「日本のプロ野球が心配になる」「世界一になれるピッチャー」高木豊氏、佐々木朗希ポスティングでのメジャー挑戦に疑問と期待

佐々木朗希

 野球評論家の高木豊氏が10日までに自身のYouTubeチャンネルで、ロッテ・佐々木朗希投手のメジャー挑戦について語った。

 ロッテは9日、佐々木朗希投手(23)のポスティングシステムによるメジャー移籍を容認したと発表した。現行の大リーグの労使協定ではマイナー契約しか結べず、年俸は低く抑えられる。ロッテ側も高額の譲渡金を得ることはできないが、早くから米挑戦を要望していた165キロ右腕の夢を後押しする決断を下した。

 

 高木氏は「彼の持っているポテンシャルとか。そういうものを考えると世界一になれるくらいのピッチャーだし、それには体を作ったり、色々な努力をこれからしていかなければいけないと思うけども。彼だったらやるかなという期待もある」としつつ、「しかし、ロッテが寛大だなと思って。入団5年で彼みたいなピッチャーをリリースするっていう。相当な決断だったと思う。佐々木朗希の夢がかなって、それをロッテが容認する形にはなったけど。ルールに関してどうなんだろう」と疑問を呈した。

 佐々木は25歳未満でのメジャー挑戦。現行制度では、移籍してメジャーの試合に出場することはできるが、マイナー契約しか結ぶことはできない。契約金も各球団で異なる「国際ボーナスプール」が定められており、制限されている。2年待てば“青天井”の契約が結べたが、今オフの移籍では契約金や年俸、ロッテへの譲渡金は費用が少なくなる。高木氏は「損失だよねはっきり言って。お金の部分に関しても、球団に入ってくる金額もまったく違う」と指摘した。

 続けて、「メジャー志向の選手が増えている中で、日本のプロ野球が過疎化しちゃう。いい人が抜いていかれると、日本のプロ野球の魅力がなくなる。確かに金額の面とか。色んな面でメジャーの方が魅力があるかも分からないけど、日本のいいところもたくさんある。ルールがある以上。ルールを守らないと日本のプロ野球が心配になる」と嘆いた。

 その上で「(佐々木が)メジャーの選手をどう抑えていくのかとか、見たいと思うけど。今じゃなくて2年後でもと思うけど、選手の2年間はすごく大きい。佐々木朗希の気持ちも分かりつつ、悪しき伝統に発展しないように球団には対処してほしい。彼のメジャーでの活躍を祈るだけだけども、ちょっと残念に思う人もたくさんいるよな。(ロッテ)ファンが残念だろうね。何か釈然としないけど、応援していくんだろうな」とロッテファンの気持ちをおもんぱかった。

 最後には「メジャーに行くからには頑張ってほしいと思う。体がどう。肩がどうとか。色々言われたことを払しょくして、体を鍛えてローテーションピッチャーになれるように頑張ってください」とエールをおくった。

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