線にパントキックを送ると、鳥栖の選手たちがお見合いとなったことでマルコ・トゥーリオにボールが収まる。フィジカルを生かして西矢健人を抑え込み、味方へのパスが相手に当たって自身へと溢れる。ペナルティエリア手前で思い切りよく右足を振り抜くと、シュートは山﨑浩介に接触しながらゴールイン。京都が大きな先制点をマークした。

 追いつきたい鳥栖は再三にわたってゴールに迫るが、京都GK太田が何度もビッグセーブ。京都が守勢に回りながら凌ぎ切ると、89分に再びスコアを動かす。鳥栖が最終ラインからボールを繋ぎ始めると、福田心之助が猛烈な勢いでプレスを開始。インターセプトした流れのままトップスピードでDFを突破し、滑り込みながらGK朴一圭の股下を通すシュートを狙う。カバーに入った山﨑がスライディングでカットを試みたものの、クリアはわずかに間に合わず。京都が大きな追加点を挙げた。

 その後は鳥栖のマルセロ・ヒアンが退場となり、スコアはそのまま2-0で終了。敗れた鳥栖は、1時間遅れでキックオフした湘南ベルマーレの結果次第で降格が決定する。次節は来月3日に行われ、京都はアウェイでサンフレッチェ広島と対戦。鳥栖はホームでFC町田ゼルビアと対戦する。

【スコア】
京都サンガF.C. 2-0 サガン鳥栖

【得点者】
1-0 65分 マルコ・トゥーリオ(京都)
2-0 89分 福田心之助(京都)

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