「人が犠牲にならないと改めないの?」『24時間テレビ』“10年に1度の酷暑”でもチャリティーマラソン決行に批判噴出

8月31日から9月1日にかけて放送が予定されている『24時間テレビ47』(日本テレビ系)。7月16日に制作発表記者会見が行われ、「全国の児童養護施設に募金マラソン」のチャリティーランナーにお笑い芸人・やす子(25)が務めることが発表された。

「同番組のチャリティーマラソンは、第15回目となる’92年からスタートしました。その年によってテーマは異なり、基本的に1人のランナーが挑戦します。ただ、コロナ禍を含む’19年~’21年にかけては、リレー形式で実施されたことも。一昨年はEXITの兼近大樹さん(33)が100kmを、昨年はヒロミさん(59)が102.3kmを、ゴールの両国・国技館まで完走しました」(テレビ局関係者)

公式サイトによれば、今年のチャリティーマラソンは《寄付金の全額が目的別募金として全国600カ所以上の児童養護施設のために役立てられる》とのこと。さらに一般人を対象に、やす子とともに走る「チャリティー市民ランナー」約1000名の募集も開始された。

やす子は自らも高校時代に児童養護施設に入所していたといい、公表したコメントで《当時は、経済的に進学も諦めなければならない状況でした。そんな時に児童養護施設にランドセルや文房具を置いて行ってくれる人がいました》と回想。その上で、《今回もっともっと多くの人に児童養護施設のことを知ってもらい一人でも多くの人が児童養護施設の子どもたちのことを気にかけてくれるよう、一生懸命走ります!》と意気込んでいた。

だが同番組の寄付金をめぐっては、不祥事が明るみになったばかり。’23年11月に日本テレビの系列局である日本海テレビの幹部社員が、10年にわたって寄付金や売り上げを着服していたことが判明。会社の売り上げなど合計1100万円あまりを私的に流用し、そのうち264万円は『24時間テレビ』の寄付金だった。

「チャリティー番組の根底を揺るがす不祥事とあり、視聴者から打ち切りを求める声が多数上がっていました。さらに番組継続の発表に際しては、水卜麻美アナウンサー(37)が朝の情報番組をはしごして謝罪。一社員を矢面に立たせたことも火に油を注ぎ、同局への批判はいっそう高まりました」(前出・テレビ局関係者)

■“10年に1度の酷暑”でもマラソン決行…浮き彫りになる世間との感覚のズレ

さらに今年の夏は、“10年に1度の酷暑”と言われている。夏場に実施される特別番組のマラソン企画では、昨年7月22日~23日にかけて放送された『FNS 27時間テレビ』(フジテレビ系)が炎上したことも記憶に新しい。

「100キロマラソン企画で井上咲楽さん(24)が唯一女性で完走しましたが、ほとんど倒れ込むようにゴールしました。地面に手をついて立ち上がることができない状態で、真っ先に駆け付けたのは東京ホテイソンのたけるさん(29)でした。そのため『本来はスタッフがすべきでは?』と、井上さんを放置していた番組の対応に批判が相次いだのです。この企画に参加した同局の山本賢太アナウンサー(26)も、マラソンによって疲労骨折したことを後日明かしていました」(前出・テレビ局関係者)

他局の事例とはいえ、実施時期が近い『24時間テレビ』も“二の舞”になる懸念が寄せられている。前出・テレビ局関係者は言う。

「やす子さんが何キロ走るかはまだ発表されていませんが、元自衛官とあって長距離マラソンを完走する体力は期待できるでしょう。また、好感度の高いやす子さんを起用することで、番組イメージを回復する狙いもあるのかもしれません。

しかし気候変動によって年々暑さが厳しくなっており、どれだけ体力に自信がある人でも健康リスクが高いのは一目瞭然。番組の“伝統”を守ることも大切かもしれませんが、世間との感覚のズレが顕著になりつつあるのではないでしょうか」

実際にネットニュースのコメント欄でも、真夏のチャリティーマラソンに否定的な声が相次いでいる。

《真夏に誰かを走らせるなんて、もうやめればいいのに》
《炎天下での24時間マラソンとか、やっぱり人が何人か犠牲にならないと改めないのか?》
《こんなクソ暑い時期に走らされてかわいそうに。 走らせるんじゃなくて普通に各養護施設への寄付を呼びかけたらええやん》
《誰のための何のためのマラソンなのか? どうして日テレは世の中の空気を こんなにも読めないのか?》
《日本の夏の気温は殺人的な状況なのに、なぜ?マラソンを続けるの? 日テレさん!チャリティーを考えることよりも前に走る人の身体と命をもっと大切に考えてください》

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