CランクのFA選手は本当にお買い得!?過去のFA選手を振り返る


 今年のFAは13日に申請が締め切られ、宣言した選手は14日にFA宣言した選手として公示され、翌15日から全球団と契約が交渉可能になる。

 FA宣言した選手の中でも、金銭補償や人的補償などを発生することなく獲得することができるCランクの選手は、獲得を目指す球団としても、金銭や自チームの選手を手放すことなく獲得ができるメリットがある。

 昨年のオフでいえば、オリックスからFA宣言した山﨑福也がCランクの選手だった。山﨑は日本ハムへFA移籍し、オリックス時代に長くバッテリーを組み、前年の22年オフに同じくCランクでFA移籍を果たしていた伏見寅威との相性は日本ハムでも抜群で、移籍1年目の今季自身初の規定投球回に到達し、24試合・147回2/3を投げ、10勝6敗、防御率3.17の活躍を見せた。

 15年に中日からFA宣言し阪神へ移籍した高橋聡文も、新天地でも変わらぬ働きを見せた。移籍1年目の16年に54試合に登板し20ホールド、防御率3.76の成績を残すと、翌17年も61試合に登板して6勝0敗20ホールド1セーブ、防御率1.70と抜群の安定感を誇った。

 中田賢一は05年に中日に入団してから国内FA宣言するまでの9年間、規定投球回到達、二ケタ勝利を挙げたシーズンは07年の一度だけだったが、14年にソフトバンクへ移籍すると、1年目の14年に防御率4.34も11勝をマーク。移籍2年目の15年は9勝に終わったが、防御率は3.24。層の厚い先発投手陣の中、中田は2年連続規定投球回に到達した。

 山﨑、高橋、中田のように好結果を残した選手もいるが、意外にもCランクで活躍した選手が少ないのも事実。

 16年オフに国内FA権を行使しソフトバンクから巨人へFA移籍した森福允彦は、ソフトバンク時代の11年から14年にかけて4年連続50試合以上に登板し、移籍前年の16年は50試合に登板して、16ホールド、防御率2.05の成績を残した。しかし移籍した巨人では、開幕一軍スタートも7試合に登板して防御率5.40と精彩を欠き、4月24日に一軍登録を抹消。5月に再び一軍に昇格するも、同年は30試合に登板して1勝3敗6ホールド、防御率3.05だった。翌18年が2試合、19年が7試合の登板にとどまり、19年限りで現役を引退した。

 20年オフにDeNAから巨人へFA移籍した井納翔一も、DeNA最終年となった20年は登板間隔を空けて先発し、6勝(7敗)、防御率3.94だったが、移籍先となった巨人では1年目の21年、開幕ローテーションを掴むも1回0/3を投げ4失点で降板するなど、わずか5試合の登板にとどまり、翌22年は7試合に登板し移籍後初勝利を挙げたが、同年限りで現役引退となった。

 選手や金銭の補償なく獲得することができお買い得ではあるが、果たして今オフはどのような移籍劇があるだろうかーー。

▼ CランクでFA宣言し他球団へ移籍した選手
【2008年】
中村紀洋(中日→楽天)
野口寿浩(阪神→横浜)

【2009年】
藤本敦士(阪神→ヤクルト)
橋本将(ロッテ→横浜)
藤井秀悟(日本ハム→巨人)

【2010年】
藤井彰人(楽天→阪神)

【2011年】
鶴岡一成(巨人→DeNA)
許銘傑(西武→オリックス)
小池正晃(中日→DeNA)

【2012年】
日高剛(オリックス→阪神)

【2013年】
小笠原道大(巨人→中日)
山崎勝己(ソフトバンク→オリックス)
中田賢一(中日→ソフトバンク)

【2014年】
小谷野栄一(日本ハム→オリックス)
金城龍彦(DeNA→巨人)

【2015年】
高橋聡文(中日→阪神)
脇谷亮太(西武→巨人)
木村昇吾(広島→西武)※入団テストを経た移籍

【2016年】
森福允彦(ソフトバンク→巨人)

【2017年】
鶴岡慎也(ソフトバンク→日本ハム)

【2019年】
福田秀平(ソフトバンク→ロッテ)

【2020年】
井納翔一(DeNA→巨人)

【2022年】
伏見寅威(オリックス→日本ハム)
嶺井博希(DeNA→ソフトバンク)

【2023年】
山﨑福也(オリックス→日本ハム)

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