降格圏低迷の奈良、初のJリーグに導いた35歳フリアン監督の解任を発表…後任は中田一三氏に決定

 奈良クラブは4日、フリアン・マリン・バサロ監督を解任し、後任として中田一三氏を招へいしたことを発表した。

 スペイン北東部カタルーニャ州出身のフリアン氏は1989年6月13日生まれの現在35歳。地元クラブやU-21タイ代表などで指導者キャリアを積んだ後、2021年に奈良クラブの監督に就任。2年目にはクラブ史上初のJFL優勝ならびに明治安田J3リーグ昇格を果たすと、3年目の昨シーズンも一時は首位に立つなどの躍進を遂げ、堂々の5位フィニッシュを成し遂げた。が、今シーズンは第26節終了時点で降格圏の18位に低迷している。

 Jリーグ史上初の平成生まれの監督であり、2023シーズンの明治安田J3リーグ最優秀監督賞を受賞したフリアン監督。解任に伴い、青年指揮官はクラブ公式サイトにてコメントを残している。

「この数年間で私たちがファン・サポーター、選手、スタッフ、パートナー企業、行政、代表と共に達成してきたことは本当に素晴らしいものでした。こうした成功は夢見ることすら難しいですが、私たちはそれを現実にしました。 私は、皆さんと共にこの輝かしい数年間を過ごすことができたことに心から感謝の気持ちでいっぱいですし、生涯忘れる事は無いでしょう。私は責任を感じており、1歩身を引かなければならないことは理解しています。しかし、私はこれからも奈良クラブのファンであり、チームが目標を達成できるよう応援していきます。私と妻の将来はまだ日本に縁があると思っていますので、今後も奈良の街や奈良クラブに訪れるつもりです。Visca el Nara!」

 また、クラブ公式サイトにて、奈良クラブの濵田満代表がフリアン監督の功績を称えている。

「日頃より奈良クラブにご支援やご声援を賜り心から御礼を申し上げます。この度、フリアン監督との契約を解除し、残りのシーズンを戦うことにしましたのでお知らせします。今シーズン、残り12試合を残し、降格圏内まで3ポイント差の18位という順位、現在のチーム状況、試合内容を鑑み、今後の試合をどのように戦っていくかについて協議を重ねた結果、今監督交代することが最善だと判断いたしました。フリアン監督は、2021年シーズンから3年半、奈良クラブにご尽力くださいました。2021年当時は奈良からJリーグは夢のまた夢だと言われていた厳しい状況で、さらにコロナ禍で来日が数か月遅れるという非常に難しい状況でした。そんな中での就任から共に戦い、2シーズンでJリーグに昇格できたことは本当によい思い出です」

「また、奈良が大好きでサポーターとも近く、日本の文化にも積極的に関わっていく姿勢や、常にプロフェッショナルな態度でクラブを導いてくれたことに、クラブとして心から感謝と敬意を表します。フリアン監督の今後の活躍を祈念申し上げます」

 後任として招へいしたのは中田一三氏。2019シーズン終了後に京都サンガF.C.の監督を退任した後、清水エスパルスのプレイヤーデベロップメントコーチを経て、就任する現在51歳の指揮官はクラブ公式サイトにてコメントを残している。

「奈良クラブを支える皆様へ この度、奈良クラブの監督として新たに就任することとなりました。まずは、清水エスパルスでの貴重な経験を経て、次なる挑戦としてこの素晴らしいクラブの一員となれることを大変光栄に思います。現在、チームは厳しい状況にありますが、私たちがこの困難を乗り越え、奈良クラブを確実に残留へと導くことは当然の使命であり、そのために私は全力を尽くします。選手たちと共に一丸となり、クラブがこれまで積み上げてきたものと選手たちの能力の最適最大化を目指し、理想とする結果へと進んでいくことを固く信じています。私たちはこの状況から新たな希望の光を見出し、奈良クラブの未来を明るく照らしていきます。私の役割は、チーム全体のポテンシャルを引き出し、最後まで戦い抜く力を与えることです。サポーターの皆様の熱い応援が、私たちを理想の結果へと導く大きな原動力となります。共にこの戦いに挑み、奈良クラブの新たな歴史を築いていきましょう。これからも変わらぬご支援をどうかよろしくお願いいたします」

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