ヒズボラ指導者、イスラエルが「レッドラインを越えた」と警告…レバノン各地の通信機爆発・死者37人に

 【エルサレム=田尾茂樹】レバノン各地で18日、イスラム教シーア派組織ヒズボラメンバーらが利用する携帯型無線機が爆発し、レバノン保健省によると、25人が死亡、600人以上が負傷した。17日に続くヒズボラの通信機器を狙った攻撃で、中東の緊張が高まっている。

18日、レバノン南西部サイダで、爆発が起きた携帯電話販売店に集まる兵士ら=AP

 レバノンでの被害は2日間で死者37人、負傷者約3000人となった。ヒズボラはイスラエルによる攻撃と断定し、報復を示唆している。指導者ハッサン・ナスララ師は19日の演説で、イスラエルが「レッドライン(越えてはならない一線)を越えた」と警告した。レバノンとイスラエルの国境地帯では19日、ヒズボラとイスラエル軍の激しい攻撃の応酬があった。

 イスラエルはヒズボラへの攻撃を強化するため、戦闘の軸足をパレスチナ自治区ガザからイスラエル北部へ移し始めている。ヨアブ・ガラント国防相は18日、北部の空軍基地で「戦争は新たな段階に入った。重心は北に向かって動いている」と述べた。ベンヤミン・ネタニヤフ首相も18日の声明で「北部の住民を確実に帰還させる」と強調した。

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