「にっぽん縦断 こころ旅」火野正平さん追悼 最後の言葉は「穏やかで、ええ加減なんです」番組で訃報伝え「心より哀悼の意」
14日に亡くなった俳優・火野正平(ひの・しょうへい、本名・二瓶康一=にへい・こういち)さんが14年間旅人を務めたNHK BSの旅番組「にっぽん縦断 こころ旅」の追悼番組が24日に放送された。番組の冒頭で「11月14日逝去されました」と訃報を伝え、最後にも追悼コメントを映し「深く感謝申し上げるとともに、心より哀悼の意をささげます」と悼んだ。
番組の冒頭、約35秒にわたって画面にコメントを掲載。真っ白な画面に文章が記され「14年間にわたり『にっぽん縦断 こころ旅』旅人として『こころの風景』を訪ねてくださった俳優 火野正平さんが11月14日逝去されました。この時間は今年春の旅が休止となったために放送できなかった火野さんの旅『1240日目 熊本県芦北町』を放送します」と訃報を伝えた。
その後ロケ映像がスタート。雲一つない快晴の空が画面に映し出され、「おはようございます」という火野さんの元気な声が。パープルの衣装を着た火野さんが登場し「熊本です!有名な球磨川です。“暴れ川”です」と説明。画面の右上には「4月1日に撮影したものです」というテロップが記された。
寄せられた手紙を読み上げ、八代海の眺望が楽しめるトンネルをオススメされた火野さん。「じゃあチャリオで行くかな」とうれしそうにほほえんだ。目的地が決まると、ブルーの自転車・チャリオにまたがり、スタッフに「いいですか?行きまーす!」と声をかけてこぎ出し、最寄りの肥後高田駅に向かった。
「波多島小島の海岸」に到着し、八代海の絶景をながめる。「キラキラしてますね。きょうから熊本県。こんなところに来ました。ええな~、穏やかで、ほんとに穏やかで。まるで鏡を見ているようだ」としみじみ。立ち上がった火野さんは「穏やかで、ええ加減なんです」とつぶやきながら画面から消え、ロケ映像は終了した。
番組のラストで追悼コメントを掲載。真っ白の画面に「火野正平さんがお手紙をお送りいただいた方々に寄り添いながら14年間旅を続けてくださったことに、深く感謝申し上げるとともに、心より哀悼の意をささげます」と、約15秒にわたってコメントを映した。
「にっぽん縦断 こころ旅」は火野さんが、視聴者の手紙に書かれたエピソードをもとに、自転車・チャリオに乗って一人一人の心に大切にしまってある「こころの風景」を訪ねる番組。14年間にわたり旅人として日本全国をめぐり、たくさんの人々と触れ合ってきた。今年4月に同番組サイトは、火野さんの持病の腰痛が悪化したため、「2024春の旅」のロケを中止すると発表。さらに、9月には「春から腰痛の治療を行っていた旅人の火野正平さんについて、このたび所属事務所より『骨折したため、引き続きの治療が必要』との連絡をいただきました」と説明し、現在放送中の「2024秋の旅」は、代役を立て放送している。
11/24 12:00
スポーツ報知