吉田羊は大物俳優が評価、波留は朝ドラに3回落選…“大器晩成女優”「底力エピソード」

吉田 羊。年齢は非公表の “魔性の女” だ

 

 数々の才能がひしめく芸能界で、独特な輝きを放つ“大器晩成女優”。さる演劇関係者は、「吉田羊こそ、その筆頭格」と話す。

 

「大学3年のときに自らの意志で小劇場デビュー。しかし女優業ではなかなか食べてはいけず、引越し業からパーティコンパニオン、葬儀社でもアルバイトをしたそうです」

 

 芸能プロ関係者は、吉田羊の「大逆転の瞬間」を明かす。

 

 

「数ある “吉田羊伝説” のなかでも、大河ドラマに連ドラにと引っ張りだこの今に繋がったエピソードが、中井貴一さんの電話です。朝ドラ『』(NHK)に端役で出演した彼女が、西田敏行さんのアドリブ攻勢をピシャリとかわすのを、たまたま中井さんがテレビで観て『あの女優、誰?』と朝ドラのプロデューサーに電話をかけて教えてもらったそうなんです。そこで吉田さんの名前を知った中井さんが、『いい女優がいるよ』と三谷幸喜さんに知らせたといいます。これが転機となり、三谷作品に多数出演し、名前が売れました」

 

 そんな吉田がスタッフ間でも受けがいいのは、プロデューサーなどとの打ち合わせに絶対に手ぶらで行かない、気配り上手な一面があるからだという。

 

「そこまで高価な差し入れでなくても、女優さんから何か渡されると嬉しいじゃないですか。これは売れないときから欠かさず本人がやってきたことだそうで、こうした地道な厚意が、事務所を独立した今のコネクションを繋いでいるのでしょう。常連の居酒屋での周年のお祝いなども欠かさないといいます」(同前)

 

 7月9日スタートのドラマ『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)で主演を飾る松本若菜(40)は、初めて受けた『仮面ライダー電王』(テレビ朝日系)のオーディションで受かり、いきなりデビュー。2008年、赤坂サカスのキャラクターガールに選ばれたり、映画『腐女子彼女。』に主演したが、そこからは足踏み状態が続く。

 

「話題を集めたのは2年前のドラマ『やんごとなき一族』(フジテレビ系)。ヒロインに意地悪する義理の姉役で、『 “松本劇場” だ』とネットで注目を浴びました。松本さん本人も『人生何が起きるかわからない』と、大転換ぶりを驚いていましたよ」(民放プロデューサー)

 

 ファッション雑誌「Domani」(小学館)のモデルだった吉瀬美智子(49)が、バラエティ番組『噂の!東京マガジン』(TBS系・当時)にアシスタントとして出演したのは28歳のとき。

 

「その後、31歳で事務所を移籍します。これが転機になりました。移籍の条件が、モデルを辞め、女優業に徹することだったんです。これまで経験のない仕事に専念しなければいけない、という難局を前に『専業主婦になろうか』という思いが頭をかすめたそうですが、最終的に演技の道一筋で行く腹を固めました。先日最終回を迎え、大反響を呼んだドラマ『アンメット』(カンテレ・フジテレビ系)などでの出色の演技も、この覚悟あってのことでしょう」(同前)

 

 菜々緒(35)が本格的に芸能活動を開始したのはレースクイーンとしてだったが、女優としてブレイクしたのは30歳を超えてからだった。2021年には、2つのドラマで助演女優賞を受賞し、一躍「演技派女優」の仲間入りを果たした。

 

「高校生でスカウトされた菜々緒さんですが、大学から芸能の仕事を増やした。学業と両立させるため、大学の卒業に必要な単位をたった2年で取りきってしまったそうです」(前出・芸能プロ関係者)

 

