【Like~an~Angel ライヴ映像配信記念 特集2(全3回)】 Like~an~Angelメンバー座談会「頭の中で想像してもこんなバンドは作れない」
L’Arc~en~Cielのリーダーでありベーシストのtetsuyaが自ら率いるラルクのコピーバンドLike~an~Angelが10月3日(木)に開催した『Like〜an〜Angel CLUB CIRCUIT 2024 L'Arclassic』のファイナル公演の模様が11月10日(日)にU-NEXTで独占配信される。
L’Arc~en-Cielのコピーバンドという肩書きを飛び越え、自立したバンドへと成長しているLike~an~Angel。いまライクのなかで、いったいどんなことが起こっているのか。コピーバンドとしてスタートしたときはどうだったのか。
今回はtetsuya(B)を筆頭にjekyll(Vo/事前にメールで取材),reno(G),saki(G),hibiki(Dr)に集まってもらい、初のメンバー全員での鼎施。5人5様の視点から繰り広げられるライクに対する思い、その変化を絶妙なトークを交えながら語ってもらった。このトークを踏まえて、U-NEXTで配信されるライクのツアーファイナルのライヴ映像を見てほしい。
全国ツアー『Like〜an〜Angel CLUB CIRCUIT 2024 L'Arclassic』を終えて
――まずは、ライク初の全国ツアー『Like〜an〜Angel CLUB CIRCUIT 2024 L'Arclassic』、終わってみての手応えを聞かせて下さい。
jekyll 1日2公演ツアー、僕にとってはどちらも初の試みで正直とても緊張しました。体調管理をより一層徹底して挑んだツアーだったのですが、最終的にはみなさんの温かい声援やサポートが、そんな僕を大きく後押ししてくれたので、心から感謝しています。
saki 自分は、ライクに参加したのは野音からなんですが。なんか、こんなにバンドっぽくなるとは思っていなかったので、そこに1番びっくりしました。福岡は、まだそんなに。
tetsuya コロナ禍みたいな感じだったから(笑)。
saki お客さんと探り合いみたいな感じだんです。でも大阪、名古屋、東京とすごくステージでのおしゃべりも増えて、それとともにバンド感も増していったんですよ。
hibiki 僕も同じですね。僕は一番最初から参加させてもらっていまして。そのときからtetsuyaさんは「サポートメンバーじゃないから」と言って下さってたんですけど。とはいえ、tetsuyaさんのプロジェクトというところからスタートしたものだし。一緒にやるのも初めましてだし。ましてやラルクの曲を演奏する訳だから、どんなテンション感でこっちはいけばいいのか。最初は探り探りで始まって。
その後に野音をやって。そのときも「メンバーだから」とおっしゃってくれてたんですけど。今回、ツアーで全国をみんなで回っていっぱいライヴをして、打ち上げをして。「メンバーだから」というのをみんなで実感していくツアーだったと思いました。あんなにrenoさんと一緒に前に出るとか思ってもいなかったし(このツアーでhibikiとrenoによる漫談ユニット“REMEMBER ME”誕生)。
reno 俺もそんなこと思ってなかったよ(笑)。
hibiki そういうのも含め“これぞバンド”というのを実感したツアーでした。
reno 僕は1番最初は参加して、野音は出られなかったんですが。今回、まずバンド化していった第1弾として、みんなでアー写を撮ったんですけど。そのとき、tetsuyaさんがバンド感を意識してくれてるんだという思いになりました。そこからご飯にメンバーで行ったりして。今回はリハーサルの段階からみんなで作ってる感じがあって。僕が1番最初に参加させてもらったときとは違うライクの姿が、すでにそこにはあったんですね。
それで、ステージを重ねていくなかでMCの流れが生まれたり。大阪あたりから、ようやくメンバーそれぞれが自分の立ち位置をつかんでいって、名古屋、ファイナルまでいい感じでバンドとして育っていけた。単発だったらあのバンド感まではまだいけなかったと思います。
tetsuya ツアーで、1日2ステージあるとどんどん改善してどんどんブラッシュアップできるからね。さっきreno君が言ってた食事会なんて、reno君は野音に参加しないのに野音のキックオフミーティングにも来て、一緒に食事してましたからね(笑)。
reno そうです、そうです!
tetsuya アー写を撮った日も5人だけで食事に行ったんですよ。
――tetsuyaのおごりで?
reno、hibiki、saki ごちそうさまでございます!!
