『おむすび』「帰れる場所がある人は行ってもらったら助かる」市役所職員として糸島へ移るよう聖人に促した若林。その言葉に視聴者「本心」「聖人のことを分かっているからこそ」「離脱した人もったいない」

(『おむすび』/(c)NHK)

10月30日の『おむすび』

現在放送中の橋本環奈さん主演・連続テレビ小説『おむすび』(NHK総合/毎週月曜~土曜8時ほか)。第5週「あの日のこと」が10月30日に放送され、話題になっています。

*以下、10月30日放送内容のネタバレを含みます。

永吉(松平健さん)の音頭で糸島フェスティバルの打ち上げの宴会が米田家で開かれ、ハギャレンのメンバーや永吉同様にホークスを応援する仲間など関係者大勢が集まる。

結(橋本環奈さん)も翔也(佐野勇斗さん)とともに参加するが、歩(仲里依紗さん)は参加せず自分の部屋に閉じこもる。

台所では佳代(宮崎美子さん)たちが郷土料理・そうめんちりを料理するが、愛子(麻生久美子さん)は糸島に移住した時のことを思い出して――という話が描かれました。

避難所までやってきた永吉

今日のドラマでも、阪神淡路大震災の回想シーンが描かれました。

行方不明者の情報を求める紙が廊下中に貼られた小学校の中、人を助けずにはいられない性分の米田家の父・聖人は、届いた支援物資を被災した人たちに配分する手伝いをしていました。

そんな中、尋ね人が来ている、との放送を聞いて向かった聖人。

するとそこには福岡・糸島にいるはずの祖父・永吉の姿が。永吉は家族の無事を確認するべく、車に支援物資を積み込んで神戸までやってきたのでした。

神戸の大変な状況と、親友が亡くなったことで何も話さなくなった歩を見た永吉。聖人へそのまま糸島へ来るように促します。

市役所職員・若林が伝えたこと

対して聖人は「何言うてんねん。無理に決まってるやろう。世話んなった神戸が今、大変なことになっているんや!それほっといていけるわけないやろ!」と永吉に怒鳴ります。

しかし永吉から「娘と神戸と…どっちが大事や!」と言い返されると、一瞬迷って聖人は「娘に決まっとるやろ!」と答えます。

愛子や商店街の仲間・福田からも、糸島に行った方が良いと説得され、悩む聖人。

すると、やりとりの後ろから市役所職員・若林が。

若林は「米田さん、これから仮設住宅の建設が始まります。市としては一人でも多く行き場のない人に住んでもらいたい。帰れる場所がある人はそっちに行ってもらったら助かります」と、率直に役所の一職員としての意見を聖人へ伝えました。

それを聞いた聖人は言葉を失いますが、少し考えた後、愛子たちには先に糸島に行ってもらうよう、そして自分は神戸のためにできることをもう少しやってから向かう、ということを周囲に伝えるのでした。

視聴者は…

こうした展開に、ネットでは「時間とお金と場所をやりくりしなければならない中、より弱い人を優先して救いたいというのは、市職員の本心だろう」「人助けせずにいられない聖人。その性分を分かっているうえで、送り出してあげようとする言葉。公に働いている人の強さと優しさが」「聖人のことをわかりすぎている。それだけ信頼関係ができた街なのに離れるの、見捨てるみたいで辛いよね」「まず子供たちだけでも、被災地から動かすのは正解。こういった大切なこともストレートに描いてるのに。ドラマを離脱した人、ほんとうにもったいない」といった声が見られていました。

朝ドラ通算111作目となる『おむすび』の舞台は平成“ど真ん中”の、2004年(平成16年)。ヒロイン・米田結(よねだ・ゆい)は、福岡・糸島で両親や祖父母と共に暮らしていた。

「何事もない平和な日々こそ一番」と思って生きてきた結。しかし、地元で伝説と化した姉の存在や、謎のギャル軍団、甲子園を目指す野球青年など、個性的な面々にほん弄されていく。そんな仲間との濃密な時間の中、次第に結は気づいていく。「人生を思いきり楽しんでいいんだ」ということを――。

青春時代を謳歌した自然豊かな糸島、そして阪神・淡路大震災で被災するまでの幼少期を過ごした神戸。ふたつの土地での経験を通じて、食と栄養に関心を持った結は、あることをきっかけに“人のために役立つ喜び”に目覚める。

ドラマには松平健さんや仲里依紗さん、佐野勇斗さんらが出演し、リリー・フランキーさんが語りを担当。脚本は根本ノンジさんが、主題歌『イルミネーション』はB’zが手掛けています。

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