【高校野球】大院大高エース右腕が「人生で初めて」ノーヒットノーラン達成 大阪桐蔭との準決勝へイメージ万全

ノーヒットノーランを達成した大院大高・山本凌青(カメラ・森口 登生)

◆秋季大阪府大会 ▽準々決勝 大院大高2―0早稲田摂陵(5日・大阪シティ信用金庫スタジアム)

 秋季大阪大会の準々決勝が行われ、大院大高のエース右腕・山本凌青(2年)が早稲田摂陵から無安打無得点を達成。4強入りへ、けん引した。大阪桐蔭は12安打15得点で関大第一に5回コールド勝ち。履正社も上宮太子を7回コールドで破った。近大付は初芝立命館に延長11回タイブレークの末、勝利した。

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 大院大高・山本は最後の打者を二飛に打ち取り、充実感あふれる表情を浮かべた。今夏大阪8強の早稲田摂陵を相手に無安打無得点投球。「めちゃくちゃうれしかった。カットボールが、ストライクも空振りも取れて、良かった」と四死球ゼロで105球を投げきった。許した走者は味方失策で出た2人のみ。「(ノーノーは)人生で初めて」と快投に顔をほころばせた。

 偉業については「9回を投げる前にチームメートに『ノーヒットやん』と言われて気づきました」と笑顔を見せた右腕。辻盛英一監督(48)は、この「鈍感力」こそ最大の武器だという。「ピンチをピンチだと思っていないし、抑えて欲しい場面でも熱くならない。全くブレない」と絶賛する。本人は「元々考えすぎるタイプ。自分を変えるために1つのことに集中しようと決めた」と中学時代の心構えを現在まで継続し、背番号1をつかんだ。

 準決勝の相手は大阪桐蔭。今春準々決勝では2―1と勝利したが、新エースは「接戦になると思う。守備で粘って流れを持ってこれるように」と名門打倒へイメージ万全だ。“西の横綱”相手にも淡々とアウトを積み重ねる。(森口 登生)

 ◆山本 凌青(やまもと・りょうせい)2008年2月13日、大阪・豊中市生まれ、16歳。小曽根小ではHOTファミリー少年野球部に、豊中市立第十二中では豊中ボーイズに所属。大院大高では今秋からベンチ入り。最速133キロ。変化球はカーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ。177センチ、66キロ。右投右打。遠投98メートル。

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