――ヒューヒュー!(一同大ウケ/ツアーで流行った掛け合い)
tetsuya 使い方あってる(笑)。あと、バーベキューもやったしね。ご飯一緒に食べながらコミュニケーションとってというのは大きかったと思います。でも、名古屋でなんであんな急にね?
hibiki 盛り上がりがすごくなったんだろうって思いますよね。
saki 始まる前から声や手拍子がすごく大きくて。お客さんとの相乗効果でいいライヴになったのかなと。
tetsuya 回数を重ねていくうちに、お客さんが僕だけを見るんじゃなくて、他のメンバーを見てるなっていうのがだんだん分かるようになって。そこも、このツアーですごく変わったなと思った。
L’Arclassicをやる中で「ライクらしさ」が生まれた
――次はセットリストに関しての質問です。今回演奏した曲のなかで難しかった曲、気持ちよくやれた曲、バンドが1番はっちゃける曲といえば?
jekyll 僕は、特に「Inner Core」は複雑なリズムが特徴的で、何度も練習を重ねました。「Bravery」は全編通して難易度が高くて、最後まで気が抜けませんでしたね。「砂時計」は歌ってて曲の世界に引き込まれるような感覚がありました。メンバー全員が一番楽しんでやっているのは「GOOD LUCK MY WAY」ですね!
saki 「いばらの涙」は個人的にはすごく楽しかったです。名古屋公演から「いばらの涙」が変わったとみなさんがたくさん言ってくださったので、それも嬉しかったです。「瞳の住人」は緊張しました。
hibiki 僕はjekyllと同じで「Inner Core」が難しかったです。構成、途中のポリリズムっぽいセクションが難しいんですよ。ライヴではyukihiroさん、sakuraさんの音源、さらにライヴ映像で叩いているフレーズをどう消化して、なおかつそこに自分の叩き方を入れるかというのを意識してるんですけど。1番最初、代官山UNITでやった1stライヴはただコピーするだけだったんです。
でも、さっきバンドになっていったっていうところでいうと「いばらの涙」、「GOOD LUCK MY WAY」。この2曲は、楽曲へのリスペクトは崩さずに、あそこまで激しくやったことでお客さんも盛り上がってくれたし、バンドとしても全員の意識も変わっていった感じがしましたね。「瞳の住人」は僕めちゃくちゃ好きで、いつもカラオケで歌ってるんで、カラオケのごとく、全部歌いながら叩きました(一同笑)。
reno イントロがギターだけで始まる曲を弾くことが多かったんで、「風の行方」とか「砂時計」はイントロが曲の象徴的なものになるので、細かい音色とかタイム間まで自分なりにちゃんと集中して、事故のないように弾きました。だけど「GOOD LUCK MY WAY」とかは、みんなで作っていった感じで、もうそろそろ解放していいかな、ここは出しちゃっていいよね、みたいなところで、原曲のフレーズっぽくは弾くんですけど、もうね、後ろで「おりゃ~」ってドコドコやっちゃってるんで(一同笑)。そっちがいくなら俺もいかせてもらうよっていうので、“ライクらしさ”が生まれていったのかな。L’Arclassicがライクらしさに変わった。それを、お客さんは「楽しい」と感じてくれたのかなって思いました。
――ラルクをやりながらライクらしさが誕生するって。
tetsuya 嬉しいですね。両方の住人としては。
――「瞳の住人」じゃなく(笑)。
tetsuya でもね、「GOOD LUCK MY WAY」は1stライヴの。
hibiki 2部から。
tetsuya 「これはスゴい」と思ってて。最近は「いばらの涙」。凄いことになってますから。
reno 歯止めがきかなくなりました(笑)。
tetsuya 演奏しててもくるんですよ。うわ~って。
reno ライヴを観に来た知り合いに「いばらの涙」を演奏してるときのメンバーの気迫。ステージから出るオーラみたいなのが凄かったっていわれたんですよ。だから、伝わってるんだと思いました。バンド内のこの感じが。
ライヴ前にバナナ5本!? ツアー中のいまだから話せるエピソード
――次はツアー中についての質問です。ツアー中、いまだから話せるエピソードがあったら教えて下さい。
jekyll ステージでは、僕とrenoさんがアクリルのドラム遮音パネルを鏡代わりにして髪を直すのが恒例となってました。そのrenoさんにセクシーポーズを要求したら、危うく殺されかけました(笑)。あと、大阪公演の本番前にhibikiがうどんを3杯食べてたのは衝撃でしたね。僕はバナナを5本食べたんですけど。そうしたら本番中にお腹が苦しくなってしまい、それを隠すためにいつもより深く頭を下げて歌ってたことはナイショです(微笑)。
