巨人・岡本が止まらない!5戦4発26号に阿部監督「頼もしい」 猛打で今季最長10戦連続打…M6で最短V23日

3回2死二塁、中越えに2ランを放つ岡本和(カメラ・義村 治子)

◆JERA セ・リーグ 広島2―8巨人(20日・マツダスタジアム)

 巨人が13安打8得点の猛攻で広島に完勝し、1分けを挟み4連勝。2位・阪神が敗れ、優勝マジックは「6」に減った。4番・岡本和真内野手(28)が3回、直近5戦4発となる26号2ラン。3番・吉川尚輝内野手(29)も先制の2点二塁打を含む3安打3打点をマークし、ともに手がつけられない絶好調ぶりだ。井上温大投手(23)は5回1失点で8勝目。鬼門マツダで12年ぶりの5連勝を飾り、カード勝ち越しも決めた。阪神とは3ゲーム差。23日の最短Vへ勢いをつけた。

 あふれんばかりのパワーでかっ飛ばした。これが岡本和だ。のけぞるようなスイングから放たれた白球はバックスクリーン左へ到達した。今季6度目の2戦連発となる26号2ラン。もう誰も止められない。直近5試合で4発。ダイヤモンドを一周してベンチへ戻ると笑みがこぼれる。広島の夜空に描いたアーチが、勝利への道を明るく照らした。

 圧巻だった。吉川の適時二塁打で2点を先制し、なおも3回2死二塁。1ボール2ストライクから大瀬良の投じたボール気味の真ん中高め144キロ直球を強振した。貴重な追加点となる豪快な一発。「(吉川)尚輝さんに続けて良かったです」。4番が試合の主導権を引き寄せ、日本一に輝いた12年以来、12年ぶりとなる敵地マツダでの5連勝だ。阿部監督は4番の活躍ぶりに「自分が打てば勝てると思ってやってくれているでしょうし、そういう姿がすごくいつも以上に強く見えてるんでね。頼もしく見えてます」と、うなった。

 勝負の時期に無双モードに突入している。この日は一発を含め3安打2打点で、8月28日のヤクルト戦(神宮)以来となる猛打賞。10試合連続安打は今季最長を更新した。浮き沈みがあり、本塁打数も伸び悩んでいたが、ペナント最終盤に量産。今シーズンは「いろいろやっています」と、下半身の力をバットに伝えることをテーマにして取り組んできたことが実を結び始めている。球団では3人目となる7年連続30本塁打以上の快挙達成の道筋も、一気に見えてきた。

 海の向こうからの刺激もある。ドジャース・大谷がメジャー史上初の「50本塁打&50盗塁」を達成。昨年3月のWBCで共闘し、世界一を成し遂げた大谷の活躍は日頃から動画で見ているという。「もともとWBCとかでやる前から関係なく見てた。もちろん今も映像は見ますよ。そりゃあね、すごいなって思っていつも見てます」。一緒にプレーした際には技術に加えて肉体の強さの重要性も再確認。圧巻のパワーと技術を研究対象にしている。

 主将の一発で勢いに乗ったチームは13安打8得点。投打がかみ合って快勝し、優勝マジックは「6」になった。「自分が打って勝つに越したことはないですけど、誰が打つ打たないに関係なく、優勝できるように頑張りたい」。シーズンは残り9試合。頼りになる4番は、歓喜のゴールテープを切るまで死力を尽くす。(宮内 孝太)

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