トランプ氏、2度目の暗殺未遂 58歳男拘束 大統領警護隊が発砲で阻止

【ワシントン=大内清】11月の米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領(78)が所有する南部フロリダ州ウエストパームビーチのゴルフ場で15日午後1時半(日本時間16日午前2時半)ごろ、プレー中のトランプ氏を警備していた大統領警護隊(シークレットサービス)が、銃を持って茂みにひそんでいた男を発見し発砲した。男は逃走したが地元警察に拘束された。トランプ氏にけがはなかった。

連邦捜査局(FBI)は「トランプ氏への暗殺未遂とみて捜査している」と発表した。

トランプ氏への暗殺未遂は、7月に東部ペンシルベニア州で演説中に銃撃され右耳を負傷したのに続き2度目。

トランプ氏は15日、支持者に向けたメッセージで「私は無事で元気だ」と述べ、「再び命を狙われたことで(政権返り咲きに向けた)決意が強まった」とした。

民主党のバイデン大統領(81)は声明で、「トランプ氏が無事だったことに安堵(あんど)している」とし、「米国に政治的暴力やあらゆる形の暴力が存在する余地はない」と事件を非難した。

11月の本選でトランプ氏と争うハリス副大統領(59)も「政治的暴力を非難する。この事件がさらなる暴力につながらないよう、誰もが役割を果たさなくてはならない」との声明を発表した。

AP通信によると、男はライアン・ラウス容疑者(58)。地元警察によれば、トランプ氏がプレー中だった場所から400メートルほど離れた茂みにあるフェンスから、銃身が突き出ているのを警護隊員が見つけて少なくとも4回発砲。同容疑者は車で逃走し、現場から約65キロ離れた高速道路上で警察に拘束された。ひそんでいた場所からは、AK47型のライフル銃や装着型の小型カメラ、バックパックなどが見つかった。

警護隊は、7月13日にペンシルベニア州で起きたトランプ氏への銃撃を未然に阻止できなかったとして非難を浴びて以降、同氏の警備態勢を強化していた。今回の現場のゴルフ場は周辺が住宅地で人の出入りも比較的容易なことから、警護隊がトランプ氏側に警備上の懸念を指摘していたとの報道もある。

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