tetsuya バナナの食べ過ぎって(笑)。でもね、うどんはすっごく美味しかったんですよ。お弁当食べてたあと、僕もうどんを1杯食べました。まだ食べたかった。
hibiki 僕、お弁当3つ食べてたんで、3杯まででしたね。
reno 凄いわ(笑)。でね、さっきの鏡はjekyllも途中からやりだしたんですよ。今回すごく盛り上がる曲が多いから汗もかくし髪も乱れるんで、髪の毛整えたいなと思って横を見たら、ドラムのクリアパネルに自分の顔が映ってて。それを見ながら整えだしたのが始りなんですけど。最初、hibiki君的には「renoさんとよく目が合うな」と思ってたらしい(一同笑)。
hibiki ライヴ中にすげーこっち見てて目が合うから、それだけでこっちはテンション上がってたんですよ。だけど「なんか違う」というのに気づいて。これ、絶対言ってやろうと思って、それで福岡の2部かな? MCで言ったんですよ。
reno そこからですね。MCが。
hibiki 2人のラフなトークが始まっていったのは。
reno そうそう。それで、僕がクリアパネルで髪の毛整えてたら、jekyllもそれにのっかってきた日の終演後かな。昔、自分がやっていたViViDというバンドのインディーズ時代の写真をスマホで見せて、アイツが俺のことをいじってきたんですね。そうしたら、次のライヴでそこでやってたセクシーポーズをMCでjekyllが求めてきたから、俺はもうやらざるを得なくなったんですよ。それで、jekyllに「お前、これ覚えとけよ!」というのを英語で何ていうんだろうってとっさに考えて。振り絞って出てきたのが“REMEMBER ME”だったんです。覚えとけよ、じゃなく、俺のこと覚えてる? って(一同爆笑)。
tetsuya そこからrenoとhibikiの“REMEMBER ME”が。
reno 生まれたんです。
tetsuya 次はグッズも作りたいなと考えてるんですよ。
hibiki めちゃくちゃ面白いですよね。マイクスタンド付きのアクスタとか。
tetsuya みんなでMC回せるのっていいことだと思うから。いまはファンもそういうところを期待してると思うし。最高じゃないですか。笑いあり、涙ありで。ラルクの楽曲を知らなくても楽しめるコンサートができると思う。我々がステージ上で楽しんでるのを見てもらって。それを見て、さらにお客さんも楽しい気持ちになる。いいと思いますね。
空き時間にやっていたこと「朝5時起きで練習」!
――では次の質問はツアー中の空き時間の過ごし方についてです。空き時間に欠かさずやっていたことがあったら教えて下さい。
jekyll 終演後、ホテルに戻ったら歌の練習をして。ライヴでミスなくパフォーマンスできるように、空いてる時間は基本的にすべての曲を復習するようなスケジュールを組んでいました。
saki 朝、復習でつるっと弾くのはやってました。
hibiki あんなに入り(時間が)早いのに「全部弾いてきた」って言ってましたもんね?
saki セットリストは全部弾いてます。5時ぐらいに起きて。
tetsuya、reno、hibiki えぇーーっ!!
tetsuya 僕もやってるんですけど、5時か……。5時は無理やな。
hibiki 僕が欠かさずやってたのは、いろんなご飯屋さんに行くこと。前日の現場から夜中、現地に入って、夜中ラーメン屋に並んだりしてました。
reno できないと不安になるから、僕はルーティーンはあえて作らないようにしてるんです。その分、リハの時間に自分の立ち位置に立ったとき。その場その場で今日はどう挑もうかというテーマ、課題を決める。それがルーティーンといえばルーティーンですかね。
tetsuya 僕もツアー中、すっごいベースを練習するんですけど。でも5時起にはちょっと……びっくりした。悔しいな。負けた(笑)。
reno 楽屋でも「tetsuyaさんいない?」って思って探すと、本当に会場の端っこの真っ暗なところから光ってるライトが見えるんですよ。よーく見ると、そこでtetsuyaさんが黙々とベースを弾いてるんですよ。ラルクであるご本人でも、こんなにしっかり練習するだというのを見ちゃうと、こっちも身が引き締まりますよね。
hibiki たしかに。どの会場でも絶対弾いてましたもんね。
tetsuya ホテルでもずっと弾いてるから。でも、5時起きには負けた。カッコいい。僕も見習わないといけないなと思いました。
全員 ヒューヒュー(笑)。
reno 今日2度目のヒューヒュー出ました!!
