ヒズボラがイスラエルとの「期限なき戦い」表明 本格衝突の懸念強まる

【ラマラ(ヨルダン川西岸)=佐藤貴生】レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラは22日、多数のロケット弾や巡航ミサイルなどでイスラエルを攻撃し、第3の都市ハイファ近郊の建造物が損傷した。ロイター通信が伝えた。ヒズボラのナンバー2、カセム師はイスラエルとの「期限なき戦い」に突入したと述べた。本格的な軍事衝突に発展する恐れがあり、国際社会で懸念が高まっている。

イスラエル軍は22日未明までの24時間に約290カ所のヒズボラの拠点を攻撃した。ネタニヤフ首相は22日、「ヒズボラが(イスラエルの)メッセージを理解していないのなら、理解させる」と述べ、攻撃を強化する可能性を示唆した。

イスラエル政府はレバノンと国境を接する北部一帯の住民約6万人を避難させている。北部周辺では学校も閉鎖し、集会の開催も制限して警戒を呼びかけている。イスラエル軍のハレビ参謀総長は詳細には触れず、「次の段階」に向けて準備していると述べた。

レバノンでは17、18日にヒズボラなどが使用する通信機器が多重爆発し、ヒズボラはイスラエルが事件に関与したとして報復を宣言。イスラエル軍は20日、ヒズボラの幹部司令官を空爆で殺害し、双方の緊張が急速に高まっている。

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