MonsterZ MATEにグラドル麻倉瑞季のガチ相談「オタク口調になっちゃうんです…」
グラビアアイドル麻倉瑞季が、敬愛するVTuberと対談する企画、麻倉瑞季の「あしゃくの異空間」。ボーカリストにして狼男のアンジョーと、ラッパーにして吸血鬼のコーサカによるユニット「MonsterZ MATE」を深掘りする対談。
歌い手として名を馳せていた二人が、VTuberという新たな選択肢を選んだ理由や、麻倉瑞季のマジ悩みにアンジョーとコーサカがアドバイス。VTuber文化を知らない人も注目です!
視聴者に「君たちはサムくないよね?」
麻倉:お二人は週にどれぐらいの頻度で会われてるんですか?
コーサカ:週1のときもあれば、仕事が多かったり、打ち合わせが多かったりして週4とか。出会ってから14年だもんなあ。しかも友達期間のうち、半分以上を一緒に活動してる。
麻倉:これはイヤだろうな、ここにイライラしてるだろうな……とか、お互いわかりそう。
コーサカ:そうですね。それもきちんと話をするかな。基本的にMonsterZ MATEって、ユニットだけど、ニコイチにならないように、あくまで個と個が一緒にいる状態にしないといけないっていうのは思ってますね。
麻倉:でも、友達から始まって、ビジネスパートナーになるって、ボクには想像がつかない。もし仲違いしちゃったら、友達の関係も終わっちゃう。
コーサカ:たしかに、よく聞く話。うちは最初、同じイベントに呼ばれたときに仲良くなったんです。名前は知ってるけど絡んだことない状態で、コラボ曲が勝手に組まれてて。リハをやったら“はっ! こいつ、スゴい!”って。でも、その驚きを悟られないように「よかったですねー」くらいのリアクションで。本番もすごくて“やっぱり、さっきの驚きは間違いじゃなかった”と思って、帰りの飛行機でめっちゃ仲良くなったのが始まりでした。
麻倉:MonsterZ MATEをやろう! となったきっかけは?
コーサカ:Vを見てて面白そうだなって、お声がけいただいたんです。会社が用意したものではなくて、ビジュアルから企画から、すべて自分たちで携われるなら、やりたいと。で、先はわかんないけど、面白そうだけで付き合ってくれる友達って、ジョーさんしかいないわって。
アンジョー:まさにそうですね。“なんか面白そうだね”だけで参加した感じです。
麻倉:歌い手として大優勝してるのに、Vを選んだのは面白そうだから。
アンジョー:あくまで、俺らがやってるクリエイティブの1個。俺は俺という1人のおっさんがいて、そのおっさんがun:cとMonsterZ MATEのアンジョーをやってるだけ。だから、成功しそうだから・してるから、とかで選んだって感覚じゃなくて、全部自分に集約している人生の出来事なんです。
でも、このスタイルができているのって、最初にコーサカと話し合いしたときに、無理なくやろうねって意思疎通ができていたからですね。じゃないと、スイッチしなければいけない存在になっちゃって、たぶん歌い手との両立で苦しんでたと思うんです。
麻倉:たしかに、un:cさんはコンスタントに動画アップしてますよね。
アンジョー:でも並行してやって、死ぬまでやりたいなと思ってます。
麻倉:かっこいい。推す側からしたら、“死ぬまでやろう”と思ってくれてるのがうれしい。どうしても、いつかは引退するのかなとか、卒業するのかなって思っちゃうし。
アンジョー:引退しなければいけない理由が、外部にあるならしょうがないけど、 自分の中には無いですね、やめる理由がないから。
麻倉:これはウィキに書いてあったんですけど、「Vのファンはプロレスをわかってくれる」って。
コーサカ:それは俺かな? プロレスファンは武藤敬司とグレートムタを許容しているし、そこに説明はいらない。今の時代、そこをわかってない人に対して「お前、わかってないな」と説明するのも薄らサムいというか。それは、もしかしたら牽制もあったかもしれない。「君たちはサムくないよね?」っていう。
麻倉:ふるいにかけている感じ?
コーサカ: 郷に入っては郷に従えが正解なんでしょうけど、プレイヤーとそれを観測する人とで歩み寄りがあってもいいなって。もうちょっと近付いてくれても良くない?的な。
アンジョー:たぶん、寄り添いが正解なんだろうけど、それを選択したくないって話かな。
コーサカ: アイドル番組のMCをやってる芸人さんみたいな、超絶スキルが欲しい。
麻倉:グラドルとしての立場から話すと、自分が面白くないんで、芸人さんが頑張るしかない状況が多いですね。だから、自分が良いコメントできなかったときの、芸人さんの必死なフォローに現場では救われつつ、自分の不甲斐なさを感じます。
配信より動画を選んでいる理由
麻倉:この会話の流れで聞きたいんですけど、ボク、喋るのが得意じゃなくて。オタク口調になっちゃうんです。
アンジョー: オタク口調? どんな喋り方なんです?
