テン・ハフ監督の“将来”が決まる? マンU幹部がミーティングを実施へ

エリック・テン・ハフ

 マンチェスター・ユナイテッドの幹部陣が8日、エリック・テン・ハフ監督の将来をめぐるミーティングに臨むようだ。イギリスメディア『スカイスポーツ』や『ガーディアン』など、複数のメディアが報じた。

  今シーズン、マンチェスター・ユナイテッドは16日に行われたプレミアリーグ第1節のフルアム戦こそ、新戦力のオランダ代表FWジョシュア・ザークツィーのゴールにより1-0で勝利したものの、以降は調子が上がっていない。第7節終了時点で2勝2分3敗の勝ち点「8」獲得にとどまり、14位に沈んでいる。プレミアリーグでの得点数「5」は、サウサンプトンの「4」に次ぐワースト2位タイと不名誉な記録だ。加えて、ヨーロッパリーグ(EL)でも開幕2戦をドローで終えるなど、序盤戦から低空飛行が続いている。

 このような状況のなか、マンチェスター・ユナイテッドの幹部が参加するミーティングが行われるという。このミーティングには、多国籍化学企業『INEOS』の会長兼CEO(最高経営責任者)で、マンチェスター・ユナイテッドの共同会長を務めるサー・ジム・ラトクリフ氏、同じく『INEOS』のスポーツ部門でディレクターを務めるサー・デイヴ・ブレイルズフォード氏、マンチェスター・ユナイテッドの共同会長を務めるジョエル・グレイザー氏、CEOであるオマール・ベラーダ氏、スポーツ・ディレクター(SD)のダン・アシュワース氏、テクニカル・ディレクター(TD)のジェイソン・ウィルコックス氏など、クラブの重鎮のほとんどが出席予定とのこと。『スカイスポーツ』によると、このミーティングは『INEOS』主導のもと、顔を合わせてフットボール運営について話し合う目的で、月次で開催されているようだ。インターナショナルマッチウィークに突入したこのタイミングでの開催は、現在公式戦5戦未勝利というチームの調子によるものではなく、参加者全員の都合がついたことが理由だという。

 ただし、メイントピックはテン・ハフ監督の去就について話し合うこととなる模様。『スカイスポーツ』は「決して慌てることなく、“慎重に”判断する予定だ」と強調しており、現時点での成績を理由に即時解任に踏み切る可能性は低いと指摘。一方で、ゴール期待値を考慮した上でファイナルサードでのパフォーマンスが低いことや、守備面での被シュート数の増加など、戦術的な面を踏まえた上で、現体制では改善が難しいと判断された場合、契約解除に至る可能性も0ではなさそう。選手の心理面など、モチベーション管理の部分も疑問視されており、こちらも検討される見通しだ。

 なお、『ガーディアン』によると、仮にテン・ハフ監督の解任という決断が下された場合、後任候補も複数名挙がっているとのこと。最有力の候補はトーマス・トゥヘル氏と見られている。昨季限りでバイエルンの指揮官を退任したトゥヘル氏は、現在どこのクラブも率いていないフリーの状態が続いている。今夏にテン・ハフ監督との契約延長が発表される以前、トゥヘル氏はマンチェスター・ユナイテッド側からの正式なアプローチを受けていなかったことを明かしていた。現時点で接触があるのか否かは不透明だが、ドルトムント、パリ・サンジェルマン(PSG)、チェルシー、バイエルンと欧州各国のビッグクラブを率いてきたトゥヘル氏は、最適な後任と言えそうだ。

 一方で、暫定監督を務めるのは、現在マンチェスター・ユナイテッドのアシスタントコーチを務めるルート・ファン・ニステルローイ氏になりそうだ。現役時代、マンチェスター・ユナイテッドで公式戦通算219試合のピッチに立ち、歴代9位となる通算150ゴールを記録したファン・ニステルローイ氏は、監督としてPSVを率いた2022-23シーズンにKNVBベーカー(カップ戦)優勝を達成。『ガーディアン』によると、就任後の成績やピッチ上で繰り広げるフットボールの内容次第では、かつてのオーレ・グンナー・スールシャール氏のように、正式監督に就任する可能性もあるという。

 その他、現在もブレントフォードを率いるトーマス・フランク監督も候補の1人だという。こちらのケースでは契約解除金が必要になるため、即座に動くことは難しいと見られているが、中長期的な目線での候補として熱視線を送っているようだ。

 果たして、テン・ハフ監督はマンチェスター・ユナイテッドでの3年目を無事に完遂することができるのか。同ミーティングにて出される結論に注目が集まる。

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