J1優勝争い、10年ぶり3つどもえで8日最終節へ 広島5発大勝で首位神戸に勝ち点1差「絶対に勝たなきゃいけない試合だった」

広島・青山敏弘

◆明治安田J1リーグ▽第37節 広島5―1札幌(1日・Eピース)

 広島がホーム最終戦で札幌を5―1で破り、逆転優勝へ望みをつないだ。開始8分にFW加藤陸次樹(27)が先制点を決め、FWソティリウ(31)の2得点など5発大勝。4試合ぶりの白星を飾り、首位・神戸とは勝ち点1差の2位で8日の最終節・G大阪戦(パナスタ)に臨む。3チームが優勝の可能性を残して最終節を迎えるのは、2014年以来、10年ぶり。

 広島が逆転優勝に望みをつなぐ勝ち点3をつかんだ。開始8分、MF東が「完璧だった」と鋭い左クロスを送り「優勝へ絶対に勝たなきゃいけない試合だった」と激走した加藤が冷静に流し込んだ。同42分の失点から5分後、東が敵陣右約45メートルのFKを左足で直接決めて勝ち越し。3連敗中で迎えたホーム最終戦、負ければタイトルがなくなる一戦で5発大勝し、2万7105人を沸かせた。スキッベ監督(59)は「たくさん点を取れたのは評価できる」とうなった。

 9月に首位に立ったが、前節まで泥沼の3連敗と失速。この日はACL2の敵地カヤFC(フィリピン)戦から中2日の過密日程でも、相手の4倍以上のシュート21本で圧倒した。今季37戦71得点、シュート、クロス数は全て最多。この日の5得点中4点はセットプレーを含むクロスから。チームを象徴する1勝だった。

 最終節で勝利し、神戸が引き分け以下なら逆転Vが決まる。加藤は「シャーレを必ず広島に持ち帰りましょう!」とシャウト。今季で引退する元日本代表MF青山は「最後の1試合まで優勝争いできるのは運命的。(優勝を)信じて戦う」。15年以来の頂点をつかみ取る結束は高まった。(星野 浩司)

最終節神戸△以下、広島が勝てば優勝

 ◆J1優勝条件 最終節(8日)で神戸はホームで湘南に勝てば、勝ち点72で2連覇となる。1差で追う広島は神戸が引き分けるか敗れた上で、アウェーのG大阪戦に勝つと逆転で優勝をつかめる。神戸が敗れた場合、広島は引き分けでも優勝が確実。町田に勝ち点69で並ばれても得失点差で圧倒的に優位に立つ。3位の町田は敵地の鹿島戦での勝利が必須。勝ち点69として、神戸と広島がともに敗れると得失点差で神戸を上回って初優勝が決まる。

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