森保ジャパン、日本史上最速でW杯出場に王手 来年3・20バーレーン戦に勝てば3戦残して出場決定

◆2026年北中米W杯アジア最終予選 第6戦 中国1―3日本(19日、中国・アモイ)

 【アモイ(中国)19日=星野浩司】日本(FIFAランク15位)はアウェーで中国(同92位)を3―1で退け、8大会連続のW杯出場に王手をかけた。前半39分に、2戦連続で先発出場したFW小川航基(27)=NEC=が先制。後半2―0から1点を返されたが、小川が自身2点目を決めて勝ち切った。日本は歴代最多記録を更新する27戦連続得点とし、C組5勝1分けの首位独走で、年内最終戦を白星で終えた。次戦は来年3月20日のホームでのバーレーン戦。勝てば日本史上最速、3戦を残してW杯出場が決まる。

 観客席が真っ赤に染まった完全アウェーで屈しなかった。2―0の後半3分に失点し、約4万5000人の中国サポーターの大歓声がこだました6分後、FW小川が自身2点目で突き放した。格下相手に苦しみながらも、アウェー2連勝。森保一監督(56)は「全員がしっかり準備してくれた。チーム全体でピッチに立っている選手、みんなのエネルギーで勝てた」と喜びをかみしめた。

 気温20度前後、雨も降った9年ぶりの敵地・中国戦。国歌斉唱時に大ブーイング、「加油(頑張れ)!」の大声援、レーザー光線をGK鈴木に当て、ピッチには乱入者と敵地のファンはやりたい放題。悪質なファウルを連発され、前半31分のピンチの場面では最終予選デビューの瀬古が冷静にブロック。要所で耐えて、最少失点に抑えた。

 MF久保が「とにかく狭かった」と驚くほど、ピッチ横幅(FIFA推奨サイズは68メートル)の白線が約1・5メートルずつ狭く設定。日本の武器であるサイド攻撃を封じる狙いがあったとの臆測も呼んだが、中国にとっては“裏目”に出た。前半の小川、板倉の得点はゴールへの距離が近くなったCKから奪取。CKで2点目を演出した伊東も「蹴りやすい、近かった」。3点目は右サイド深くの久保、伊東の崩しから小川が仕留めた。

 森保監督は、最終予選では異例のターンオーバーに踏み切った。インドネシア戦から長距離移動を含めた中3日で、最終予選で初めてスタメンの中村ら先発5人を変更。中盤で絶対的存在の守田を今予選で初めて先発から外したが、代わった田中が穴を埋めた。これまで最終予選は「確認事項をできるだけ少なく、前の試合を生かす」という狙いで入れ替えを最小限にしてきたが、選手の調整が難しいアウェー2連戦で大きく入れ替えた意義は大きい。主将のMF遠藤は「(日本が)強い要因はスタメンで出ようが出まいが、チームのためにやる選手がいる。そこが全てだ」と言う。

 今予選は6戦22得点2失点。1~2月のアジア杯で8強敗退後、攻撃的3バックの導入で得点力は増した。DF冨安健洋、FW上田綺世ら主力が負傷で不在でも首位を譲らず、8大会連続のW杯出場に王手。森保監督は「世界一になるという高い目標を持ちながら目の前の一戦に全力を尽くして前進したい」と意気込んだ。

 ◆日本のW杯決定条件 日本は来年3月20日にホームで行われる次戦でバーレーンに勝つとC組2位以上が確定し、8大会連続のW杯出場が決まる。3試合を残して3位との勝ち点差が10以上となる。引き分けた場合でも他チームの結果次第でW杯の切符を手にする可能性がある。過去7度のW杯の最速出場は、2試合を残して決めた10年南アフリカ大会。バーレーン戦で決めれば日本史上最速、3試合を残してのW杯切符となる。

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