本当に“言霊”ってあって、言った通りになるから
――では、ここからはこのバンドの発起人であるtetsuyaさんについての質問です。tetsuyaさんに言われた言葉、行動で印象に残っていること、感銘を受けたことあったら教えてください。
jekyll 感銘を受けたのは仕事に対する姿勢ですね。つねに目標を持っていて、全力でそれに取り組んでいるんです。1度これをやると決めたら、実現に向けて努力するところは凄いなと思います。けれども、演奏をはじめると心から音楽を楽しんでて、笑顔になる。その表情を見ると、こちらまで幸せな気持ちになります。
saki 私、めちゃくちゃ人見知りなんですね。東京公演の1部が終わったときに、tetsuyaさんから「僕はみんなを見るために下手にいるんだけどsakiさんとは目が合わないね」といわれて。そのときに、私は人見知りだから、メンバーの顔を見たりするのは苦手なで照れちゃうんですというのを伝えたんです(苦笑)。
tetsuya 意外でしょ?
――ステージで、お客さんに向かって“ヒューヒュー”の正式なポーズを見せたり、かわいいポーズをメンバーにレクチャーしたりするのは平気なんですか?
saki お客さんに向かってパフォーマンスするのは、なんとも思わないんです。けど、メンバーに向かって「イェー!」とかやると、素になるというか。だから、ドラムセット見ながら「(うつむき加減で)ウッス」みたいな感じになっちゃうんですよ(苦笑)。
tetsuya 他のメンバーとは目が合うのに、俺は見てるんだけど、全然こっち見てくれないというのを話したら「人見知りなんです」っていうから、じゃあガンガンこっちから行こうと決めて。
saki 東京の2部では本当にガンガンきていただいたんですよ。気を遣っていただいてありがたいなと思いました(照笑)。
tetsuya あとね、女性だからファンに対してもあったと思うんです。ステージ上で目を合わせて2人でニコニコしてたら、なんなのあの2人とか思われるのかなとか。そういう気遣いも。
saki ありました。そういうのもあったからrenoさんとも。
reno なんとなく向かい合ってはいるんだけど、全然目は合ってなかったんですよ!(一同大爆笑)俺はすっごい見てるのに。
saki いい笑顔で見てくれるんですけど、私は目を合わさないように少し下を見てて。女性男性関係なく、苦手なんです。人見知りが本当に激しいんです(大苦笑)。それで、hibikiさんにも敬語で話すのを止めてくれといわれたんですけど。
hibiki いまも「hibikiさん」って言いましたよ?(笑)
saki そういう風にいわれるので、このツアー中、頑張ってため口で話すようにするのを目標にしてたんですけど、まだできなくて。そこは心残りではあるので、4月までには克服したいと思います。
――hibikiさんはいかがですか?
hibiki いっぱいあるんですけど。僕、めちゃめちゃ緊張するんですけど。初めての現場とか、特にそうなんですね。そのことを1stライヴの直前にtetsuyaさんに言ったら「緊張するって言わないほうがいいよ」といわれまして。そこから口にしないように意識しだしたら、今回のツアー、まったく緊張しなかったですし。他の現場も緊張しなくなったんですよ。あのtetsuyaさんのひと言で、すごい変われたんですよ。
tetsuya よかったじゃん! 本当に“言霊”ってあって、言った通りになるからね。「幸せ!」って言葉にすると、本当に幸せを感じるから。
hibiki 本当にあのアドバイスで僕は助かったんですよ。あと、これもtetsuyaさんが最初から言ってくださってることなんですが。Sakuraさん、yukihiroさんをどういうスタンスで再現すればいいのか、最初はいろいろ相談してたんですが、tetsuyaさんは「好きにやっていいよ」と言ってくださってたんですね。とはいえ、最初からあの「いばらの涙」まではできなかったんですよ。でも、ちょっとずつ我を出し始めて。今回のツアーで、これぞライクというプレイが生まれたのは、tetsuyaさんが最初にああいう言葉をかけてくれたからこそだなと思ってます。
あと、ラルクのUNDERGROUNDツアー(<L’Arc~en~Ciel ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND>)を僕、2回に観に行ったんですけど。今回のライクのツアーでは、その2本のライヴではまったく見たことないようなtetsuyaさんの表情を見たんです。一番印象に残ってるのは「いばらの涙」。ラスサビ前に一瞬ブレイクするとき、こっちを見たときの顔が、これから戦争に行くのかというぐらいの気迫を感じる表情で。それを見たときはめちゃくちゃアガりましたね!
