ドイツを拠点に活動する美術家、西川勝人の日本初となる回顧展がDIC川村記念美術館で開催

ドイツを拠点として活動する西川勝人による日本初の回顧展『西川勝人 静寂の響き』が、9月14日(土)〜2025年1月26日(日)、DIC川村記念美術館で開催される。

1949年東京生まれの西川は、バウハウス誕生の地であるドイツに23歳で渡り、ミュンヘン美術大学を経て、デュッセルドルフ美術大学でエルヴィン・ヘーリッヒに師事。ノイス市にあるインゼル・ホンブロイヒ美術館の活動に参画したことを機に、隣接するアトリエを拠点として活動を続けている。

シンプルな構造と簡素な素材による白い彫刻に代表されるように、光と闇、その間の漠とした陰影がもたらす静けさが魅力だ。ほかにも、写真、絵画、ドローイング、インスタレーション、建築的構造物など、表現方法は多岐にわたるが、いずれもその存在を声高に主張することなく、静謐さをたたえている。

西川勝人《池のほとり》2010年 作家蔵 ©Katsuhito Nishikawa 2024

今回の展覧会は、1980年代以降の創作から西川自身が作品を選んで構成。自然光、外光、照明、間接光と、さまざまな光のもとで、作品の表情の違いも楽しめる。また、美術館前に広がる池には、同展のために制作された新作の屋外彫刻《佐倉の月》が浮かぶ。会期中にトークイベントやミュージアムコンサートなども行われるので、ぜひチェックしてから出かけたい。

西川勝人《根》1994年 作家蔵 ©Katsuhito Nishikawa 2024

ヨーロッパを拠点としているため、日本国内で見る機会が限られてきた西川の40年を超える活動をまとめて見られる貴重な機会。都会の喧騒を離れた自然豊かな美術館で、瞑想に浸るような体験になりそうだ。

<開催概要>
『西川勝人 静寂の響き』

会期:2024年9月14日(土)〜2025年1月26日(日)
会場:DIC川村記念美術館
時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(祝日の場合は開館翌平日休)、12月24日(火)〜1月1日(水)
入館料:一般 1,800円 、大学・65歳以上 1,600円
公式サイト:
https://kawamura-museum.dic.co.jp/art/exhibition-past/2024/katsuhito-nishikawa/

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