 25日からは、ドラマ『スカイキャッスル』(テレビ朝日系)への出演が控える木村文乃(36)は、18歳で映画主演デビュー。同作の協賛企業との縁でボウリングイベントのイメージガールを務めたことも。2008年には朝ドラ『だんだん』(NHK)で舞妓を演じた。順風満帆に見えたがトラブルに見舞われる。

 

「出演後、重度のアトピーに悩まされ、一時期芸能界から離れたことを告白しています。彼女の下積みはここからだったんです。食べて行くためにファミレス、チラシ配り、ウエディングの介添人、病院の受付とさまざまなアルバイトをしました。当時は、パン一斤で1週間過ごすような極貧生活を送っていたといいます。それでも女優業を諦められない彼女は、片っ端からオーディションを受け、主役は逃したものの、朝ドラ『梅ちゃん先生』(NHK)の出演にこぎつけました」(前出・民放プロデューサー)

 

 中村アン(36)は大学3年のとき、「大学に通い続けていいなら」と、事務所と条件を取りつけて芸能界入りした肝の据わりようだ。

 

「しかし、デビューしてすぐは自分でも何をしたらいいかわからず、バラエティで共演者を『ブス』呼ばわりするなど “迷走” していました。3年間はスケジュールが埋まらず、この時期がいちばん苦しかったと語っています。石の上にも三年と、花開くのを心して耐えたそうです」(別のテレビ局関係者)

 

 転機は、今冬劇場版の公開が控えている、5年前のドラマ『グランメゾン★東京』(TBS系)だった。

 

「共演は木村拓哉さんや鈴木京香さんですからね。大物共演者の背中を見て、ハングリー精神が大事だと学んだそうです。女優として生きていく覚悟を決めたのは、30歳になってからだと言っていました」(前出・テレビ局関係者)

 

 現在放送中の、朝ドラ『虎に翼』に出演する桜井ユキ(37)。19歳で上京するもわずか1年で福岡に戻り、地元の飲食店で働いたという。そこから23歳で再び上京してきた、“出戻り”経験の持ち主だ。

 

「彼女の人生を変えたのは、演技を本格的に始めるきっかけとなった、シャーリーズ・セロン。彼女が主演する映画『モンスター』を観て、『女優はここまで変われるんだ』と衝撃を受けたといいます。この作品を観て女優に対する自分の中の思いに変化が起きたと言っていました」(映像制作関係者)

 

 中学1年で芸能界入りをした波瑠(33)が朝ドラ『あさが来た』でブレイクしたのは24歳のときだった。

 

「女優を志したのは、学校に行きたくない一心からだといいます。中1で事務所のオーディションに合格し、芸能界入りを果たしました。映画やドラマにも出演しますが、登場してもすぐ殺されたり、脇役にもならないエキストラのような端役ばかり。朝ドラなんて、『あさが来た』まで3回も落ちていますからね。中学生で受けた『てっぱん』が最初で、18歳のときに受けた『純と愛』や19歳のときの『あまちゃん』でも脇役にすらかすらなかった。それでもめげなかったのは、祖母と母親が朝ドラの大ファンだったからだそうです。家族愛が、彼女のブレイクを生んだのでしょう」(広告代理店関係者)

 

 小学5年でスカウトされた新木優子(30)。今でこそ、インスタグラムのフォロワー数は500万人近くに及び、若者から熱い支持を集める存在だが、中学・高校時代の出演作は、どれも端役止まり。オーディションに受からない日々が続いていた。

 

「結局、仕事をしながら大学に行くことになり、フェリス女学院大学に通いながら『この4年間で芽が出なかったら芸能界を諦めよう』とリミットを設定したとか。頑張ってきたのに認められない、という感情が大きく、ほかの道で人生をやり直そうか悩んでいたそうです。当時は、大学の友人に愚痴を言ったり進路相談にも乗ってもらい、ストレス発散をしていたそうです」(前出・芸能プロ関係者)

 

 悩み、苦しんで大器となった女優たち。こんな苦労話を聞いたら、応援せずにはいられない!

 

写真・本誌写真部、共同通信

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