tetsuya そんな自分を引き出してくれたのが嬉しい(笑顔)。
reno 僕はいろんな現場で、瞬時に自分の立ち位置を見つけるのが得意なほうなんですけど。1stライヴはラルクのtetsuyaさんがメイン、自分は出しゃばらないようにと思って空気を読んでたんです。だけど、それこそ野音のキックオフミーティングの食事会に自分を呼んでくださったり。「renoがいてくれてよかった」みたいなことを、飲んでるときにぽろっとい言ってくださったりして。それが自分はすごく嬉しかったんですよ。自分の存在意義が感じられて。俺はここで俺らしくいていいのかなと思って。
じゃあ自分はライクの一員として、tetsuyaさんが思ってることも自分だったらメンバーにもっとフランクにいえるから、これは自分の勝手な判断なんですけど、そういう立ち回りが僕の立ち位置だと考えたんです。そうしたら、自分がなんか解き放たれて。特に今回のツアーでは、僕はポジション的にtetsuyaさんが弾いてるのを見ながら全体を見渡せるところにいたので、より自分らしく立ち回ることができました。
tetsuyaのメンバーへの思い
――tetsuyaはこのようなメンバーたちに対して、いま改めてどんな風に思っているのか聞かせて下さい。まずjekyllさん。
tetsuya jekyllの存在がなかったら成立しなかったバンドだと思ってます。彼は本当にやさしいし、真面目だし、努力家だし。Jekyllってね、hydeのモノマネをしてる訳じゃないんですよ。普通に歌ってああいう歌声になるんです。hydeの声に似てる、似てない関係なく、上手なヴォーカリストなんですよ。だって、日本語話せないのにあの歌詞すべて暗記して歌ってるんですよ? 凄いでしょ? 彼との出会いも、間に1~2人ぐらいしか入ってないのに、俺はjekyllとつながったの。それも凄くないですか? なんか、運命的なものも感じますね。それで、初めてzoomでミーティングしたときに、こういうバンドをやりたいんだけどってオファーしたら「その期待を裏切らないように頑張る」と言ってくれて。それでいまですから。凄いなと思います。
――sakiさんは?
tetsuya sakiさんも運命的なんですよ。僕はそもそも5人、ツインギターでやる構想なんて最初はなかったんですね。だけど、次の野音はreno君がダメってなって。僕はreno君含め、固定のメンバーでライクをやりたいと思ってたから、毎回メンバーが変わるんだって思われるのが嫌だったんですよ。これでreno君の代わりに違うギタリストが1人入って、他のメンバーは前と一緒だったら、その人だけが注目されて、今後はこのギタリストになるのかなって思われそうじゃないですか。そういうのが嫌で、みんなの注目を分散するために野音はギタリストを2人にしたんですね。
――野音のツインギター構想の裏にはそんな狙いがあったのですね。
tetsuya はい。それでsakiさんを見つけて。女性メンバーとかまったく考えてなかったんだけど「いいな」と思ったギタリストがsakiさんで、女性だったというだけなんです。
――えっと。ということは、renoさんのスケジュールがとれて、renoさんが野音のステージに出ていたら?
tetsuya sakiさんを探すという行動はとっていなかった。
reno (sakiさんを見ながらドヤ顔で)ある意味俺に感謝だよ。
tetsuya だから、運命的な出会いなんですよ。でね、1stライヴの映像をみんなで観るっていう企画を生配信しながらやったとき。コメント欄でギターに関してすっごいマニアックな質問をしてくる人が1人いたの! それがsakiさん(笑)。その時点で野音はすでにオファーしてたから、いろいろ聞きたいことがあったんでしょうね。
saki はい。連絡先はお互い知ってたんですけど、直接聞くのは恥ずかしいなと思って。
reno そこですでに人見知り発動してたんだ(笑)。
――ではhibikiさんは?
