深圳の男児刺殺、駐中国大使が補習学校の警備強化を要請…SNSで「極端な言論が流れている」

深圳日本人学校の周辺を警戒する警察官ら(20日)=大原一郎撮影

 【瀋陽=出水翔太朗】金杉憲治・駐中国大使は26日、中国東北部の遼寧省瀋陽市で王永威・市共産党委員会副書記と会談した。金杉氏は、広東省深圳で日本人学校に通う男子児童(10)が登校中に中国人の男に刺殺された事件を受け、瀋陽の日本人児童らが学ぶ補習学校の警備強化など在留邦人の安全確保を要請した。

 補習学校は日本人学校と比べて警備が手薄で、保護者から警備強化を求める声が上がっていた。大使館によると、金杉氏は事件について「全ての在留邦人に大きな衝撃を与えた」と強調。中国のSNS上で「日本に対する極端な言論が流れている」とも述べ、取り締まりを求めた。王氏は「日本人やその他の外国人を等しく保護し、安全を守る」と応じた。

26日、中国遼寧省瀋陽市で、中国側に邦人の安全確保を求めた金杉憲治・駐中国大使(左)=出水翔太朗撮影

 金杉氏は24日に大連市トップ、25日には遼寧省トップと会談し、邦人の安全確保などを求めた。地元紙は金杉氏の訪問を1面で掲載したが、深圳の事件や邦人の安全確保を求めた点には触れていない。情報統制が続いている模様だ。

 遼寧省には大連市を中心に、約3500人の邦人が生活している。

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