ガザで発見の人質3人の遺体、イスラエルの空爆で死亡か 報告書公表

 イスラエル軍は15日、昨年末にパレスチナ自治区ガザで、遺体で見つかった人質3人について、同年11月の軍の空爆で死亡したとみられる、との調査報告書を公表した。イスラム組織ハマスに対する攻撃でなく、交渉による合意で人質を取り戻すよう求める国内世論が高まる可能性もある。

 イスラエルメディアのタイムズ・オブ・イスラエルによると、3人のうち2人はイスラエル兵。もう1人は境界近くの村にいて、いずれも昨年10月、ハマスの越境攻撃で連れ去られた。12月になって、ガザ地区北部ジャバリヤ難民キャンプにあるハマスの地下トンネル内で、遺体で発見された。

 報告書は、遺体の発見状況や検視結果、当時の諜報(ちょうほう)情報などから、11月にハマスの北部旅団の司令官を殺害した空爆で死亡した蓋然(がいぜん)性が高いと結論づけた。当時、空爆現場に人質が拘束されているという情報はなく、3人については別の場所にいるという情報もあったとしている。

 また、イエメンの反政府勢力フーシがイスラエルの商都テルアビブを狙って発射したミサイルについて、イスラエル軍は15日夜、フーシが主張するような極超音速ミサイルではなかったとの見方を示した。地元の各メディアが伝えた。

 エルサレム・ポストによると、イスラエル軍は複数のミサイルでフーシのミサイルを迎撃し、少なくとも1発が命中。フーシのミサイルはイスラエルの領空内で空中分解したが、完全に破壊されないまま落下した。その原因を調べていると軍は説明しているという。

 フーシの軍事部門は15日、「新型の極超音速弾道ミサイルを使用した」とする声明を出していた。(イスタンブール=武石英史郎)

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