バレンシアのオーナーに対するデモ活動に及んだ夫婦がシンガポールで身柄拘束…外交問題に発展する可能性も
バレンシアのオーナーを務めるピーター・リム氏に対して、デモ活動に及んだ同クラブサポーター2名がシンガポール当局に拘束されているようだ。7日、スペイン紙『マルカ』が報じている。
悪名高きオーナーとして知られるピーター・リム氏。2014年にバレンシアの筆頭株主となったシンガポール人実業家だが、敷いてきた数々の悪政により“名門”を失墜させると、今現在はクラブ経営に対する魅力を失いつつあるという。今夏の移籍市場でも、現場からの補強リクエストに応じることなく、ルベン・バラハ監督が「お望みなら3日以内に全てを破壊してやるぞ。私の本望ではないがな」と激怒する始末。本拠地『メスタージャ』を中心に、バレンシアニスタが掲げる「LIM GO HOME」のシュプレヒコールが当たり前の光景となっている。
そんな状況で2024-25シーズンを迎えたバレンシアは、ラ・リーガ第9節終了時点で1勝3分5敗の降格圏となる18位に低迷。現場の訴えに耳を傾けなかったリム氏が招いた結果とも言える中で、事件が起きたようだ。『マルカ』によると、バレンシアニスタの夫婦がシンガポールを訪れ、リム氏の自宅の前でデモ活動に及んだとのこと。「LIM GO HOME」の横断幕を掲げるとともに、同宅のドアに「LIM OUT」と書かれたステッカーを貼り付けたことで、当局にパスポートを剥奪されたと伝えている。
また、この問題は外交問題に発展するかもしれない。というのも、反ピーター・リム活動を主導する『Libertad VCF(自由と民主化を求めるバレンシアCF株主協会)』の会長を務めるホセ・アントニオ・ペレス氏が公式Xを更新し、先週金曜日から拘束されている夫婦に関する声明を掲載。「今回の一件で、ピーター・リムはバレンシアCF、そして彼の国の独裁者であることを証明した。これは耐え難いことだ」としつつ、「我々は、基本的人権を侵害され、シンガポールに拘束されている同胞の権利、自由、誠実、尊厳を守るため、スペイン政府・外交当局の即時介入を要求する」とスペイン外務省に事態の調停を依頼した旨を明らかにしている。
1999年代後半から2000年代前半にかけて極めた栄華は、見る影もなくなったバレンシア。ピッチ外に山積する問題が、チームの不振に拍車をかけているのは間違いない。
10/08 14:59
サッカーキング