「1年で8桁(約15億円)なら多くの球団が手を出せる」米メディアの菅野智之の評価は菊池雄星より上?!…1年1200万ドル(約18億2000万円)でレンジャース、エンゼルス、ブリュワーズ、メッツが有力候補と予想

 巨人からFAでのメジャーリーグ挑戦を表明している菅野智之(35)の評価がうなぎ上りだ。メジャーで始まるGM会議を前に米の複数メディアが今オフのFA選手ランキングを発表。2つのメディアが菅野をメジャー6年の実績のあるアストロズの菊池雄星(33)より上に置いた。予測される契約金は1年1200万ドル(約18億2000万円)でレンジャース、エンゼルス、ブリュワーズ、メッツが有力候補とされている。

 カナダのメディアはFA投手ランキング5位と評価

「SUGANO」の評価が予想以上だ。35歳の年齢が問題視されると思われていたが、今季の24試合、156回2/3、防御率1.67、15勝3敗の成績が高く評価された。
 GM会議を前に複数のメディアがFA選手のランキングを発表。菅野の名前が上位に来た。カナダのスポーツテレビ局「スポーツネットは「投手のFAトップ10」のランキングを独自に発表。1位コービン・バーンズ(オリオールズ)、2位ブレイク・スネル(ジャイアンツ)、3位マックス・フリード(ブレ―ブス)、4位ジャック・フラハティ(ドジャース)に次ぐ5位に菅野をリストアップした。
「彼のキャリアを目にすれば、菅野は北米の人々が耳にしていない最高の投手かもしれない」と紹介。「6フィート1インチ(約185.4センチ)で198ポンド(約89.8キロ)の菅野は、キャリアで1873回1/3を投げて防御率2.45を残し、サイ・ヤング賞の日本版となる沢村賞を2度受賞したことに加えてMVPも2度獲得している。平均92マイル(約148キロ)前後の速球を含めて、6つの異なる球種を投げる菅野は今季156回2/3を投げた24度の先発で防御率1.67、WHIPは0.945だった」と記した。
 同サイトは続く6位にショーン・マネア(メッツ)、メジャー6年で実績を積んだ菊池雄星を7位にしている。菅野の評価は、今季デッドライントレードでブルージェイズからアストロズに移籍して、そこで防御率2.70、5勝1敗(トータルで9勝10敗)の好成績を残していた菊池より上だった。
 またスポーツサイトの「ブリチャーレポート」は「FA上位100人のランキング」を発表して、菅野を17位に入れた。投手だけで言えば7番目の評価で、こちらも菊池は22位。
「海外のポスティング候補が多く推測される一方で菅野はこのオフシーズンに米本土への道を進むことが決まっている。日本のリーグで12シーズンにわたり、彼は136勝75敗、防御率2.45、WHIP1.04で1873回1/3を投げて1596三振を奪った。今の年齢となってもいまだに安定したローテーション投手となることができる」と紹介されている。
 オフの情報に詳しい「トレード・ルーマーズ」も上位50人のランキングを発表して、菅野は46位。こちらは菊池が12位で菅野より上位に評価し、中日からポスティングによるメジャー挑戦を表明している小笠原慎之介は48位だった。
 同サイトは「菅野は2020-21年のオフシーズンにもMLB入りを目指したが、日本に残るオファーを受けざるを得なかった。今回は高額な契約を得る助けにはならない35歳となったが、NPBで最も成功している現役投手の1人としてメジャーにやってくることになるだろう」と紹介。
「日本でサイ・ヤング賞に匹敵する沢村賞を2度受賞した菅野は12年すべてで巨人でプレーし驚異的な防御率2.43を残した。彼は1857イニングを投げ、136勝74敗を記録し、四球率4.6%に対して奪三振率は21.4%としている。彼の奪三振数は、過去3シーズンは17―18%に落ちているが、2024年に2.6%だったのを含め、その期間の四球率は3.8%と制球力は驚異的なものだった」と賞賛した。

 

 

 ただ一方でマイナス材料も指摘した。
「失点を防いでいる数字は素晴らしいが、菅野は35歳で2023年に肘の問題で相当の期間欠場した。2024年には24度先発したが、30台半ばの投手にとって最近の肘の問題は球団側が契約する上で考慮に入れる点となるだろう」
 菅野は2023年は故障に苦しみ14試合登板に留まり4勝8敗の成績に終わっていた。
 また同サイトは菅野の契約金も予想。1年1200万ドル(約18億2000万円)とした。
 「1年で8桁(1000万ドル以上)の契約なら多くの球団が手を出せる」
 ただ契約年数については「菅野の年齢は短期契約での合意に抑えられることになりそうだ。2年契約を得ることは可能だが、長期契約となれば驚きとして受け止められるだろう」と言及した。
 2010年以降では、35歳のシーズンか、それ以上の年齢の投手で3年以上の契約を勝ち取ったのは、マックス・シャーザーリッチ・ヒルジェイコブ・デグロムのビッツネームの3人しかいないという。
 ただ「1年契約は、菅野にメジャーの打者に対応できる能力を示すチャンスを与え、彼が実際に北米の野球へ対応できるのであれば、次のオフシーズンでより大きな2年契約の舞台が用意されるかもしれない」と予測した。
 また4年前にメジャー移籍をした際に、当時の菅野の代理人が「6チームからオファーがあった」と明かしていていたことと、その6チームが、パドレス、ブルージェイズ、レッドソックス、メッツ、ジャイアンツ、レンジャーズだったことを紹介。 
 その上で各記者の予想として、今回の菅野の移籍先有力候補をレンジャース、エンゼルス、ブリュワーズ、メッツの4チームとした。前回のメジャー挑戦は不調に終わったが、米メディアの評価からすれば、今回菅野が夢を実現する可能性は高い。果たして菅野は、来季どのチームのユニホームを着ているのだろうか。

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