村上春樹「秋の夜にクラリネットのしっとりとした優しい音色は、ことのほか似合います」ラジオ番組『村上RADIO』でジャズ・クラリネット特集

作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。11月26日(日)の放送は「村上RADIO~秋の夜長はジャズ・クラリネットで~」をオンエア。村上DJが所有しているアナログ・レコードをメインに、スイング時代から現代まで、優れたクラリネット演奏の楽曲をかけていきました。
この記事では、前半1曲と「収録中のつぶやき」を紹介します。



こんばんは。村上春樹です。村上RADIO。11月の最終日曜日、いよいよ秋も深まってきましたね。
というわけで、今夜はジャズ・クラリネットを特集してみました。秋の夜にクラリネットのしっとりとした優しい音色は、ことのほか似合います。今夜はバラードを中心にお送りします。お酒が飲める方は、軽くグラスを傾けながら聴いていただけると良いかもしれません。もちろんお酒抜きでも。
音楽の素敵さはかわりませんよ。

<オープニング曲>
Donald Fagen「Madison Time」

クラリネットって、第二次大戦の前はジャズの世界では花形楽器だったんです。ベニー・グッドマン、アーティ・ショウ、ウディ・ハーマンといった有名ビッグバンドはクラリネット奏者に率いられていました。でも戦後になると、サキソフォンが代わって花形楽器となり、クラリネットを吹くミュージシャンの数もすっかり減ってしまいました。でもそれだけに残ったモダン・クラリネットの奏者たちは、それぞれにしっかり腰の据わった演奏をしています。今日はスイング時代から現代のモダン奏者まで、優れたクラリネット演奏をかけていきます。ほとんどがアナログ・レコードです。オリジナル・レコーディングの音をお楽しみください。

◆Tony Scott「Tenderly」
まずは戦後モダン・クラリネットの代表的なプレイヤーの1人、トニー・スコットの演奏を聴いてください。曲は「テンダリー」。
ピアノはビル・エヴァンズ、ベースはヘンリー・グライムズ、ドラムズはポール・モティアンという素晴らしいリズム・セクション。トランペットはクラーク・テリー、1957年の録音です。

<収録中のつぶやき>
このころビル・エヴァンズはまだ売り出し中の若手ピアニストだったんですよね。


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11月26日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2023年12月4日(月) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:村上RADIO ~秋の夜長はジャズ・クラリネットで~
放送日時:11月26日(日)19:00~19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/

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