大谷翔平「50―50」の歩み…9月18日49盗塁、開始3球目で全力疾走【担当が選ぶこの1盗】

 ドジャース大谷翔平投手(30)が19日(日本時間20日)、メジャーリーグ史上初の「50発&50盗塁」を達成しただけでなく「51―51」まで上乗せし、新たな伝説を作った。敵地でのマーリンズ戦で3打席連続本塁打を放つなど、6打数6安打10打点2盗塁。1試合の安打、本塁打、打点は自己新の大爆発だった。ド軍は12年連続でプレーオフ進出決定。大谷は米7年目にして初めて頂点を目指す舞台に立つ。メジャー担当・安藤宏太記者が選ぶこの1盗。

 あまりにもあっさりと決めたのが衝撃的だった。50盗塁に王手をかけた9月18日(日本時間同19日)の二盗。プレーボールから2球目を安打にして出塁し、3球目で盗塁を決めた。相手の守備の乱れを見て一気に三塁まで進み、試合開始からたった1分10秒の出来事だった。

 一般的に全力疾走するためには、故障防止などのために入念なアップが必要とされている。もちろん、大谷は試合前に室内の打撃ケージなどで汗を流しているが、グラウンドで全力疾走は一度もしない。試合開始直前に数本、軽めの短距離ダッシュをしても、盗塁時のスピードには及ばない。さらに言えば、これまで走るだけの練習はほぼ見たことがない。

 他の選手は守備に就くことで最低限の運動をするが、DHではそれがない。それでいて下半身の筋肉系の故障はなく、プレーボール直後に当然のようにトップスピードを出すことに驚いた。

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