長射程兵器でのロシア領内攻撃、米国は自国供与の兵器でなければ容認か…米英首脳が会談

 【ワシントン=池田慶太】米国のバイデン大統領は13日、ホワイトハウスで英国のスターマー首相と会談した。米欧が供与した長射程兵器でウクライナ軍がロシア領内を攻撃するのを容認するかどうかが協議された模様だ。米紙ニューヨーク・タイムズは会談に先立ち、米国は自国供与の兵器でなければ攻撃を認める見込みだと報じた。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、米国や英仏が供与した長射程ミサイルを露領内への攻撃で使えるように許可を求めている。同紙によると、バイデン政権内には攻撃を容認した場合、ロシアの報復を懸念する意見がある。ロシアがイランを支援し、中東の駐留米軍を攻撃させる可能性が指摘されており、慎重に対応を検討しているとみられる。

 バイデン氏は会談で「プーチン(露大統領)はウクライナとの戦争に勝利しないだろう」と強調した。米国は射程300キロ・メートルの地対地ミサイル「ATACMS」、英国は射程250キロ・メートルの巡航ミサイル「ストームシャドー」をウクライナに供与している。

 一方、プーチン氏は12日、供与兵器による露領内への攻撃を認めれば、「北大西洋条約機構(NATO)の国々とロシアが戦うことを意味し、紛争の本質が変わる」と警告した。

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