ブーイング一切なし ロッテファンは佐々木朗希を後押し「メジャーでもピンストライプユニで」と夢描く人も…担当記者が見た

マリーンズのボールを持つ佐々木朗希(右)と松川虎生(カメラ・今成 良輔)

 今オフにメジャー挑戦するロッテの佐々木朗希投手(23)が17日、ZOZOで行われたファン感謝イベントに登場し、開会式でスピーチを行った。今月9日に球団がポスティングシステムによる挑戦を容認して以降、初の公の場。2万9101人が集まったマリンで、夢に挑む決意表明をした。岩手・大船渡時代の右腕に衝撃を受けたロッテ担当の竹内夏紀記者が、惜別の一日を「見た」。

 佐々木の“送別会”に足を運んだファンは温かかった。メジャー挑戦には時期尚早との見方から、SNS上では、スピーチ時にブーイングを企てる否定的な声もあった。だが、実際には「頑張れ~!」と後押しする声が飛び交い、ブーイングは一切起こらなかった。

 選手との写真撮影会では、8か所のブースが設置された。誰が出てくるかは登場までのお楽しみだったが、佐々木のブースは、本人が現れるや歓喜の叫び声が上がり、うれしさで泣き出す人さえいた。ファンは「メジャーでも頑張ってほしい」と素直に応援する声が多数。20代会社員の女性は「メジャーでもロッテのようなピンストライプユニで活躍してくれたらうれしい」と、夢を膨らませていた。

 5年前の衝撃はいまだに忘れられない。記者1年目だった19年6月末。秋田・由利本荘市での練習試合で、大船渡3年時の佐々木を初めて生で見た。先発で3回無失点の6奪三振。細身ながら、高々と足を上げたフォームから放たれる直球、そして落差が激しいフォークに心が躍った。

 今年からロッテ担当となったが、旅立ちには寂しさもある。20歳で完全試合も達成したが、まだ才能の全てが花開いたとは言えない。世界で活躍する姿を見たい。これは野球ファンの共通認識だと思う。

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