tetsuya ネットで見つけて「めちゃくちゃ上手だなと!」と思って。上手だし、気持ちよかったの! すっごい楽しそうにドラム叩くから、パフォーマンスで魅了するという意味でもすっごくいいなと。もちろん演奏はちゃんとやらなきゃいけないというのあるけど。まず楽しむことが重要で。僕は、オリンピックの競技じゃないんだから、ミスがどうのこうのじゃなく、エンターテインメントとしての楽しさをみんなと共有することが大事なんだと言ってるんだけど。そういう意味で、魅せるドラムを叩いてたから。彼は。テクニック的なことをもちろんクリアした上で。だから、すごくいいなと思った。なので、いまこうしてhibiki君と一緒にできるのは本当に光栄なことだと思ってるし。嬉しい。
――では最後に、renoさんは?
tetsuya ここは落とした方がいいの?(笑) reno君は唯一紹介なんですよ。岸(利至/TETSUYA&The Juciy-Bananasの一員であり、TETSUYAソロもサポート)君に、こういうことをやろうと思うんだけど誰かいいギタリストはいないかなって相談して。数日後に「reno君はどう?」って連絡がきたんです。そこからは自分で調べて。ViViDは、バンドの存在は知ってて。曲を聴いてみたら、僕が好きな感じの曲が多くて。reno君はカッコいいし、タッパもあった。ラルクでken(Gt)ちゃんは一番背が高いからね。ViViDの後のソロの楽曲もチェックして。テクニック的なところは全く問題ないのが分かったんでオファーをして。それで、一緒にやってみたら人間性も素晴らしくて。ムードメーカなんですよ。彼は。あと、jekyllとの相性が素晴らしくいいの! jekyllもreno君がいないと寂しいんだと思う。本当に仲いいよね?
reno 言葉は全然しゃべれないんだけど、動物的な波長が近いんだと思います(笑)。
tetsuya 本当にね、奇跡的に集まったこの5人が凄くいいの。頭の中で想像してもこんなバンドは作れないと思うから、僕は本当に嬉しい。言いたいこと言いあえるし。だから、メンバーには最初から僕が言ってたように、ライクは自分のバンドだと思ってもらいたいし。みんなからも、僕だけを注目されるのは嫌なんです。もうバンドだから。ライクは。メンバー全員を見て欲しいと思ってます。
――そんなライクは2025年4月26日には東京・EX THEATER ROPPONGIでのライヴが決定しています。このライヴに向けての抱負を聞かせて下さい。
jekyll まさにライクとして本当のスタートを切る瞬間だと感じています。その新しい道がどんなものになるのか、ぜひ楽しみにしていて下さい。
saki このツアーでバンドとして固まったと思うので、次はどんな風にライクを見せていけるのか、しっかり準備して挑みたいなと思ってます。ため口と、目を合わせるのも頑張ります(微笑)。
hibiki これまでは「ラルクの曲を聴きたい」とか「tetsuyaさんがベースを弾いてる姿を近くで見たい」というのを目的として来る人が多かったと思うんです。でも、今回のツアーでメンバーそれぞれのキャラ、このバンドの雰囲気、ライクが演奏するラルクの楽曲を楽しんでもらえたと思うんで、EX THEATERからはもちろんラルクの曲は演奏するんですけど、ライクというバンド自体を観たい。そういう感覚で来てもらえるようなライヴにしたいと思います。
reno tetsuyaさん以外のメンバーからすると、たしかにここまではhibiki君が言ってたような理由でご祝儀で来てくださるかたが多かったと思うんです。そこから、今回のツアーで「ライクってこういうバンドなんだ」というのを知ってもらって。それを分かった上で次のチケットは応募して下さったと思うんで。2025年、このEX THEATERからは、もちろんラルクの曲はリスペクトを込めながら演奏するんですけど、さらにバンドとしてどう見せるのか。ライクらしさというのを頭っから全開で出していく。そういう意気込みでライヴリハーサルから挑みたいと思います。
tetsuya EX THEATER、楽しみですね。楽しみだし、みんなの想像を超えるようなことやりたいと思ってるから、そのリアクションが楽しみ。
reno いまからドキドキわくわくですね。
――えっ!! なんですか?
tetsuya ライヴに来て下さい! これ観たらヤバいと思う。本当に。
Like〜an〜Angel CLUB CIRCUIT 2024 L'Arclassic
【配信詳細】
https://video.unext.jp/livedetail/LIV0000006712
ライヴ配信:11月10日(日)19:30~ライヴ終了まで
見逃し配信:配信準備完了次第~11月24日(日)23:59まで
【出演】
Like~an~Angel
Vo.jekyll
G.reno
G.saki
B.tetsuya
Dr.hibiki
【配信公演】
10月3日 東京都・Spotify O-EAST 公演
(取材・文/東條祥恵)
11/10 12:00
ぴあ