高額な移籍金がプレッシャーに…チェルシーMFカイセド「最初は大変だった」

モイセス・カイセド

 チェルシーに所属するエクアドル代表MFモイセス・カイセドが、昨夏の加入当初の苦悩を打ち明けた。6日、イギリスメディア『BBC』が伝えている。

 現在22歳のカイセドは2022-23シーズンにブライトンの中心選手としてクラブ史上初となる欧州大会出場権獲得に大きく貢献すると、昨夏にチェルシーに1億ポンド(約187億円)に1500万ポンド(約28億円)の追加オプションが付随した英国史上最高額となる可能性のある総額1億1500万ポンド(約215億円)で移籍を果たした。

 チェルシー加入1年目は公式戦48試合に出場し、プレミアリーグ最終節のボーンマス戦ではロングシュート弾から初ゴールも記録したカイセド。しかし、6位に終わったチームの成績も相まってブライトン在籍時のようなパフォーマンスが披露できなかったことから、しばしば批判の対象になることもあった。

 2年目のシーズン開幕を目前に控え、改めて加入当時のことを聞かれたカイセドは「最初は大変だった。なぜなら、ビッグクラブにいて、移籍金も高く、常にすべての試合勝たなければならなかったからね」と苦悩を抱えていたことを打ち明けた。

「ブライトンにいたときはプレッシャーが少なかったから、僕にとっては難しかった。チェルシーではすべてが違う。クラブや歴史、所属していた選手たちを知っているから、プレッシャーは大きかった。でも、この4、5カ月はクラブで快適に感じている」

 続けて、「僕には実力があり、自分がどんな選手かも理解している。でも、心が強くなければ、難しいこともある」と当時は自信を失ってしまっていたことも明かした。

「周りの多くの人が助けてくれた。マウリシオ(・ポチェッティーノ前監督)や彼のスタッフだったりね。僕が以前のモイセスではないと感じていたとき、彼らは僕に寄り添ってくれた」

「僕は彼らに『自分の実力、自分のサッカーを示したいのでどうか助けてください』と頼んだんだ。彼らは僕に寄り添ってくれたし、僕にはクラブの外部にプレッシャーを取り除くのに大いに助けてくれた人もいる」

「よく話をするある人は『モイセス、君はいい選手だ。責任を持ってピッチではやりたいことがなんでもできる。ただ自分を信じろ。チェルシーが君にそれだけの金額を支払ったのは、君がいい選手だからだ』と僕に言ってくれたんだ」

 その支えてくれたポチェッティーノ前監督は昨季終了後に退任し、チェルシーでは今夏からは新しくエンツォ・マレスカ監督が就任している。同監督の印象についてカイセドは「彼はブライトンのときと同じシステムでプレーするから、僕にも同じことを求めている。彼は僕に自分の実力を発揮し、ピッチ上で自分がボスであることを望んでいる」と語った。

 なお、昨夏にチェルシーに加入する際には一時リヴァプールがブライトンとプレミアリーグ史上最高額の移籍金1億1100万ポンド(約208億円)で合意に至ったことも報じられていたが、カイセド本人がかねてより個人合意に至っていたチェルシー加入を望んでいたことから、リヴァプール移籍は破談に終わっていた。

 このことについても聞かれたカイセドは「チェルシーは数カ月僕のところにいた。僕はそれを見過ごすことはできなかった。なぜなら、彼らはブライトンが僕を手放したがらなかった難しい瞬間に僕を支えてくれたからだ。難しい決断だったけど、100パーセント間違いなく僕はチェルシーに行きたいと思っていた」と振り返った。

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