ハマスに拉致された人質の救出求め数万人デモ…イスラエル・テルアビブ、政府への不満高まる

14日夜、テルアビブで、人質の早期解放を訴えるデモ参加者=田尾茂樹撮影

 【エルサレム=田尾茂樹】イスラエル各地で14日夜、イスラム主義組織ハマスに拉致された人質の解放や停戦に向けた交渉の妥結を求めるデモがあり、商都テルアビブでは、数万人が一刻も早い人質救出を訴えた。

 交渉が停滞する中、イスラエルでは死亡する人質の増加で政府への不満が高まり、毎週末に大規模デモが続く。テルアビブでは14日も、人質の写真を掲げた市民が国防省前の路上を埋めた。友人が人質となっている高校教師シュロミ・エトログさん(58)は「彼らには時間がないのに、政府が戦争継続のため交渉を引き延ばしている」と非難した。

イエメンからミサイル攻撃

 一方、イスラエル軍は15日、イスラエル中部にイエメンからミサイル攻撃があったと発表した。イエメンの反政府勢力フーシは声明で、弾道ミサイルによる攻撃を認めた。軍ラジオによると、中部の空き地に着弾し、避難途中の市民9人が軽傷を負ったほか、駅などに被害が出たという。

 イスラエル北部では、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの攻撃の応酬も激化している。軍は14日、レバノン南部などのヒズボラ拠点を空爆した。ヒズボラも連日、イスラエル北部の軍拠点などをロケット弾で攻撃している。

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