佐々木朗希、ついにメジャーへ“ゴネ得”移籍の背景にささやかれる球団親会社の“グローバル戦略”

 

 この数年、毎オフのように揉めていた、佐々木朗希投手のポスティングによるメジャー移籍問題がついに決着した。11月9日、ロッテが認めることとなったのだ。

 

 佐々木はこの決定に「球団には感謝しかない」とお礼の言葉を述べているが、この件についてはロッテファンのみならず、多くの野球ファンがさまざまな意見を持っているようだ。

 

「彼のメジャー挑戦については、昨オフから賛否両論がありました。当然、今後の活躍に期待する声も多くあり、Xでは《佐々木朗希の二年後がワクワクする》などという投稿もあります。ただ、昨季に選手会離脱が判明していたり、春季キャンプぎりぎりまでロッテとの契約に至らなかったりと、わがままな態度に球団内外から批判の声も出ていたのです。

 

 

 ロッテの吉井理人(まさと)監督も、今回こそ『まだまだすごいピッチャーになると思います』と期待をにじませていますが、一時期は『朗希をコントロールすることは不可能。わがままでどうにもならん』とこぼしていたともいわれます。チーム内での不仲を心配するファンの声もあり、佐々木の移籍にはいまだすっきりしない面が多いのもたしかです」(スポーツ担当記者)

 

 昨オフには球団との話し合いがもつれ、結局、メジャー移籍はかなわなかった。なぜ、今オフは許されたのか。ロッテ担当記者が解説する。

 

「ロッテとしては、あと2年してから移籍してほしかった、というのが本音でしょう。

 

 なぜなら、大谷翔平のときと同様に、メジャーの『25歳ルール』が適用され、25歳未満の選手はマイナー契約のみに終わってしまうからです。そのため、23歳の佐々木の移籍によってロッテに払われる譲渡金は、低く抑えられ、3億円に満たないと予想されています。2023年末に25歳でドジャースに移籍した山本由伸の場合、オリックスに支払われた譲渡金は5062万5000ドル(約72億円)といわれています。

 

 ロッテとしては、佐々木を大事に育て、しかもわがままを認めて移籍させてあげるにもかかわらず、3億円にも満たない金額とあっては、『投資に見合わない』と考えるのが普通です」

 

 そうした苦汁を飲んでまで、移籍を認めた背景について、この担当記者は、親会社のロッテホールディングスという企業の体質が関係しているのではないかという。

 

「ロッテは国内だけでなく、韓国をはじめとするアジアなど、海外に多くの市場を持っています。じつは、そうした世界的な企業なだけに、佐々木の移籍に反対することで『若者の未来をつぶしてよいのか』と批判されることを恐れているのです。

 

 実際、佐々木の移籍問題では、日本の支社に相当数の抗議が来たといわれています。もしロッテが世界中に市場を持たなかったら、ポスティング移籍を認めなかっただろう、とさえささやかれています。

 

 要するに、移籍問題が長引くことによって、企業への、ひいては扱う商品へのイメージダウンを避けたかった。だからロッテは、認めたのでは、ということです」

 

 投手としてなら、大谷に勝るとも劣らない才能の持ち主といわれる佐々木。“ゴネ得”の印象を残した移籍容認の裏には、グローバル企業の戦略があったということか。

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