阪神“併殺地獄”も5連勝で首位巨人に接近 高木豊氏は前川の先制打を高評価「末恐ろしいバッターになると思う」


◆ 笘篠氏「経験値が上がっていっている」

 阪神は「甲子園100周年記念シリーズ」の初戦を5-1で制し5連勝。再び貯金を「5」とし、首位・巨人とのゲーム差を2.5に縮めた。

 打線は初回から3イニング連続併殺と拙攻の連続。それでも両軍無得点のまま迎えた5回、先頭の5番・大山悠輔が痛烈な中前打で出塁すると、続く前川右京が左中間を破る適時二塁打を放ち先制点を奪った。

 6回は3番・森下翔太、4番・佐藤輝明の連打で無死一、二塁とし、大山が9号3ランを左翼ポール際へ運び4-0。2戦連発の大山は5試合連続打点となった。8回は森下が8号ソロを左中間席へ運び5点目。この日も森下、佐藤、大山の中軸は揃ってマルチ安打をマークし、そのあとを打つ前川も先制打を含む2打数1安打と活躍した。

 オールスター登板に伴い後半戦初登場となった先発の才木浩人は、要所を締める投球で6回まで無失点。7回は2四球と三塁・佐藤の失策で無死満塁としたものの、2番手・桐敷拓馬の火消しにも助けられ、大ピンチを最少失点で切り抜けた。8回以降は石井大智、ハビー・ゲラが1イニングずつ無失点。7回途中3安打1失点(自責点0)の才木は、リーグトップに並ぶ9勝目(3敗)を手にした。

 29日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』では、この日も揃って活躍した森下、佐藤、大山の活躍を取り上げ、解説者の齊藤明雄氏は「佐藤が4番に入って、それに『負けたくない』と思っている森下と大山がいるんじゃないかなという感じがする。この並びが上手く行ってる気がします」と“ドラ1クリーンアップ”を評価。

 番組MCの高木豊氏は「この試合(先制打を放った)前川の打席の前に3つの併殺があった。ランナー一塁で引っ張りたいところだが、引っ張りにいったらゴロになってゲッツー、流しにいったらボールが上がるということで、僕な流しにいったと思う」と前川の打者心理を考察。さらに「僕はつなぎに行ったんじゃないかなと思う。それを考えられた前川って末恐ろしいバッターになると思う」と続け、強引に引っ張らず、逆方向へ弾き返した21歳のバッティング技術を称えた。

 この意見に共演した笘篠賢治氏は「そうでしょうね」と同調。「今シーズンは出番が多くなってきて、試合をしていく中で経験値というものが上がっていっている」と、正左翼手の座を確保しつつある若武者の成長に目を細めた。


☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』

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