悲願プレーオフデビューの大谷翔平はいきなりパドレスに敗れてしまうのか…MLB公式サイトは「4人対1人」でパ軍有利予想

 いよいよ今日5日(日本時間6日)にドジャースの本拠地ドジャースタジアムでドジャース対パドレスのナ・リーグのディビジョンシリーズがスタートする。3戦先勝の戦いで、ドジャースは山本由伸(26)が第1戦に先発、パドレスのダルビッシュ有(38)は第2戦に先発しポストシーズンの大舞台で大谷翔平(30)との対決が実現する。レギュラーシーズンでの対戦成績はパドレスの8勝5敗。MLB公式サイトは5人の専門家の意見を聞き「4人対1人」でパドレス有利と見ているが…果たしてナ・リーグチャンピオンシップシリーズに駒を進めるのはどっちだ?

 大谷は対ダルビッシュに5打数1安打

 大谷翔平にとって悲願だったポストシーズンの戦いが幕を開ける。前日会見で大谷は、プレッシャーはあるのか?の質問を受けて「NO!」と即答した。一方、急遽、重要な第1戦の先発に指名された山本は「初戦が流れを左右します。責任持って全力で投げたい」と緊張感を漂わせた。ドジャースはワイルカードシリーズを連勝で勝ち抜いてきたパドレスを本拠地ドジャースタジアムで迎え討つが、レギュラーシーズンの対戦成績は5勝8敗で負け越している。
 MLB公式サイトは、同サイトの5人の専門家の意見を聞き、「4人対1人」で「パドレス有利」という予想をした。
「ドジャースはMLBの最高成績(98勝64敗)で西地区を5ゲーム差で制し、大谷 (MLB史上初の50―50でポストシーズンデビュー)、ムーキー・ベッツフレディ・フリーマンという強力なラインナップを擁しているが、専門家はパドレスが3年ぶり2度目のディビジョンシリーズ勝利に向かっていると考えている。サンディエゴの攻撃力は手ごわく、負傷者の多いドジャースに対して投手力で優位に立っている。それがシリーズの差になるのかもしれない。パドレスはオールスターブレーク後には43勝20敗の最高成績を記録し、ワイルドカードシリーズではブレーブスを圧倒した。自信を持ってこの対戦に臨むことができる」
 先発投手力の差と打線の勢いを理由にしている。
 ドジャースはクレイトン・カーショー、タイラー・グラスノーの2大エースを故障で欠き、今季11勝とブレイクしたギャビン・ストーンも離脱した。計算が立つのは第1戦の山本、第2戦のジャック・フラハティの2人のみ。その山本も今季はパドレス戦2試合に登板して0勝1敗、防御率12.00で、メジャーデビュー戦となった3月の韓国シリーズで、1回に5失点KOされた試合の印象が強く残る。4月12日の2試合目は、勝ち負けが付かず5回4安打3失点だったが、2被弾した。
 また第3戦からはトミー・ジョン手術から5月に復帰したウォーカー・ビューラー、新人のランドン・ナックが続くと予想されているが、チーム打率がナ・リーグトップタイの.263を誇る強力なパドレス打線が相手となると苦しい。
 第5戦まで、もつれた場合には、山本が中5日で登板しなければならない。右肩を痛めて9月10日に復帰したばかりの山本への負担は大きくなる。
 一方のパドレスは、ワイルドカードシリーズの第2戦で先発したジョー・マスグローブが右肘を痛めトミー・ジョン手術を受けることになり離脱することになったのは痛いが、第1戦先発のディラン・シースは、今季14勝11敗のチームの勝ち頭で、ここ3試合では、19回1/3を投げ、わずか3失点と調子がいい。第2戦のダルビッシュは、ドジャースのキーマンである大谷を今季5打数1安打0本塁打と抑え込んでいる。第3戦以降も、マイケル・キング、マーティン・ペレス、マット・ウォルドロン、ランディ・バスケスと揃い、クローザーには今季防御率2.77でリーグ3位の36セーブをマークした元阪神のロベルト・スアレスが控えている。

 

 

 同サイトの2人の専門家は、その点をパドレス有利の根拠としている。
「サンディエゴはポストシーズンで最もダイナミックなロースターを持ち、シーズンは、8勝5敗でドジャースに勝ち越し(健全な)投手力で明らかに優位に立っているかもしれない」 (サム・ダイクストラ・シニアレポーター)
「パドレスは調子に乗っており、おそらく自分たちがより良いチームだと思っているだろう。彼らのラインナップが充実していることと、充実したローテーションを考えると、その考えは正しい」 ( エド・イーグル・シニアエディター)
 また打線に目を向けても、トップを打つのが、大谷と最終戦まで首位打者を争ったルイス・アラエスで、2番のフェルナンド・タティスJr.は、ワイルドカードシリーズで特大の一発を含む6打数4安打2打点と爆発しており、カイル・ヒガシオカは2試合で2本塁打3打点の“シリーズ男”となっている。
 ドジャース投手陣の今季の対パドレス戦の防御率も4.24と悪い。
 ただ専門家の1人だけがドジャース有利を唱えた。その理由は前人未到の「54―59」でシーズンを終え本塁打&打点の2冠王を獲得した大谷の存在である。
「大谷は、あらゆる場面で存在感を示してきた。初のプレーオフで彼がシリーズを引っ張ることに期待している」 ( アンドリュー・ベルレ・スーパーバイジングエディター)
 大谷の今季のパドレス戦の成績は12試合で、打率.326、1本塁打、7打点、4盗塁。特に本拠地での6試合の打率は.455と跳ね上がり、地区優勝を決めた9月24日からの3連戦では、11打数6安打の打率.545、3打点、1盗塁と存在感を示した。前出したようにダルビッシュには、5打数1安打と抑えられているが、第1戦先発のシースには、15打数4安打の打率.267、2本塁打、4打点の数字を残している。
 ただチーム全体としては、対パドレス戦のチーム打率は.218と低く、大谷の後ろの2番を打つMVPトリオの1人、ベッツは9月の月間打率.258と調子を落とし、3番のフリーマンは26日(日本時間27日)のパドレス戦で走塁の際に右足首を痛めて以降の試合を欠場した。パドレス戦には間に合うようだが、ベストなパフォーマンスを発揮できるか気がかりな点だ。ここ2年連続でディビションシリーズで敗退しているドジャースが大谷という新戦力を糧に不利予想を覆すのか。それともパドレスに勢いに飲まれてしまうのか。運命の決戦はまもなくプレーボールだ。

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