【大学野球】今春打率5割7分1厘の大商大・福島大輝 元巨人・谷佳知の5割6分5厘を31年ぶりに塗り替える偉業

大商大・福島大輝

 関西六大学野球秋季リーグ戦は9月2日に開幕した。大商大がリーグ記録をさらに更新する6季連続優勝に向けて、開幕4連勝と好発進。同じく開幕4連勝の大経大のほか、神院大、京産大、龍谷大、大院大は絶対王者の連覇を止めることができるのか? 10月24日のドラフト会議で1位候補に挙がる大商大の渡部聖弥外野手、指名候補の林翔大投手(ともに4年)ら各大学の注目選手を紹介する。

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 大商大・福島大は開幕4試合で計15打数7安打4打点、打率4割6分7厘と好スタートを切った。「最後なので、結果は気にしていない。チームに貢献できたら」。常勝軍団のリードオフマンは、さらなる進化を経て集大成の秋を迎えている。

 今春は打率5割7分1厘で首位打者を獲得した。OBで元巨人の谷佳知が持っていた、個人シーズン最高打率5割6分5厘のリーグ記録を31年ぶりに塗り替えた。にもかかわらず、今秋はバットを肩に置く構えから、前で構えるフォームに変更。「何人かに『ダサいっ』て言われて…。格好良さを求めました」とおどけたが、明確な意図があった。「全国でこの打ち方がダメだと気付いた。外の変化球が打てない」。6月の全日本大学選手権2回戦。早大・伊藤樹の外に曲がる変化球を追ってしまい、チームも0―1で敗れた。「もっと粘れるように。あとは周りから『こっちの方が打てそう』って言われる」。相手投手に、よりプレッシャーをかけられる点でもプラスになった。

 大商大に進学した地元の先輩の影響で、岡山・倉敷商から入学。厳しさは耳にしていたが「4年間、ここで野球をやる自信はない」と、2年秋まで思っていた。それでも、数多くのタイトルを獲得し、今では攻守で欠かせない存在に成長した。「最後のチャンスで全国に行って、このチームで日本一になりたい」。初の全国制覇へ、福島大が快音を響かせ続ける。

 ◆福島大輝(ふくしま・だいき)2002年7月30日、岡山・倉敷市生まれ。22歳。連島東小1年から西浦少年野球で始め、連島中では倉敷ボーイズに所属。倉敷商では1年秋からベンチ入りし、2年秋に明治神宮大会、3年夏に甲子園交流試合に出場。大商大では1年秋からベンチ入り。2年春に平古場賞、2年秋と3年春、4年春にベストナイン。

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