残り3試合で逆転オースティンが初の首位打者、近本2リーグ制後初の20盗塁届かず盗塁王…24年セ・リーグ成績まとめ

DeNA・オースティン

 セ・リーグは巨人が4年ぶり39度目の優勝(他に1リーグ9度)。全チームが120試合を過ぎた9月10日の時点で、首位から2・5ゲーム差以内に3球団がひしめく混戦を制した。

 阿部監督は初采配で優勝。新人監督のVは今年パの小久保監督(ソ)に次ぎ22人目。両リーグで新人監督が制したのは15年の工藤公康(ソ)、真中満(ヤ)両監督以来5度目になる。現役時代に捕手だった監督のリーグ制覇は7人目。セではヤクルトで4度Vの野村克也監督と2人目だ。

 連覇を狙った阪神は2位。セ・リーグで巨人Vのシーズンに阪神2位は17度目となり、中日の16度を上回り最も多い。8月を終えて首位の広島は9月に5勝20敗。セ・タイ記録の月間最多敗戦で大失速。中日は球団初の3年連続最下位に沈む。

 オースティン(D)が初の首位打者。残り3試合から5打数4安打で逆転した。セで2位との打率が・001差の僅差だったのは、91年の古田敦也(ヤ)・3398、落合博満(中)・3395の・0003差以来。

 最高出塁率はサンタナ(ヤ)。こちらも来日初のタイトルを手にした。安打と四死球による自力での出塁なしは2試合連続が3度。3試合続けて出塁0は一度もなかった。

 村上(ヤ)は3冠王に輝いた22年以来、2年ぶり3度目の本塁打王、2度目の打点王。残り20試合から10本塁打を上乗せした。そのうち6本連続を含む7本が走者を置いた場面での一発。

 3年連続で近本(神)が5度目の盗塁王。通算5度は3位タイで5人目だ。ただし19盗塁は44年に19盗塁の呉昌征(神)、呉新亨(巨)以来の少なさ。50年の2リーグ制後、20盗塁に満たない盗塁王は初めて。

 長岡(ヤ)が初の最多安打。1試合3安打以上の猛打賞16度は、セ・パ両リーグで最も多かった。全試合で遊撃を守って最多安打は12年の坂本(巨)以来。

 菅野(巨)がともに4年ぶりの最多勝と最高勝率。通算4度の最多勝は6度のスタルヒン(巨・大映)を筆頭に6人目。セでは5度の斎藤雅樹(巨)と2人目だ。敵地でセ初の開幕10連勝を含む11勝1敗。貯金10を稼ぐ。

 高橋宏(中)が初の最優秀防御率。被本塁打は9月10日ヤクルト戦で村上に打たれた1本だけ。開幕から129回2/3で延べ509人に一発を許さなかった。2リーグ制後、規定投球回以上で被本塁打1本は最少。

 戸郷(巨)が2年ぶり2度目の奪三振王。ただし1試合の最多は3度あった9奪三振。2リーグ制後、2ケタKが一度もない奪三振王は、75年の東尾修(太平洋)以来6人目。セでは初。

 マルティネス(中)が2年ぶり2度目の最多セーブ。17年サファテ(ソ)の54セーブに次いで、セの外国人では最多の43セーブを記録した。今年の中日は60勝75敗8分けだから、チームが勝った72%で試合の最後を締める。

 最優秀中継ぎ投手は桐敷(神)と松山(中)が分け合った。両リーグ最多70登板の桐敷は、優勝した巨人戦でともに最多の15登板に10ホールド。松山は6~8月にセ2位となる21試合連続ホールドポイント。

 セの6チームは全て昨年から本塁打が減少。リーグ全体で643本から472本に減った一方、防御率は3・19→2・88。セで2点台の防御率は、統一球の導入から2年目に2・86だった12年以来となる“投高打低”のシーズンになった。

 個人でもセで規定打席に到達して3割打者が2人しかいなかったのは、73年の2人以来、51年ぶり。規定投球回以上で防御率1点台の投手が5人は、62年の5人以来。こちらは62年ぶりだった。

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