スリランカの新大統領 就任翌日に議会を解散 11月に再び選挙へ

スリランカ最大都市のコロンボで2024年9月22日、大統領選挙で当選を決めた後に選挙管理委員会の事務所から出てきたディサナヤカ氏=AP

 経済危機が起きたスリランカの大統領選挙で当選したばかりの左派勢力・国民の力(NPP)を率いるディサナヤカ氏は24日夜、議会(一院制、定数225)を解散した。11月14日に総選挙が実施される。NPPの政党の国会議員は現在、3人しかいないため、所属議員を増やして政権運営をスムーズにする狙いがある。

 ディサナヤカ氏は9月21日に行われた大統領選で当選し、23日に就任した。解散に先立って、自身が防衛相や財務相などの大臣職を兼務すると発表。NPP側の国会議員アマラスリヤ氏を首相に指名し、法相や教育相、貿易相なども兼務させた。

 スリランカはコロナ禍で外貨収入が急減し、経済危機に陥った。当時のラジャパクサ政権は2022年春、他国からの借金を返せなくなる債務不履行(デフォルト)になったと発表し、その後、政権は崩壊した。

 後を継いだウィクラマシンハ氏は、付加価値税を引き上げるなどして緊縮財政を取りつつ、国際通貨基金(IMF)から4年で総額約30億ドルの支援を取り付けた。日本政府も、スリランカ政府と各国による債務再編の交渉を主導。今年7月には円借款の貸し付けを再開した。

 ただ、国民からは「物価上昇が深刻だ」などと不満の声が相次ぎ、政権の支持率は低迷。一方のNPPは大統領選で、IMFと支援条件などについて再交渉していくと強調。汚職の撲滅や低所得層向けの減税を通じた格差の是正を進めていくなどと訴え、勝利を収めた。

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