NY紙がジャッジを辛辣批判!「手遅れになる前に打順を(3番から)降格する必要がある!」3三振でブレーキとなったヤ軍“2冠王”をWシリーズ初戦敗戦の“戦犯”に指名
ワールドシリーズ第1戦が25日(日本時間26日)、ドジャースタジアムで行われ、ドジャースはフレディ・フリーマン(35)が1点ビハインドで迎えた延長10回二死からWシリーズ史上初となる逆転満塁サヨナラ本塁打を放ち、6-3でヤンキースを下した。今シリーズは、大谷翔平(30)とアーロン・ジャッジ(32)の“2冠王”でMVP最有力候補の2人の対決に注目が集まっていたが「1番・DH」の大谷は同点につなげる二塁打を放ったが「3番・中堅」のジャッジは3打席連続三振で単打1本だけに終わり、地元紙「ニューヨークポスト」が「手遅れになる前にジャッジの打順を(3番から)降格する必要がある」との辛辣な提言を行った。
目の前でソトを申告敬遠される屈辱
ドジャースのお祭り騒ぎをヤンキースのアーロン・ブーン監督は微動だせずにベンチから見守っていた。その横をうなだれたスター軍団がロッカールームへと消えていく。あとアウト一つでつかめるところだった第1戦の勝利がフリーマンのひと振りでこぼれ落ちた。最大の“戦犯”が「3番・中堅」で出場したジャッジだった。
1回一死一塁からの第1打席にボールゾーンのスライダーを振って空振りの三振、3回の第2打席も、ナックルカーブに空振りの三振、6回は無死一塁で打席が回ってきたが、今度はスライダーで追い込まれ、外角ストレートにバットが空を切り、なんと3打席連続三振である。
7回に二死からセンター前ヒットは放ったが、2-2で迎えた9回二死二塁では、目の前で、ファン・ソトが敬遠され、屈辱の“ジャッジ勝負”を選択された。結果は高めのストレートに手を出してのショートフライ。完全なブレーキとなった。
「負けは負け。前(リーグチャンピオンシップ)のクリーブランドとの対戦でもそれ(第1戦の敗戦)を見たと思う。追いつ追われつの試合がいくつかあった。そこから学び、先に進んだ。明日がある。次の試合に備えることだ」
ニューヨークのスポーツテレビ局SNYはジャッジのコメントをそう伝えた。
だが、地元紙「ニューヨークポスト」の敏腕記者であるジョン・ヘイマン氏は「手遅れになる前にジャッジの打順を(3番から)降格する必要がある」との見出しを取った辛辣な記事を掲載した。
「偉大なるジャッジの打順を降格する必要がある。2006年にスランプだったアレックス・ロドリゲスの時のように8番まで下げる必要はないが、クリーンアップの打順(5番)まで下げればいい。ブーン監督が、彼のお気に入りの選手(選手全員が彼のお気に入りだが特にジャッジがお気に入り。それには正当な理由があるが)を降格させることを想像するのは難しい。しかし、本当にそうすべきだ。ジャッジは、この10月に彼の姿ではなくなっている」
同記者は、ポストシーズンで2本塁打は放っているものの打率が.167と低迷していることを伝え、9回にソトを申告敬遠してジャッジと勝負されたシーンを「屈辱的」と表現。さらに打順降格が必要な理由をこう続けた。
「ジャンカルロ・スタントンが、このポストシーズンの戦いで、4試合連続本塁打を放つなど、ドジャースの脅威になってきたからだ。ソトとジャッジは、このレギュラーシーズンでは、10年に1度の強力コンビだったが、今は、ソトとスタントンが、その脅威の2人となっている」
6回にソトがセンター前ヒットで出塁、ジャッジが三振に倒れた後に、4番のスタントンがライトスタンドに特大の逆転2ランを叩き込んでいた。同記者は、2番のソトと4番のスタントンの打順をくっつけるべきだと暗に示唆するのである。
今回のWシリーズは、「54―59」を成し遂げて本塁打、打点(130)のナ・リーグ“2冠王”を獲得した大谷と、58本塁打、144打点でア・リーグの“2冠王”を獲得したジャッジの両リーグのMVP最有力候補である2人の対決が注目を集めていた。両リーグの本塁打王がWシリーズで対戦するのは68年ぶりで、50本以上を放った打者の対決は史上初だった。
大谷は、1回に特大のセンターフライを放つものの、エースのゲリッド・コールの前に3打席までは、1三振を含むノーヒット。だが、1点を追う8回に一死からライトフェンス上部を直撃する二塁打を放ち、ヤンキースの中継プレーが乱れる間に三塁を陥れ、ムーキー・ベッツのセンターへの犠飛で同点ホームを踏んだ。
さらに2-3で迎えた9回一死一、二塁からレフトへのファウルフライに倒れたが、アレックス・バードューゴが、捕球後に観客席に倒れ込んだため走者が二、三塁に進塁した。一塁が空いたことで、ヤンキースベンチは、ベッツを申告敬遠し、左対左の対決となるフリーマンとの対決を選び、逆転満塁サヨナラ弾が飛び出した。派手な活躍ではなかったが大谷が劇的舞台をお膳立てしたのだ。
それに対してジャッジは何もできなかった。NYメディアが怒るのも無理はない。
スポーツサイトの「エンパイア・スポーツメディア」も「ジャッジはア・リーグMVPタイトルを得る見通しとなっているが、彼のレギュラーシーズンの成功は、好投手相手に苦戦しているポストシーズンにつながっていない、彼のプレーオフ53試合でのチーム貢献度は、平均選手よりわずかだけ上に過ぎない」と厳しく叩いた。
そして大谷との比較論をこう展開させた。
「ドジャースのスター選手、大谷は、期待された多くの場面で活躍してきた。大谷のポストシーズンの成績は、打率.277、出塁率.414、長打率.489で3本塁打を放っており、大舞台で底力を発揮している。彼の安定した打撃は、攻撃面でジャッジにかかるプレッシャーを明確に表している。ヤンキースにジャッジの不振を許すだけの余裕はない」
ただジャッジは前向き。
「結局のところ、明日また試合があることを我々は分かっている。あのように(リーグチャンピオンシップ)第1戦に試合を負けても、我々にはブロンクスに戻る前に(1勝1敗の)タイにするチャンスがある」と語っている。
10/27 06:51
RONSPO