「なんたる体たらく…坂本勇人はもう引退すべきだ」TG首位攻防戦で3度ブレーキのベテランに巨人超大物OBが過激に“喝”!

 首位を走る巨人が22日、甲子園での阪神戦に0-1で敗れ、マジック「6」を減らすことができず、阪神とのゲーム差が「1」に縮まった。先発の菅野智之(34)が1点は失ったものの8回を一人で投げ切ったが「6番・三塁」で起用されたチームリーダーの坂本勇人(35)が3度あった得点機に凡退する大ブレーキ。6回でベンチへ引っ込んだが、巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた球界大御所の広岡達朗氏は、「なんたる体たらくだ。もう坂本は潔く引退すべきだ」と超過激な“喝”。今日23日の阪神との今季最終戦に向けてチームを引き締めるメッセージに代えた。

 外野フライでいい場面で才木のストレートが打てない

 

 巨人ベンチの最前列に逆転を祈る坂本の姿があった。モンテスのショートへの深いゴロを木浪が確実にさばいてゲームセット。2位から追いかけてくる阪神との直接対決に0-1で敗れ、マジックは減らず、ゲーム差「1」に迫られた。計算上は、まだ巨人が有利ではあるが重たい空気が流れた。
 チームを牽引すべきリーダーの坂本がブレーキになった。
 阿部監督は、緊張する大一番にベテランの経験を買い「5番・レフト」で長野、「6番・サード」で坂本を起用した。長野は2打席連続でヒットを放つなど期待に応えたが、坂本は3度あった得点機に凡退した。
 2回無死一、二塁で、阿部監督は坂本にバントのサインは出さず強行させたが、カウント0-1から才木のフォークを打ち損じてセンターフライ。3回に才木のバントのハーフスイングを巡る疑惑判定などにも足を引っ張られた菅野が、1点を失った直後の4回一死一、三塁の同点機にも外野フライが打てなかった。
 初球に得意とするインローにストレートが来たが、押し込まれてセカンドフライに終わった。そして6回だ。無死満塁のチャンスにまず長野が才木のストレートにバットをへし折られてピッチャーフライ。続く坂本は、カウント0-1から、ほぼ“ど真ん中”の148キロのストレートに差し込まれた。2打席連続のセカンドフライ。阿部監督は続く門脇に代打の大城を送ったが、センターフライに倒れ1点が取れなかった。守備位置のシャッフルもあって阿部監督は、この回を限りに坂本をベンチへ下げた。
 広岡氏は坂本の3打席をこう振り返った。
「なんという体たらくだ。狙っているストレートが打てないのは、体幹がフラフラしていてバランスが取れないから右肩も下がりバットが振れないのだ。才木の力のあるストレートを当てにいって弾き返せるわけがない。坂本は、いったい何億円の年俸をもらっているんだ?体調が悪いとかどうとかの問題ではない。あんな体じゃプロ野球選手は無理だ。おそらく今日の試合を見たファンの皆さんが思っているだろうが、もう潔く辞めた方がいい。自然の摂理、つまり年齢からくる体力の衰えには勝てないということだ」
 辛口の広岡氏は、いつにも増して舌鋒鋭く坂本を叩き斬った。推定年俸6億円でこういう試合でこそリーダーシップを発揮すべきベテランの坂本がブレーキとなったことが腹立たしい。
「あの落合博満でさえ、自らの限界を悟ってバットを置いた。坂本は、自らの立場を知り、もう自分自身でユニホームに見切りをつけるべきだろう」

 

 

 坂本は今季本格的にショートからサードにコンバートされて守備の負担を減らしたが、104試合に出場、打率.230、6本塁打、30打点の成績に留まっている。打率と打点は、試合に出始めた2007年を除くとキャリアワースト。6本塁打も2022年の5本に次いで2番目に悪い数字だ。
 9月10日から敵地で広島に3タテを食らわせた3連戦では、3試合連続でマルチ安打を放つなどの活躍を見せたが、15日の中日戦は体調不良でベンチから外れ、この6試合で、2本しかヒットを打てておらず、打率は.080だ。
 まだ35歳。体調の問題なのか、それとも広岡氏が指摘するようにもう体力の限界なのか。残り7試合。引退の声を吹き飛ばす活躍で巨人の優勝を牽引して存在感を示すしかない。広岡氏の“引退勧告”も坂本の奮起を促すためのメッセージなのだ。
 広岡氏は「そもそもそういう坂本をスタメンで使うのが間違い」と、この大一番に坂本を起用した阿部采配にも注文をつけた。
「今日負ければ、もうペナントは阪神だ。負けても勝率で阪神を上回っているそうだが、チームはもう目いっぱい。阪神には余力を感じるが、それに比べてジャイアンツは投打に疲弊を感じる。だからこそこの日の1点差ゲームは取っておかねばならなかった。菅野が踏ん張ったし、再三あったチャンスでなんとかできれば勝てていたゲームじゃないか」
 巨人OBの広岡氏は古巣の4年ぶりのペナント奪回を心の中では願っている。だからこそ不甲斐ない敗戦がなおさら悔しい。
 今日の巨人の先発は、8月28日のヤクルト戦以来、3試合勝ち星から遠ざかっている6勝4敗、防御率3.01の左腕のグリフィン。一方の阪神は4勝0敗と復帰してから負けなしの左腕の高橋。グリフィンは今季阪神戦に3試合先発しているが1勝1敗、防御率5.65と相性が悪い。高橋は今季巨人とは初対戦。
 スポーツ各紙の報道によると阿部監督は、「今日は今日、明日は明日でいきます」と、しっかりと前を向いている。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)

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