【高校サッカー】浜松開誠館2年ぶり優勝へ…昨秋静学戦でじん帯断裂のDF岩崎総汰が復帰…16日・静学と決勝戦

セットプレーでキッカーに手を挙げる浜松開誠館のDF岩崎(カメラ・里見 祐司)

 全国高校サッカー選手権静岡県大会の決勝が16日、エコパスタジアムで午後1時から行われ、2年ぶりの優勝を目指す浜松開誠館が昨年の王者・静岡学園と対戦する。注目は昨秋の右膝前十字じん帯断裂から復帰した身長183センチのDF岩崎総汰(3年)。3バックの中央で全員に声をかけ、仲間の先頭に立って静学攻撃陣を抑え込む。

 テレビ中継も行われるエコパでの決勝戦。最終ラインを統率する浜松開誠館の岩崎は「最高の舞台が整った。楽しみです。開誠館のいいところを見せつけたい」と不敵な笑みを見せた。

 22年冬の全国大会で、1年生ながら先発を務めた大型DFは「散々でした」と昨年の準決勝を振り返る。連覇を狙ったチームは静学と対戦。岩崎は前半20分過ぎの接触プレーで右膝を負傷し、ベンチに下がった。診断の結果は前十字じん帯断裂。練習に復帰できるまで9か月かかった。試合は後半13分、セットプレーで失点し0―1で敗れた。

 長いリハビリ生活が続いたが「それほど落ち込まなかった」という。前向きにとらえて筋トレに励み、体重も2キロ増えた。だが試合勘は鈍り、スタミナも落ちた。8月の全体練習合流後は必死で走った。自主トレはもちろん、「毎日の練習でも120%で走って鍛えました」。一番下のチームからはい上がった。

 そんな大黒柱の復活を青嶋文明監督(56)は「チームを活気づけてくれる」と歓迎する。空中戦に強く、コーチングも的確。今大会ではゲーム主将に立候補してイレブンを引っ張り続けており、「まだまだ力不足ですが、タフです」と目を細めた。

 岩崎にとって万全の状態で巡ってきたリベンジマッチ。「勝つだけです」と口元を引き締めた。両校とも飛び抜けたストライカーはいない。問われるのはチーム力。「団結力の強さで勝負すれば、開誠館は勝てます」。大声で仲間を鼓舞し、激しく粘り強い守備でゴールを守り切り、2年ぶりの全国切符をつかみ取る。

(里見 祐司)

 ◆岩崎 総汰(いわざき・そうた)2006年5月23日、静岡市生まれ。18歳。幼稚園からサッカーを始める。高松中時代はエスパルスSS静岡でプレー。183センチ、74キロ。血液型A。家族は両親と姉。

 〇…選手層が厚く、先発メンバーも試合ごとに大きく替わる開誠館で、昨秋からレギュラーを務め続けているのがGK戸塚陸(3年)。185センチの長身でシュートストップ能力も高い。今大会直前の10月末から寮生活を始め、「周囲への気配り」も身についた。「大会を通じて人としても成長しています」と青嶋監督。絶対守護神は「チームのために自分の役割に徹したい。やることをやれば絶対に勝てる」と必勝を誓った。

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