ゼレンスキー氏、ロシアの侵略「話し合いでは収まらない」 国連安保理会合で訴え

【ニューヨーク=平田雄介】国連安全保障理事会は24日、ロシアのウクライナ侵略に関する会合を開いた。ウクライナのゼレンスキー大統領が出席して「この戦争は話し合いでは収まらない」と情勢を説明し、独自の戦勝計画に基づく「行動」によってロシアを和平に追い込む以外に終戦の手立てはないと訴えた。

ゼレンスキー氏はバイデン米大統領や、11月の大統領選の民主党候補のハリス副大統領、共和党候補のトランプ前大統領と会談し、戦勝計画への支持を求める予定。

この日の会合では、グテレス国連事務総長も情勢を報告し、2014年のウクライナ南部クリミア半島の一方的な併合に続いて22年2月に始まったロシアのウクライナ全面侵攻は「明白な国連憲章違反」と指摘したうえで、病院や学校などの民間施設や民間人への組織的攻撃を強く非難した。

ゼレンスキー氏は、プーチン露大統領について「多くの国際規範やルールを破ってきたので、自ら戦争をやめることはできない」と分析した。戦争を終わらせるには「ロシアを和平に追い込むしかない」と語った。プーチン氏には国際刑事裁判所(ICC)から戦争犯罪容疑で逮捕状が出ている。

この会合は米国やフランス、日本、マルタ、韓国、英国が開催を求めた。ネベンジャ露国連大使は「西側諸国がまたしてもコンサートの舞台を与えた」などと述べ、ゼレンスキー氏の出席を許可した9月の安保理議長国スロベニアを難じた。

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