『光る君へ』「雲隠」での断筆。そして宇治川での再生と「宇治十帖」誕生へ…圧巻の脚本に視聴者「本当にこんな状況だったとしか」「源氏物語とのシンクロ極まれり」「終わりの始まり」

(『光る君へ』/(c)NHK)

11月3日の『光る君へ』

現在放送中の吉高由里子さん主演・大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合/毎週日曜夜8時ほか)。第42回の「川辺の誓い」が11月3日に放送され、話題になっています。

*以下、11月3日放送内容のネタバレを含みます。

宮中で、道長(柄本佑さん)と三条天皇(木村達成さん)が覇権争い。

道長は娘・妍子(倉沢杏菜さん)を三条天皇の中宮にするも、三条天皇は長年付き添った東宮妃・すけ子(朝倉あきさん)を皇后にすると宣言。

そこで道長は権力を誇示するため、ある計画を立てる。しかし体調に異変が…。

一方、まひろ(吉高由里子さん)は里帰り中に、娘の賢子(南沙良)がケガをした双寿丸(伊藤健太郎)を連れているところに出くわしーーといった話が描かれました。

道長の容態が悪化

三条天皇との覇権争いが続くなか、道長は病に倒れてしまいました。

倫子らによる懸命な看病が続く一方、ききょうからは「その命は長くはない」と言われ、内裏には、道長が病に倒れたのを喜んでいる人物の名を挙げた怪文書がでまわります。

その後、小康を得るも憔悴しきった姿となった道長は、宇治川のほとりに建てた別邸にて静養生活を送ることに。

そんなある日、物語を書き終え、自邸で過ごすまひろの元へ、従者・百舌彦が道長の容態が悪化したことを知らせにやってきます。

「殿さまに生きる力を与えられるのはまひろさまだけ」と百舌彦から伝えられたまひろは宇治へ向かうことに。

「誰のことも信じられぬ。己のことも」

宇治の別邸の柱にもたれかける道長。

目を覚ましてまひろを目にとめると、驚きながらも安堵の表情を浮かべます。

それからまひろの提案で宇治川の川辺を歩くことになった二人。

杖をつきながら歩く道長は、川面を見つめながら「誰のことも信じられぬ。己のことも」と心の内を吐露します。

対して「私との約束はお忘れくださいませ」と告げるまひろ。

すると道長は「お前との約束を忘れれば、俺の命は終わる」と話します。皆が喜ぶならそれでもいいが、と言うと、まひろは「ならば私も一緒に参ります」とこたえます。

「道長様が生きておられれば、私も生きられます」

物語も書き終え、皇太后彰子も強くなった今、この世に私の役目はもうない、と話したまひろ。「この川で二人流されてみません?」と、命を終えてもよいという覚悟を道長へ示します。

対して「おまえは…。俺より先に死んではならぬ。死ぬな」と制止する道長。

するとまひろは「ならば…道長様も生きてくださいませ。道長様が生きておられれば、私も生きられます」と伝えます。

その言葉を聞いて嗚咽する道長。その震える背中をまひろは涙ぐみながら、じっと見つめます。

その後、場面が変わってまひろの館へ。太陽の光が降り注ぐ中で筆を執ったまひろ。

「雲隠」と記して終えたはずの物語の続きを、再び書き始めるのでした。

<まひろとの約束>を盾にする道長だが…

恋愛という枠を超え、ソウルメイトとして繋がってきたまひろと道長。

吉高さん、柄本さんという主役二人のすばらしい演技を通じ、その絆があらためて示された展開に涙ぐむ視聴者が続出。加えて『源氏物語』の内容を巧みに組み込んだ、大石静さんの脚本の見事さにうならされた人も多かったようです。

ネットでは「宇治川のシーンから宇治十帖誕生の流れがとにかく美しかった。本当にこういった状況で書き始めたのではないかと思ってしまう」「生きる気力を無くした道長。役目を終えたと考えるまひろ。その二人が出会った川辺に向かい、互いの存在の尊さをあらためて知り…これは物語の終わりの始まり」「あなたがいるから生きていられる。おそらく道長はその言葉だけがずっと欲しかった」「こんな言葉を言われたら道長でなくても泣く…三条天皇相手に頑張れ、道長」「とにかく脚本が圧巻。史実とフィクション、『源氏物語』とドラマのシンクロ、ここに極まれり」といった声が見られていました。

大河ドラマ「光る君へ」の主人公は平安時代に、千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書き上げた女性である紫式部。

彼女は藤原道長への思い、そして秘めた情熱とたぐいまれな想像力で、光源氏=光る君のストーリーを紡いでゆく。変わりゆく世を、変わらぬ愛を胸に懸命に生きた女性の物語。

脚本は大石静さんが担当しています。

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