「僕には変化が必要。ホアキンがベティスの素晴らしさを教えてくれた」 19歳FWロッキ、挫折からの這い上がりへ

ヴィトール・ロッキ

 バルセロナからレンタル加入したベティスのFWヴィトール・ロッキが、新天地でのプレーについて語った。16日、スペイン紙『マルカ』が伝えている。

 19歳が、アンダルシアの地で沸々と闘志を湧かせている。2021年に16歳の若さでデビューした後、母国ブラジルを席巻したヴィトール・ロッキは、今冬に加入を半年間前倒す形でバルセロナに到着した。しかし、当時指揮していたシャビ監督の信頼を得られず、プレータイムは353分間にとどまると、今夏に就任したハンジ・フリック監督の構想からも外れることに。そして、移籍市場終盤に出場機会を求め、“9番”の獲得を目指していたベティスへとレンタル移籍した。

 そんなロッキは16日、MFジオバニ・ロ・チェルソとともに新加入選手として改めて紹介された。すでに2試合に出場しているものの、連戦や代表ウィークを挟んだことで、正式なお披露目セレモニーが先延ばしになっていた中、同選手は「少し緊張するね。歓迎してくれてありがとう。会長、理事会、チームメイト、コーチに感謝している。ここに来られてとても嬉しい。迷うことはなかった」と披瀝。続けて「僕の人生には変化が必要だった。複雑な時期を過ごしていたけど、良いときも悪いときもともに寄り添ってくれた家族と神のおかげで、ここにいられる。とても幸せ」と胸中を明かした。

 また、ベティスのレジェンドであるホアキン・サンチェス氏から直々に口説かれたことにも触れたロッキは「考え直すことはなかったよ。ファンやスタジアムが大好きだったバルセロナを離れなければならないなら、ベティスしかないと話していた」としつつ、「家族、マヌ(・ファハードSD)、ホアキン、ラモン(・アラルコンCEO)と話をしたとき、彼らはベティスの歴史や素晴らしさをたくさん教えてくれた。だから今、僕はここでとても快適に過ごせている」と充実した日々を送れていると述べた。

 ホームデビュー戦となった13日のレガネス戦では、初ゴールまで記録したロッキ。FWアブデ・エザルズリのシュートのこぼれ球を押し込むだけの“ごっつぁんゴール”だったが、同選手は「(ホーム)デビュー戦で決めるなんて想像もできなかった。ゴールした瞬間は、気が狂いそうだったよ。チームの勝利が最も重要で、それにとても満足しているけど、自信を持つためにもゴールが必要だったんだ。どういう形であれ、とても嬉しい」と告白。さらに「目標は15ゴール以上か? それは秘密にしておきたい…。でも、2桁以上の目標がある。リカルド・オリベイラはここで多くのゴールを決めたから、僕もそれを成し遂げ、彼のように幸せになれることを願っている」とベティスでもゴールを量産した“先輩ストライカー”を挙げている。

 スペイン挑戦の最初半年間で多くの挫折を経験したロッキ。“神童”と謳われた19歳が今、『ベニート・ビジャマリン』で這い上がることを誓う。

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