コーサカ:これは麻倉さんじゃなくて、いわゆる世間のオタクのイメージだけど、喋りに間がなくて、普段は大きな声出してないんだろうな、みたいな口調だよね。でも、自分の周りにも、いわゆるステレオタイプなオタクの喋り方する人はたくさんいるし、友達にも多いから喋りやすい。
でも、それが芸能のラインに乗ったときに、どう見えるかまではわからないけど、コミュニケーションの齟齬は生まれないから、全然気にならないな。
麻倉:レスポンスが遅くないですか? お二人を見てたら頭の回転早いなって思うので。
コーサカ:でも、それは裏を返せば、咀嚼して物事を考えてるってことじゃない? 生じゃなければカットもできるし。うちら、ほぼ動画もカットがないから、スピード感はあるように感じるけど。
麻倉:それでいうと、もうひとつ聞きたかったのは、配信勢が多いなかで、ゴリゴリ動画勢なのはなぜですか?
コーサカ:単純に二人とも、ゲームは1人でやりたいから(笑)。あとは、うちの会社の3Dスタジオで撮ろうってなったときに、動画のほうが絶対いいし、アーカイブが残るし……あとは逆張り?
麻倉:今は配信が多いですもんね。
コーサカ:俺らが始めたのが2018年5月なんですけど、すでに配信が増えてたんですよ。で、これからは配信が主流になりそうだなって。にじさんじ※1の二期生が出る前くらいかな。
麻倉:すごい。さっきからお話を聞いてると、先見の明がある。
コーサカ:いや、先見の明じゃなくて、これは俺が幼少の頃から逆張りオタクなだけ。それが変えられないというだけで、全然配信したいっす(笑)。でもまあ、“配信でやりたいな”と思えるようなことがあれば、やるかもしれない。さっき逆張りって言ったけど、Vを初めてからは、メインストリームをやるのも面白いなと思えるようになった。
麻倉:Vを始めたことで、価値観が広がった?
コーサカ:すごく広がりましたね。Vを始めてからの価値観の変化は、15歳から17歳くらい激動。
麻倉:青春みたいですね。
コーサカ:気づいたのは、14歳から行動原理が何も変わってないんですよね。自分が14歳くらいの頃に想像していた大人って、もっと価値観が確立していて、新しいことを面白いと思わないんじゃないかって。でも、自分が大人になって気づいたのは“あれ、大人って、子どもの前でカッコつけてたのかな”って。
少なくとも、自分はまったく変わってないし、このままジジイになっていくなら、気にしないで、好きなことをやり続けようって思いました。ここ数年で、俺からジョーさんに「こういうの、これまであまり好きじゃなかったけど、一回やってみない?」って言うのは増えましたね。
アンジョー:うん。“おお! コーサカ、これやりたいって言うんだ”って思うことは増えた。
麻倉瑞季がガチでMonsterZ MATEに相談
コーサカ:さっき、麻倉さんが「喋りが上手になりたい」と言ってましたよね? 俺の友達の配信者でも喋りがコンプレックスのやつがいて、そいつは練習したと言ってました。自分で喋っているのを録音して、声の出し方、早い・遅いを練習したらしい。この話、俺は衝撃だったんです、喋りを練習するって概念がなかったから。
麻倉:それはできる人の意見ですよね(笑)。
コーサカ:うん。でも“たしかにそうだよな、トークが技術だとすると、練習は必要か”って納得したんです。麻倉さんはどういう自分を理想としているんですか?
麻倉:……って問われたときに、サッと答えられる自分。一回、頭の中で構築しちゃうんですよ。ギャルみたいに、すぐ答えられる自分になりたい。
アンジョー: なるほど、でも良し悪しありそうですね。
コーサカ:やめたほうがいい。俊敏に答えられないってのは、思慮深いってことですよ。ギャルも思慮深くないわけじゃないけど、人からどう思われてもいいと思っているのかもしれない。対外的なことを気にする人は、いろいろ考えるじゃないですか。相手がこれを言ったらどう思うか、とか。今この場に適しているかどうかを。
麻倉:心の中を読まれているみたい…(笑)。
コーサカ:自分が思っていることは、すぐに出るんですよ、人間って。でもそれは、対外的なことを気にしていない場合において。俺もそうだしね。だって、人の気持ちって変えられないと思ってるし、どう思われてもいいから、自分の気持ちをすぐに言えるんです。でも、麻倉さんは自分が思ってることをそのまま言うと、波風立てちゃうかも……ってことを気にしてるから止まっているだけで、それは変えないほうがいいですよ。
麻倉:はっずい。
アンジョー: ご自分で仰ったんですよ(笑)。
麻倉:たぶん、答えが欲しかっただけなんですよね……はい、変えません!
