解任危機を乗り越え?ヤンキースがブーン監督の続投発表も複数年契約は結ばず…一方ドジャースはロバーツ監督の“永久監督”を示唆…年俸5億円はどこまでアップ?
ヤンキースは8日(日本時間9日)アーロン・ブーン監督(51)の来季続投を発表した。ワールドシリーズでドジャースに1勝4敗で完敗したことで解任論も出ていたが、球団サイドがオプションを行使したもの。来季ヤンキースで8年目のシーズンを迎える。一方のドジャースのデーブ・ロバーツ監督(52)は来季を最後に契約が切れるが、GMのブランドン・ゴメス氏は今オフに新たな長期契約を結ぶ意向を示した。来意も再び両監督がワールドシリーズで火花を散らすことになるのか?
ブーン監督「信頼してくれたことに感謝」
ヤンキースのブーン監督の続投が決定した。ワールドシリーズでドジャースに1勝4敗と完敗。特に第5戦は序盤に5-0とリードしながらもミスの連発でひっくり返されて、ファンの間からはブーン監督の解任を求める声もあがっていた。
しかし、レギュラーシーズンでは、94勝68敗の成績を残し、7年ぶり3度目のア・リーグ東地区優勝を果たした。過去7シーズンでブーン監督が92勝以上したのは5回目だった。球団はその指導力を評価して1年の球団オプションを行使した。
ブライアン・キャッシュマンGMは、続投理由をこう発表した。
「アーロンはクラブハウスの安定した存在であり、選手とのつながり、関係を育む深い能力を持っています。要求の厳しい世界で、これらのスキルを一貫して発揮できていることが、彼を最も優れた監督の1人にしている理由です。私たちの仕事は、まだ終わっていませんが、2025年に究極の栄誉を追求する中で、アーロンが戻りチームを率いてくれることに興奮しています」
そしてブーン監督、「このチームを率いるため私を信頼してくれたことに感謝しています。それは責任であり、チャンスであり、決して軽視できることではありません」との声明を発表した。
ブーン監督は2018年にヤンキースの監督に就任、2年連続でシーズン100勝以上を果たした。2021年オフに3年契約を結び、今季が最終年だった。6年でワールドシリーズ進出は一度もなく、昨季はポストシーズン進出を逃し、今季は崖っぷちのシーズンだったが、ワールドシリーズに駒を進めた。だが、その世界一決定戦でドジャースに赤っ恥をかかされたため、複数年契約ではなく、1年の球団オプションの行使に留まったと見られる。
オフのストーブリーグ情報に詳しい米サイト「トレード・ルーマーズ」は「ワールドシリーズ制覇へのプレッシャーが高まる中、ヤンキースは次のシーズンの結果を待ってからブーンが2026年以降の監督ふさわしいかどうかを判断する可能性がある」との見通しを伝えている。チームの主砲であるファン・ソトのFA去就を最も心配しているのはブーン監督なのかもしれない。
一方のワールドシリーズを制覇したドジャースのロバーツ監督の評価は急上昇している。
ムーキー・ベッツが「ロバーツ監督がいなければ、ワールドシリーズの優勝はなかった」と明かすなど、賞賛の声ばかりが並ぶ。こちらは来季が3年契約の最終年となるが、ゴメスGMは、「彼には我々が見ることができる限り球団に留まることを期待している」と長期契約結ぶ意向であることを示唆した。その賞賛の言葉は永久監督の約束と言っていいほどのもの。米サイト「ジ・アスレチック」によると、このオフか、来春の開幕までに長期契約を結び直す可能性があるという。
ロバーツ監督は、ドジャースの過去9年間のすべてでポストシーズン進出を決め、地区優勝が8度、ナ・リーグチャンピオンシップを制したのが4度、そして2020年、2024年と2度ワールドシリーズを制覇した。ドジャースの専門メディア「ドジャーブルー」は、「彼はMLBのプレミア監督の一人であること、そして史上最高の監督であることを証明している」と称えた。
しかし一方でロバーツ監督にもブーン監督と同様に解任の危機があったことも確か。メッツとのナ・リーグチャンピオンシップの第5戦で6対12で大敗し、対戦成績が3勝2敗となった際には、投手継投の采配ミスを批判され、米メディア「ファンサイド」は「ロバーツは第5戦でひどい誤算を犯し、自らの解雇通知にサインした」とまで報じた。だが、ワールドシリーズを制覇したことで評価は一変した。
前出の「ドジャーブルー」によると、2022年に3年契約を結んだ際の1年の年俸は、推定325万ドル(約5億円)で「この報じられた数字が正確であれば、今回は大幅に増加するはずだ」とした。
ちなみに現役監督の勝率1位は、ロバーツ監督の.627で、2位がブーン監督のの.584。解任危機を乗り越えた2人の名監督のワールドシリーズの因縁の再対決に早くも期待が高まっている。
11/09 06:35
RONSPO