菅野智之に“大谷翔平ロス”のエンゼルスが興味…米敏腕記者情報…「メジャー通算79勝の黒田博樹に重なる」

 巨人から海外FA権を行使してのメジャー挑戦を決めた菅野智之(35)の獲得にドジャースの大谷翔平(30)が去年まで所属していたエンゼルスが興味を示していることが明らかになった。MLBネットワークのジョン・モロシ記者が番組「ホットストーブ」に出演して明かしたもの。10年連続でポストシーズン進出を逃しているエンゼルスは今オフに大型補強に動いており、ローテーション強化に菅野はうってつけの存在。契約金は1年1200万ドル(約18億5700万円)と予想されている。

 まだ3人しか確定していないエ軍のローテー

 “大谷ロス”に苦しむエンゼルスが菅野に目をつけた。
 プレミア12に出場中の侍ジャパンを追いかけているモロシ記者が、台湾からMLBネットワークの番組「ホットストーブ」にリモートで出演し「菅野はメジャーに向かっているため、今回の侍ジャパンにはいない。侍ジャパンが敗退した2017年のWBCで、彼は米国代表を相手に雨のドジャースタジアムで登板した。菅野の獲得で私が注意深く見守っているチームは、ロサンゼルス・エンゼルスだ。(菅野に)興味があると聞いている」との注目情報を明かした。
 菅野は、4年前にもポスティングによるメジャー移籍を目指したが、結果的に海を渡らなかった。同記者は「彼は数年前にポスティングされたが、ジャイアンツで彼の伯父が監督をしていたこともあって彼は来なかった。だが状況は変わった」として、2023年オフに伯父の原辰徳氏が監督を退任し、阿部慎之助監督が就任したことが2度目のメジャー挑戦を決断した理由のひとつだと説明した。
 また同記者は、菅野が今季24試合に登板し、156回2/3、防御率1.67、15勝3敗の成績を残したことを絶賛した上で、かつてドジャース、ヤンキースで実績を残した黒田博樹氏と比較した。
「菅野はNPBでこれまでで最も優れたシーズンを過ごした。30代半ばで日本からMLBにやってきた素晴らしい投手を比較に出してみれば、黒田博樹がいる。彼はドジャース、ヤンキースで素晴らしいベテラン投手の1人だった。菅野には黒田の多くの部分が重なる」
 米スポーツ誌の「スポーツイラストレイテッド」によると、黒田氏は、広島の13シーズンで124勝105敗、防御率3.55、WHIP1.246、1461奪三振を記録して33歳でメジャーに挑戦し、ドジャースでの4シーズン、ヤンキースでの3シーズンで79勝79敗、防御率3.45、WHIP1.172、9イニングあたり6.7奪三振、WAR21.6の数字を残した。一方の菅野は、巨人の12シーズンで、136勝74敗、防御率2.43、WHIP1.03、1857回を投げて1585三振の数字を残している。この数字で比較すれば、菅野のメジャーでの活躍への期待は高まる。
 このモロシ記者の発言を引用し、エンゼルスの菅野獲得を「多くの点でエンゼルスが理にかなっている」とフォローしたのがオフのストーブリーグ情報に詳しい米サイト「トレード・ルーマーズ」だ。

 

 

 10年連続でポストシーズン進出を逃して「ローテー強化が切実な問題」のエンゼルスは、すでに今オフにカブスの34歳のベテラン右腕カイル・ヘンドリックスと1年250万ドル(約3億8700万円)を獲得したが、先発ローテーで固まっているのは、彼を含めてタイラー・アンダーソンとホセ・ソリアーノの3人だけ。ローテー入りを期待されているリード・デトマーズ、ジャック・コハノビッチ、ケイデン・ダナらの若手は、それぞれ課題を抱えており、実績のある菅野は格好のターゲット。
 加えてエンゼルスのオーナーであるアルテ・モレノ氏には「先発投手の長期契約、あるいは、あらゆる種類の複数年契約を避けてきた」との傾向がある。2年前のオフにアンダーソンと3年3900万ドル(約60億円)の複数年契約を結んだが、これは2011年12月にC.J.ウィルソンと5年7750万ドル(約120億円)の大型契約でサインして以来となる異例の契約。「すでに35歳の菅野とは長期的な契約を結ぶ可能性は低い」ため、1年あるいは2年契約で合意できそうな菅野がエンゼルスのチーム方針にもピッタリ当てはまるという。
 同サイトは、独自のフリーエージェントランキングを発表した際に菅野の契約金を1年1200万ドル(約18億5700万円)と予想している。
 優勝争いのできないチームに愛想をつかされて大谷にFAで出ていかれたエンゼルスは、10年に及ぶ低迷に危機感を抱いている。“大谷ロス”で多くの日本のスポンサーや日本人のファンも離れた。
 このオフには積極的な補強に動いている。ヘンドリックスに加え、ブレーブスとのトレードで強打のホルヘ・ソレアを獲得し、FAで同じくブレーブスの捕手トラビス・ダーノーを2年1200万ドル(約18億5700万円)、ダイヤモンドバックスの遊撃手ケビン・ニューマンを1年275万ドル(約4億2000万円)で獲得した。
 同サイトは「大型契約を結んだわけではないが、モレノ氏とペリー・ミナシアンGMが示したように、来シーズンにチームがプレーオフ候補に浮上することを期待してロースターの追加を目指していることを示している」と分析した。
 オフの補強の目玉として菅野に白羽の矢が立つのは必然なのだろう。
 菅野には、エンゼルス以外にもパドレス、レンジャーズ、ブリュワーズ、メッツらも興味を示していると見られている。果たして菅野は、来季どのチームのユニホームを着ているのだろうか。

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