野外ライブは「雨降ってほしくない」
麻倉:お二人の今後の展望をお聞きしたいです。
コーサカ:俺ら、最初から言ってんのは、このまんま。
麻倉:どこどこに立ちたいとか、そういう具体的な目標は?
コーサカ:ないですね。アリーナとか、大きい会場でライブもやったことあるし。でも、それもやりたかったからやったわけじゃない。もしかすると、ジョーさんと俺で、そこは考え方が少し違うかもだけど、大人数の前でライブしたいと思ったこともない、売れたいと思ったこともない。
麻倉:ないんだ!? マジで手段じゃないんですね
コーサカ:趣味。なんか面白そうでラップを始めたし。あと、目標を立てるとき、そこにいろんな人が絡むと、自分の思っている以上の目標を立てるんですよ、絶対。でも、それによって発生した軋轢って活動の根幹に影響する。120%出したあと、0になっちゃうなら、100をずっと持続したほうがいい。
アンジョー:そうだね。いろいろ知りすぎてしまったなって。まず、 でかい会場を目的に音楽をやっていくのは違う気がすると、自分は結論づけました。
麻倉:それは音的なことですか? 自分たちがやりたいことが、でかい会場だとあまり伝わりづらい?
アンジョー:いえ、そういうことだけでなく、マインドの話なんですけどね。 とにかく死ぬまでやりたいっていうのが、俺の場合はそうだし、たぶんコーサカもそうだと 思うけど……。
コーサカ:(頷く)
アンジョー:とにかく長くやりたい。 自分たちから発生するクリエイティブを重要にしたいので、それを地道に頑張った先に、でかい会場でできるようになった、が理想ですね。いきなりジャンプしに行くんじゃなくて、自分達らしく無理しすぎない範囲で一歩一歩という感じ。結果に繋げていくのはなかなか大変なんですが……。
麻倉:いや、でも大きな会場のライブとか埋めてるし。
コーサカ:今度、一緒にシュークリームしましょうよ。
麻倉:えええ! いきなり? やりたいですけど、Vの体ないし……。
コーサカ:それもね、この前ちょっと面倒だったから、Vの体ない人も呼んで、動画を撮ったんですよ。だから、いくらでもやりようはありますよ。
麻倉:えー、本当ですか? ぜひ! でもVの体ほしいなあ、事務所と相談してみます。
コーサカ:あとね、10月に静岡県の掛川でライブがあるんですよ、野外で。
麻倉:野外! 野外ってどうなるんですか? モニターを出す感じ?
コーサカ:モニターを持っていくんですけど、昼間だと見えないから、日が沈んでからにしたりとか。あとは、野外ライブは雨も醍醐味みたいな所があるけど、俺らは絶対に降らないでほしい。
アンジョー: マジで晴れてほしいね。
麻倉:掛川での野外ライブって何で決まったんですか? TPRG※2関連?
コーサカ:そうですね、掛川でTRPG関連のイベントがあるから行ってみたら、そこの主催の人と仲良くなって。その人がMonsterZ MATEが好きで、掛川の「百鬼夜行」という大きなハロウィンのイベントがあるんですけど、そこに俺たちをいつか呼びたいと言ってくれて。
いろいろな縁がつながって、今回コラボ開催させていただくことになったんです。だから、頑張るのって本当にパワーがいるし、めんどくさいんですけど、今日こうやって何かの縁で、麻倉さんが指名してくれたのも、何かにつながっていく。頑張ってやり続けててよかったなと思います。
麻倉:すみません、うれしい。なんか成功したオタクすぎてヤバい。何かにつながっていくように頑張ります。
【麻倉瑞季による注釈】
※1 ANYCOLOR株式会社が運営するVTuber/バーチャルライバーグループ
※2 テーブルトークロールプレイングゲーム。会話ベースで物語を作りあげ複数でプレイするRPG。麻倉本人も実はよくわかってない。
10/25 18:00
WANI BOOKS NewsCrunch