「中日の小笠原慎之介はメッツが狙うべき5人の投手の一人」米メッツ専門メディアが注目報道…2年1200万ドル(約18億5000万円)の評価予想も

 中日からポスティングでメジャー挑戦する小笠原慎之介(27)に注目が集まっている。米メッツ専門メディアは「1億ドル(約154億円)の予算を超えない狙うべき5人の最高の投手」を選び、小笠原をピックアップした。小笠原には複数の球団が興味を示すと見られており、2年1200万ドル(約18億5000万円)以上の契約金が予想されている。

 今季の四球率3.7%の正確な制球力を評価

 今オフのFA市場の中で密かな人気を集めているのが中日がポスティングによるメジャー挑戦を容認した左腕の小笠原だ。
 オフのストーブリーグ情報に詳しい「トレード・ルーマーズ」は、独自に発表した恒例のFAランキングの中で48位に評価した。
「メジャーにやってくるNPBやKBOのスター選手の中で小笠原はワイルドカードのような存在だ。彼はMLBの球団が一般的に切望するタイプのパワーアームではないが、27歳と若く、それだけでも一部のチームは興味を持つだろう。NPBでも好成績を残している」として、今季の防御率が3.12(5勝11敗)で過去4シーズンの平均防御率が3.27、通算防御率3.62であることを紹介した。
 同サイトは、2022年から2023年にかけて22%あった奪三振率が今季は13.7%に急落したことを問題視したものの、「それはコントールの改善に重点を置いた影響か」とした上で、四球率が今季3.7%と低かったことを評価。
 さらに「飛び抜けた材料はないが、大リーグで成功するのに十分な速度は持っている。ストレートが時速91~93マイル(146キロ~150キロ)で70マイル(約113キロ)台前半のカーブと80マイル(約129キロ)台前半のチェンジアップを組み合わせている」として、カブスで今季大ブレイクした今永昇太より、わずかに身長、体重が上で「NPBでの成功をMLBに持ち込むことに問題はない」と分析した。
 その中でメッツの専門メディアである「ライジングアップル」が、メッツが今オフに狙うべき「1億ドル(約154億円)の予算を超えない最高のFAターゲット5人」をリストアップ。5番目に小笠原の名前をあげた。
 メッツは、今季ポストシーズン進出を果たしたものの、ナ・リーグのチャンピオンシップシリーズでドジャースに敗れた。その第1戦に故障明けの千賀滉大を先発させねばならなかったほど苦しんだ先発ローテーションの整備が今オフの最大のテーマ。チームに資金力はあるが、贅沢税との関係で、1億ドル(約154億円)以内の予算に抑えることを余儀なくされそうで、前出の「トレード・ルーマーズ」が、2年1200万ドル(約18億5000万円)と予想した小笠原を「メッツが狙うべき5人」のうちの一人にリストアップしたものだ。
「小笠原は、このオフの日本出身の投手の中で最も目立つ投手ではない。その栄誉は、サイヤング賞に相当する日本の沢村賞の受賞者である菅野智之に与えられる。しかし、小笠原には、MLBのチームをより魅力的にする可能性のある側面がある」

 

 

 巨人からFAでメジャー挑戦を表明している菅野と比較して、小笠原の立ち位置を説明。さらにメッツが狙うべき理由をこう付け加えた。
「この日本人左腕は、27歳という若さで、すでにNPBで9年間の経験があり、951回1/3を投げて平均防御率3.62を記録している。小笠原はハードスローの投手ではないので、空振りの三振や見逃しの三振は生み出さないが、今季の四球率はわずか3.7%というエリートコマンド(正確な制球力)を持っており、今永昇太と似たプロフィールで(身長は)小さいがマウンドの支配力レベルはある。小笠原は、今永のリサイクルショップ版と見なされることもあるが、実際には、彼の正確な制球力のレベルと対戦相手の打ち損じを誘発する能力により、今永よりもはるかに少ない金額と期間の契約を背負うためには理想的な候補者だ」
 同サイトは、5人の獲得候補の1位にレンジャーズのネイサン・イオバルディ、2位、3位は、ショーン・マナエアとルイス・セベリーノの両投手との再契約、4位にドジャースのウォーカー・ビューラーの名前をあげている。
 前出の「トレード・ルーマーズ」は「一部のチームは今季の三振率の低下を理由に獲得を敬遠するかもしれない。三振率が13~14%の投手が大きな契約を得た例はない。ただ小笠原の若さと実績を評価して、4人目の先発投手として考えている球団があっても驚くことではない。2年または3年の契約がふさわしく感じる」とした上で、小笠原の獲得に興味を抱く可能性のあるチームとしてアスレチックス、ホワイトソックス、エンゼルスツインズ、レンジャーズ、ブリュワーズ、パドレス、カージナルスの8球団を列挙している。
 同サイトは「エリック・フェディのような掘り出し物を獲得するチャンスだと感じるかも」とも付け加えた。
 フェディは、2023年に韓国で1年プレーした後、オフにホワイトソックスと2年1500万ドル(約23億円)で契約、今季はデッドライントレードでカージナルスに移籍して、シーズントータルで防御率3.30、9勝9敗という年俸に見合う成績を残した。
 小笠原のメジャー挑戦の夢は叶うのか。スタートしているGM会議の行方に注目が集まる。

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