スリランカ新大統領が就任 「国を方向転換させ、安定した政府作る」

【コロンボ=岩田智雄】インド洋の島国、スリランカで21日に投票された大統領選挙で、当選した左派連合・国民人民勢力(NPP)を率いる野党・人民解放戦線(JVP)のディサナヤカ党首(55)が23日、新大統領に宣誓就任した。

ディサナヤカ氏は22日、現職のウィクラマシンハ大統領(75)らを破って当選した。ウィクラマシンハ氏は、スリランカを支援する国際通貨基金(IMF)や中国、日本など債権国の支援で経済再建を進めたが、増税など痛みを伴う改革や政治家の汚職疑惑が国民の反発を招き、落選した。

ディサナヤカ氏は、改革を見直すため、IMFとの再交渉を掲げる。当選を受け同氏は22日夜、記者団に「この国を方向転換させ、安定した政府を作れると信じている」と述べた。NPPは国会(一院制、225議席)に3議席しか持たず、同氏は早期に解散総選挙に打って出る方針。

JVPは、マルクス・レーニン主義を掲げ、1970~80年代に武装闘争を展開した歴史がある。現在は穏健化しているとはいえ、国政指導者としての経験がないディサナヤカ氏が国際社会とどう関係を築くのか見通せない。隣国インドでは対中傾斜への警戒感がくすぶる。

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